今までは、125ccが情報通の乗り物とされてきました。
- 30km/h制限
- 2段階右折
- 2人乗り禁止
50ccの3つの不便から解放されて、交通の流れに乗って走れる。
しかし、最近150(160)ccのバイクが増えてきました。
従来は125ccの次のクラスは250ccでしたが、150(160)ccという選択肢が増えました。
125ccと150ccで何が違うのだろう?
維持費は、どれくらい違うの?
そんな疑問を解消します。
125ccと150(160)ccの維持費差は、11,537円/年です。
- 125ccの維持費 87,643円/年
- 150ccの維持費 99,180円/年
この差が大きいか小さいかは、あなたしだい
こんな内容を知って、スッキリしよう。
125ccと150(160)ccの違いは多岐にわたります。
ここでは維持費の違いをご紹介します。
バイク125ccと150ccの比較
この記事では、維持費の違いにスポットを当てます。
125ccと150(160)cc。
わずか25ccの差です。
丁度いい例えが見つからないけれど、25ccはこれくらい。
- ペットボトルのキャップ 7.5ml
- 大さじ1杯 15ml
- おちょこ1杯 18ml
- ヤクルト1本 65ml
125cc と 150cc なぜ25cc違いのバイクがあるの?
わずか25cc違いのバイクが、何故2種類もあるのか?
日本では125ccが区切りだけど、海外では150(160)ccが区切りだからです。
日本より海外の需要の方が圧倒的に多いので、バイクは150ccで開発されます。
その150ccバイクを日本のために、『わざわざ排気量ダウンして』125ccにしてる。
元々の150ccの方が
バランスいいんじゃない?
そんな声が大きくなったので、海外の150ccバイクが日本でも売られるようになったのです。
それに250ccビッグスクーターのブームが去り、250ccスクーターが下火になったのも大きい。
- 大きすぎ
- 小回りが利かない
- 高価すぎ
で、125ccと同じサイズでエンジンが一回り大きくて余裕のある150ccが注目された。
125ccと150ccの立場
- 125ccは本体が安い
- 125ccは維持費が安い
- 125ccは燃費が良い
- 125ccは50ccのような制限がない
- 125ccは軽くて日常使いに良い
125ccが最強というのが、定説だったけど、150ccの台頭で怪しくなってきました。
- 元々150ccなので、バランスが良い
- 高速道路・自動車専用道路が走れる
- ピンクナンバーじゃない
などなど、メリットが多い。
150ccが最強じゃ無いの?
手放しで、そう言えないのが維持費の違いです。
125ccと150ccの維持費の違いをみてみよう。
250ccとの差も知っておいて損はない。
各排気量の詳細は、ココ
125cc・150cc の維持費の比較
年間維持費 | 125cc以下 | 150cc | 250cc以下 | 250cc以上 |
---|---|---|---|---|
自賠責保険 | 6,910 | 7,100 | 7,100 | 7,010 |
バイク保険 | 25,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 |
車検 | 0 | 0 | 0 | 30,000 |
重量税 | 0 | 980 | 980 | 1,900 |
軽自動車税 | 2,400 | 3,600 | 3,600 | 6,000 |
ガソリン | 33,333 | 37,500 | 50,000 | 70,000 |
消耗品 | 20,000 | 20,000 | 50,000 | 70,000 |
合計 | 87,643 | 99,180 | 141,680 | 214,910 |
差額 | 0 | 11,537 | 54,037 | 127,267 |
※2024年3月現在
※車検・重量税は、1年間の費用に按分した金額
いきなり結論から言えば、125cc・150cc の維持費の差は11,537円/年。
月千円にも満たない。
ほとんど変わらない。
根拠は下記シミュレーション結果をご覧ください。
125cc/150cc /250cc /250cc以上で維持費を試算して、その差額を確認しました。
バイクの維持費にはは、7種類あります。
- 自賠責保険
- バイク保険
- 車検費用
- 重量税
- 軽自動車税
- ガソリン代
- 消耗品代
それぞれ排気量でどう違うのかを、見てみよう!
1.自賠責保険
バイクの強制保険です。
全ての排気量のバイクに法律で義務づけられてます。
- 125cc以下 — 6,910円
- 250cc以下 — 7,100円
- 250cc以上 — 7,010円
※損害保険料率算出機構 『自動車損害賠償責任保険基準料率表_2023年1月18日届出』引用
(離島以外の地域)
車検の無い250cc以下は、最大5年分をまとめて払えます。
車検のある150cc以上は、車検期間の2年分を払います。
まとめると割引となるけど、ここでは1年分で計算しています。
自賠責保険の補償範囲
自賠責保険だけでは、全然足りない
- 相手への補償は物足りない
- 自分への補償は、0円
自賠責保険の相手への補償
- 傷害 120万円
- 後遺障害 最高4,000万円
- 死亡 3,000万円
例えば相手が死亡した場合、3,000万円では全然足りません。
一家の支柱(家族の生活を収入面から主に支えている方)であった場合は、
慰謝料が5,000万円以上になることも珍しくありません。
(みらい総合法律事務所を引用)
そして、飲酒・ひき逃げなどの重過失があった場合は増額されます。
日本で事故を起こし、逃げ切れることはありません。
- 自賠責保険で不足となる部分は、バイク保険がカバーします
- でも、バイク保険に未加入の場合は、自己負担です
バイク保険に未加入で事故を起こしたら、あなたが思い描いた未来は、一瞬で消えます。
だから、バイク保険への加入は必須。
例え、125ccでもね!
自賠責保険の自分への補償
自分のケガ・死亡に対する補償は、1円もありません。
自賠責保険は、対人のみです。
相手のケガの補償だけなので、相手の物損、自分の物損、自分のケガの補償は0です。
バイクは被害者になることが多いので、
バイク保険は不要という人が居ますが、幻想です。
過失割合が10対0になるケースなどまず有りません。
事故の過失割合を知りたいならば、ココ
自賠責保険の更新
車検の無い250cc以下のバイクは、自賠責保険の更新を忘れがち
うっかりでは済まない
250cc以上のバイクは、車検で自賠責保険切れのチェックが入ります。
このため更新忘れになる事は有りません。
しかし、250cc以下で車検の無いバイクはチェックが入らないので納付を忘れがちです。
気を付けないと、うっかり切れてたら大変。
自賠責切れで事故を起こすと
万一事故を起こした時に自賠責保険が切れているとどうなるのでしょうか?
バイク保険に加入していたとしても、バイク保険は自賠責切れをカバーしません。
- 傷害 120万円
- 後遺障害 最高4,000万円
- 死亡 3000万円
自賠責で補償されるはずだった部分は、全て自腹となります
自賠責分を除いた部分だけ、バイク保険でカバーされます
自賠責切れの場合は罰金刑に成りますが、そんなことは些細な事です。
自賠責分を自腹で払うということは、未来が消えるということ。
2.バイク保険
結論から言えば、
10代なら、バイク保険はバカ高いので125ccファミリーバイク特約 一択
30代以上なら、125cc・150ccでバイク保険料の差は年5,000円ほどで気にならない
- バイク保険会社による掛け金の差は、結構大きい
- ファミリーバイク特約は、等級が無いので長くバイクに乗るなら損
- 125cc2台以上あるなら、ファミリーバイク特約が安い
- 125cc以下は車のファミリーバイク特約に加入できる
年齢制限なし
バイクの台数制限なし
- 150cc以上は、バイク保険にしか入れない
10代は事故が多いので保険料がバカ高く10万円以上掛かる
しかし、無事故だと毎年等級が上がり、保険料が安くなる
排気量別のバイク保険料は、話が長くなるので別途まとめました。
3.車検
- 125ccも150ccも車検は有りません
- 250cc以上のバイクは 新車登録時は3年、それ以降は2年毎に車検を受けなくてはならない
250cc以下は、車検ナシ
250cc以下のバイクは車検は有りません
しかし点検整備をしなくて良い訳では無い
法的な車検が無いだけで車両整備は必要です。
車検が無いからと言って乗りっぱなしにしないで!
車検が無い250cc以下でも、年1回はプロに見てもらいたい。
1年点検は、1万円以下です。
年1回の安心料としては高くない
250ccでも1年点検を受けるのが、おすすめ
250cc以上は、車検
250ccを超えると、新車で3年・以降は2年毎に車検を受けなければならない。
基本的な整備が出来ていれば恐れることは無いけれど、
- マフラーを変えている
- ライトが暗い
何かとお金はかかる。
自分で整備して自分でユーザー車検を行えば最安だけど、2年に1回くらいはプロに見て貰いたいですね。
4.重量税
125cc以下は重量税なし
~250ccは、バイク購入時に1回だけ4,900円
250cc以上は、毎年1,900円払わなくてはいけない
けれど、大した金額差じゃない
※国土交通省 自動車重量税額について を引用
125cc以下は重量税が無くて、250ccまでは最初だけ、250cc以上は毎年です。
エコカー減税
バイクはエコカー減税は無くて、割増だけある
車よりエコなのに、なぜ?
乗用車は燃費・排ガス規制の達成状況に応じて、免税・25%軽減・50%軽減されます。
エコカー減税と呼ばれてます。
逆に、新車登録から13年・18年経過すると割増されます。
ミニバンや大排気量車もエコカー減税されて、バイクはエコカー減税無し。
なんだかね。
5.軽自動車税
排気量によってチョッとずつ軽自動車税が高くなるけど
大した金額差じゃない
バイクの軽自動車税は年間
- ~ 50cc — 2,000円
- ~ 90cc — 2,000円
- ~125cc — 2,400円
- ~250cc — 3,600円
- 250cc~ — 6,000円
※総務省 平成28年度から軽自動車税の税率が変わります を引用
全排気量のバイクが、排気量毎に決まった金額を毎年納付します。
毎年4月1日の所有者に対し、5月に納付用紙が送られてきます
- バイクを買うなら4/2以降
- バイクを売るなら3/31まで
いずれも4/1に所有していないので、その年の軽自動税は払わなくていい
バイクの購入
バイクを買うなら4月以降に!
バイクを4月に買うと翌年の4月まで1年間納税しなくて良い。
バイクの税金は、4月1日の所有者に掛かってきます。
だから、4月2日にバイクを買えば、来年の4月1日まで税金は掛かって来ません。
バイクの売却
バイクを売るなら、3月までに
バイクを4月に売っても、4月~3月・1年分の税金を払わねばいけない。
5月にシッカリ、納付用紙が送られてきます。
例え4月に売却済みでも、1年分を払い返却はされません。
3月中に売れば、その年の軽自動車税は払わなくてもいい。
もちろん、所有者変更の手続きを3月中に終えないとダメだからね。
3/31に売っても、処理が間に合わないので、遅くても3/Fまでに。
グリーン化特例
4輪車は自動車税・軽自動車税の減税・増税措置があります
- 新車登録初年度は、75%減税される
- 新車登録から13年以上で、20%増税される
一方、バイクにはグリーン化特例は有りません
損な気もするけれど、そんなことは無い
バイクは13年以上の割合が多いので、増税のデメリットの方が多い
高く売る方法は、ココ
6.ガソリン代
1万Km走るのに必要なガソリン代
- 125cc・・・33,333円
- 150cc・・・37,500円
以下条件での算出値です。
- 年間10,000km走行
- 燃費は、WMTCモード値(km/L)ベースの実燃費
- ガソリン単価 150円/L
燃費は、PCX125、PCX160、FORZAのWMTCモード値、250cc超は25Km/Lで計算。
- PCX125 — 公称48.8 ⇒ 45km/Lで計算
- PCX160 — 公称43.7 ⇒ 40.0km/Lで計算
排気量差に比べて、燃費は変わらない
125ccと150ccは20%も排気量が違う。
しかし、燃費は10%しか違いません。
125ccと150ccは25ccの違いしかないけど、20%も排気量が違う。
しかし、燃費は10%しか違いません。
1万Km走って、125ccで33,333円、150ccで37,500円。
年間5千円程度どしか、ガソリン代は変わらない。
125ccと150ccで燃料代はほとんど変わりません。
排気量の差と燃費の差が比例しないのは、同じバイクの排気量違いだから
排気量が大きくなると比例して燃費が悪くなるイメージがあるけど、理由は2つ。
- 大パワーに耐えるよう各部を補強するので車体が重くなる
- 排気量に応じて、2気筒・4気筒化するのでロスが多くなる
同じバイクの排気量違いの場合は、車重も気筒数も大差ない
だから、燃費も大差ない
7.消耗品
125ccと150ccは同じタイヤ。
消耗品の金額差は、無い!
経験則から、エイヤで決めてます。
- タイヤ
- ブレーキパッド
- オイル
- チェーン
- スプロケット
- エアフィルター
主な消耗品はこれらですが、タイヤが支配的です。
125ccと150ccは同じバイクの排気量がチョッとちがうだけ。
タイヤは同じなので、消耗品は変わらない。
それにしてもバイクのタイヤはバカ高い
車の4本分よりバイクの2本の方がずっと高い
流通量の違いと言ってしまえば、そうだけど
なんだかね。
タイヤの寿命見極めは、ココ
125cc と 150cc の比較 (維持費) まとめ
排気量 | 維持費 | 差額 |
---|---|---|
125cc | 87,643 | 0 |
150cc | 99,180 | 11,537 |
250cc | 141,680 | 54,037 |
250cc超 | 214,910 | 127,267 |
125ccと150ccの維持費の差は、11,537円/年。
月にすれば千円の違いしかない。
この差額で、安心感とパワーアップの恩恵が受けられます。
- いざと言う時に高速道路に乗れる安心感
- バイパスが途中から自動車専用道路に変わっても降りなくていい安心感
- 125ccプラス20%排気量のパワー
あなたの行動範囲に自動車専用道路がありますか?
ツーリングで長居してしまい、高速で帰りたくなることがありますか?
そうなら、150ccを選ばない理由がない。
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