バイクには、信仰とも思える不思議な儀式・習慣があります。
- 意味があるのか
- ただの迷信なのか
どれがホントで
どれがウソなの?
そんな疑問を解消します。
バイクの常識をどれだけ知ってるのか?
正解が多ければ多いほど、バイク乗りとしては素晴らしい
けれど、社会人の常識からは外れてるかもしれない
正解数を知って、自分の立ち位置を知っておこう
こんな内容を知ってスッキリしよう。
めでたく全問正解したのなら、
バイク沼にずっぽり嵌ってる証拠。
ご褒美にバイク用品を1つ、自分に買ってあげよう。
最初に言っておくけど、諸説ある項目もあります
あなたの信仰を害する見解も、あるかもしれない
けれど信じるものは人それぞれ、怒らずに優しい目で見守って!
- バイクにまつわるウソ・ホント15選!
- 1.中古バイクで事故車は『修復歴あり』になる
- 2.3輪バイクはタイヤが多い分、パンクし易い
- 3.古いバイクには鉱物油がいい
- 4.夏は油切れ防止のため、固めのオイルがいい
- 5.オイルは高グレードを長くより、交換頻度を早めるべき
- 6.小排気量はオイル量が少ないのでオイル交換は早めがいい
- 7.ヘルメットをかぶるとハゲる
- 8.50ccバイクは、最も燃費がいい
- 9.アマリングはヘタクソの印
- 10.コーナリングは逆操舵を切っ掛けにしよう
- 11.鉄より高剛性なアルミフレームの方が偉い
- 12.タイヤに窒素ガスを入れる意味はある
- 13.バッテリーの寿命は走行距離に関係ない
- 14.ABS付きのバイクは制動距離が長くなる
- 15.125ccにトラクションコントロールは意味が無い
- バイクの常識、ウソ・ホント15選! まとめ
バイクにまつわるウソ・ホント15選!
いにしえより、バイクにはいろんな作法が言い伝えられてます。
時を経て、信仰に昇華されたものもあります。
今となっては、その起源までさかのぼるのは難しいこともあるけれど
今、改めて考えてみませんか?
ホントなのか、ウソなのか!
あなたは何問正解できるだろう?
1.中古バイクで事故車は『修復歴あり』になる
フレームを修復したときだけ『修復歴あり』表記になります
- カウル修理・タンク凹み修理などは『修復歴』に含まれません
- 事故歴・転倒歴があっても、フレーム無傷なら『修復歴』に含まれません
『修復歴』の定義は明確に決められてます。
自動車公正取引協議会 二輪自動車公正競争規約集 12条
『販売する中古車にフレームの修復歴がある場合には「有」と表示するとともにその内容を明示するものとし、フレームの修復歴がない場合は「無」と表示するものとする。』
通常、バイクが転倒してダメージを受けるのはカウル・ステップ・ハンドルなど。
これらは交換してしまえば元の性能に戻るので、修復歴に含まれない。
しかし、曲がったフレームを寸分たがわず元通りにするのは、かなり困難です。
だから、フレームの修復歴だけが表示を義務付けられてます。
『修復歴無し』バイクのタンクが、パテもりもり修理されてたというのは、
バイクのあるある
『事故車』・『転倒歴』は、定義が決まってません。
中古車販売店の『オレ基準』で決められる。
中古車の選び方は、ココ
2.3輪バイクはタイヤが多い分、パンクし易い
前輪と後輪が同一線上に無いので
3輪バイクは2輪よりパンクし難い
3輪バイクは普通の2輪バイクよりタイヤの接地面が多い。
だからその分パンクも多い気がするけど、実際は3輪バイクの方がパンクし難いのです。
パンクの良くあるパターンは
- 前輪が、落ちてるクギを踏む
- クギを巻き上げる
- 巻き上げられたクギが立ったところで後輪が来る
- 後輪にクギが刺さる
車・バイク共に、前輪より後輪がパンクし易いのはこのメカニズムだからです。
クギが立った状態で道路に落ちてることはまず無い。
だから前輪が巻き上げないとまず、パンクにならない。
一方、3輪バイクは、前輪と後輪が同一線上に無い。
だから、前輪が巻き上げたクギが後輪に刺さることはまずありません。
よって、3輪バイクはパンクし難い。
パンクしたらロードサービスを頼るのもあり
3.古いバイクには鉱物油がいい
古いバイクも新しいバイクも
化学合成油の方が良いに決まってる
古いバイクはエンジンの接合部に隙間がありがち。
なので古いバイクに粒子の細かい化学合成油を使うと、オイル漏れが起きやすい。
粒子の荒い鉱物油ならオイル漏れが起きにくいので、鉱物油を選ぶべき、という人もいます。
でも、ジワジワ漏れる程度なら、拭けばいいだけ。
粒子の細かい化学合成油の方が、エンジンの細部まで行き渡ります。
細部までオイル皮膜を作って保護してくれるので、化学合成油の方がエンジンに優しい。
化学合成油を使うメリットが、漏れるデメリットを上回ります
良くあるフレーズを思い出そう。
『オイルが漏れるのは、オイルが入ってる証拠』
4.夏は油切れ防止のため、固めのオイルがいい
固いオイルは抵抗になるので、発熱が増える
よりオーバーヒートしやすくなるだけ
バイクのマニュアル指定オイルは、10W-30
夏はより高温に強い10W-40にしてる!
『10W-30』の30を高温側の規格だと思ってるなら、問題外。
- 10W:最低外気温の規格 10なら-25℃までOK
- 30:粘度で数字が大きいほど固い 高温の規格じゃない
夏場、エンジンが高温になってオイルが切れて焼き付くのが心配ですか?
対策として固めのオイルに変えると、却って抵抗になって発熱が増えるだけです。
まともなオイルを使ってれば、粘度とは別に洗浄・保護添加剤が含まれてるので夏でも大丈夫です。
固いオイルは、距離を走ったバイク・古いバイクに使おう
摩耗によって広がったスキマを、固いオイルで埋めると幸せになれる
オイルの規格については、ココ
5.オイルは高グレードを長くより、交換頻度を早めるべき
- 腐っても鯛なのか
- 新鮮な方がいいのか
議論が分かれるところだけど
怪しいオイルはいくらフレッシュでもダメなのは確か
高いオイルと安いオイルは何が違うのか?
- 鉱物油:石油を精製した普通のオイル
- 化学合成油:鉱物油から不純物を科学的に取り除いた高性能オイル
- 合成油:鉱物油と化学合成油のブレンド
この辺りまでは表示されてるけど、その先の『添加剤』は闇の中。
洗浄剤、酸化防止剤、摩擦低下剤などなど各社のノウハウが詰め込まれてます。
安いオイルはベースオイルに近く、高グレードのオイルには最新の添加剤が含まれる。
安いオイルを高頻度で変えるのと、高グレードの高価なオイルを長く使うのとどっちが良いのか?
議論は分かれてお互いに相容れないのが実情です。
ただ、車用の安いオイルを口コミを信じてバイクに使うのは止めた方が良い
いくら高頻度で交換しても、最初からダメなものはダメかもしれない
バイク向けより車向けのオイルの方が市場は大きい。
だから車用は、安いオイルが手に入りやすい。
魅力的ではあるけど、自己責任でね!
いくら高頻度で交換しても、最初からダメかもしれない。
6.小排気量はオイル量が少ないのでオイル交換は早めがいい
小排気量バイクは、オイル交換頻度を上げた方が良いのはホント
でもそれは常用回転数の違いのためで、量の問題じゃない
同じ60km/h走行でも
- 1,000cc:1,500rpm
- 125cc:3,000rpm
小排気量車はトルクが小さいのを回転数でカバーしてます。
だから、同じ速度でも小排気量の方が高回転です。
高回転 = 爆発する回数が多い = オイルが酷使される
回転数に比例して、オイルが劣化するスピードも上がります。
- 小排気量バイク
- 高回転を多用する人
オイル交換する頻度を上げた方がいい
オイル添加剤選びなら
7.ヘルメットをかぶるとハゲる
禿げ易い体質は、遺伝で決まります
ヘルメットで頭皮にダメージを与えると、遺伝子を呼び起こす
※日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版 を引用
- 薄毛の遺伝子は、X染色体に組み込まれてます
- 男性の X は母親由来なので、母親の家系が遺伝します
だから母方の男性に薄い人が多いならば、あなたにもその遺伝子は受け継がれてます。
遺伝子を持った人がヘルメットをかぶって頭皮を不潔にしていると、発症が早く・加速する。
蒸れたヘルメットは頭皮にとっていい環境じゃないからね。
ヘルメットの影響を小さくするには
8.50ccバイクは、最も燃費がいい
50ccバイクの定地燃費が抜群に良いのはホント
だけど30km/hで走り続けたときなので、公道では再現不可能
スーパーカブ50 | スーパーカブ110 | |
定地燃費値(Km/L) | 105.0 | 68.0 |
WMTCモード値(Km/L) | 69.4 | 67.9 |
スーパーカブ50の定地燃費は、105km/Lと抜群にいい。
1Lで100kmも走ります。
一方、スーパーカブ110は68km/Lで、50ccの60%程度の燃費になってしまう。
50ccの高燃費が光ってますね!
けど、WMTCモード値は、2%しか差が無い
腑に落ちませんね!
これにはカラクリがあって
- スーパーカブ50の定地燃費測定する一定速度は、30km/h
- スーパーカブ110の定地燃費測定する一定速度は、60km/h
50ccの制限速度は30km/hなので
ゆっくり走ってるから燃費が良く見えるだけ。
公道でスーパーカブ50の定地燃費を再現するには
30km/hで走り続けることになる
公道でを再現するのは、難しい。
危険でしかない。
バイクの燃費っていうほど良くないよね
9.アマリングはヘタクソの印
公道でアマリングがあるのは、余力を残してる証拠
タイヤの端まで使うのは誰も居ない所でね
タイヤの端まで使わないと曲がれないのは、飛ばし過ぎ。
下手なやつほど、飛ばしたがる
爪を隠して余力をもって走ろう。
公道でツーリングしてるのだから、秒を争う必要はありません。
無茶したいときは、誰も居ない所でひっそりとね!
アマリングを消す方法ならココ
10.コーナリングは逆操舵を切っ掛けにしよう
ツーリングでは、逆操舵なんて意識せず
コーナリングを楽しもう
- 体重移動で曲がる
- 逆操舵をきっかけに曲がる
諸説あって議論が分かれてます。
少なくとも公道のツーリングでは、意図的に逆操舵してクイックに曲がるなんて考えなくていい。
無意識の逆操舵だけで十分。
セルフステアリングを味わいながら、コーナリングをマッタリ楽しもう。
逆操舵を試してみるなら、誰も居ない所でひっそりとね!
バイクが上手いとは?
11.鉄より高剛性なアルミフレームの方が偉い
アルミのメリットは軽くて高剛性なこと
ガチな走りに向いてる
鉄のメリットは、しなることと安価なこと
乗り心地がいいのでツーリングに向いてる
適材適所なので、一概にどっちが偉いとは言えない
アルミは鉄より軽いけど柔らかい。
鉄と同じ剛性にするには、大口径にする必要があります。
だからアルミフレームはド太い。
大口径のアルミは高剛性で大出力も受け止めるけど、鉄のようにしならないので疲れる。
細かい振動もダイレクトに伝えてしまうから。
だから、アルミはスポーツ走行には向くけど、ツーリングには辛い。
鉄のマッタリとした乗り味か、アルミのシャキッとした乗り味か。
好みの問題なので、どっちも偉い!
12.タイヤに窒素ガスを入れる意味はある
効果が0とは言い切れません
違いの分かる繊細な人には、効果があるのかもしれない
バイクショップでは、500円/本ほどで、タイヤに窒素を入れてくれる。
メリットは4つ。
- 空気が減り難い
- ホイールがサビ難い
- タイヤバースト時に爆発しない
- 水分が少ないので、温度で空気圧変化が少ない
この内、公道ツーリングユーザーが体感できるのは、『空気が減り難い』だけです。
※ブリジストン データを引用
- 普通の空気を入れた場合、3ヶ月で空気圧は40%になってしまう。
- 窒素を入れた場合、3ヶ月で空気圧は75%にしかならない
60℃環境の加速試験データ
常温ではもう少し緩やかに低下しますが、窒素を入れると空気圧が下がり難くなるのは確か。
この差に500円の価値があるか否か?
あなたは、どう考えますか?
まあ、月1で空気圧を補充している人には関係ないですね!
ズボラな人には、意味がある。
窒素効果の詳細はココ
13.バッテリーの寿命は走行距離に関係ない
バッテリーは満充電の状態が最も長持ちします
走行距離が短く、充電が不足がちだと短命になる
バイクの鉛バッテリーは、使わなくても少しづつ放電していきます。
長期間放電状態が続くとバッテリー内の硫酸鉛が結晶化して電極にこびりついてしまう。
そうすると電気が上手く取り出せなくなってしまいます。
『サルフェーション』と言われる現象です。
サルフェーション除去機能のある充電器を使うことである程度復活させることはできます。
しかし、何度も積み重なると寿命になる。
- 年に3,000km以下しか走らない
- 冬は乗らない
走行距離が短いバイクのバッテリーの寿命は短い
バッテリーを長持ちさせる方法はココ
14.ABS付きのバイクは制動距離が長くなる
ABSは制動距離を短くするツールじゃない
転倒しなくするためのツール
動摩擦係数は静止摩擦係数より小さくなります。
※詳しくは機械設計エンジニアの基礎知識 参照
だから、最短距離で止まタイヤをロックすべきです。
でも前輪をロックした状態で転倒せずにいられる人はまず居ません。
超絶バランス感覚の優れた人なら何とかなるかもしれないけれど、無理。
タイヤロックする寸前で制御してくれるのが、ABS
制動距離は長くなるけど、転倒せずに止まれる
雨の日など滑りやすい路面でも転倒せずに止まれるのがABSの効果。
アイスバーンのような滑りやすい道を、スイスイ走れるようになる訳じゃない。
後輪をズリズリして遊びたい人には余計な機能だけど、義務化されてるので外せない。
ON/OFFできると遊べるのにね!
15.125ccにトラクションコントロールは意味が無い
大排気量のスポーツモデルが、コーナー出口で使うのだけじゃない
濡れたマンホールなど、公道にはトラップが多い
大排気量のスポーツモデルはパワーが有り余ってる。
コーナー出口で不用意にアクセルを開けると簡単にリアタイヤが空転して前に進みません。
そんなとき、パワーを抑えこむのがトラクションコントロール。
空転せずにスムーズにコーナーを立ち上がれる。
125ccの低出力バイクには無関係に思われがちだけど、PCXなどには標準装備です。
- 濡れたマンホール蓋
- 落ち葉の吹き溜まり
- 橋のつなぎ目
125ccでも『オットット』となる場面はあります。
トラクションコントロールは有効!
ハイテクバイクは楽しいのか?
バイクの常識、ウソ・ホント15選! まとめ
15問中、何問正解できましたか?
全問正解な人は、バイク沼にどっぷり嵌ってますね。
ちょっとそこまで行ってくる!
『そこまで』が300km離れた灯台だったりしませんか?
バイクのことは解るけど、一般人の常識が通じなくなってるかも。
バイク沼に飲み込まれるのも楽しいけどね!
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