点火プラグが無いと、バイクは1ミリも動きません。
小さな部品だけれど、大切な部品です。
点火プラグの交換時期は、どれくらい?
イリジウムや白金の点火プラグがあって
10万km持つって本当?
そんな疑問を解消します。
バイクに使える点火プラグは3種類
一般・イリジウム・MotoDX
それぞれの寿命は、
- 一般プラグ、イリジウムプラグは、3,000~5,000km
- MotoDXは、8,000~10,000km
イリジウムにしても、寿命は延びない
バイク用で10万km持つ長寿命点火プラグは無い
こんな内容を知って、スッキリしよう。
点火プラグは、地味なパーツです。交換したからと言って違いを体感するのは、まずムリ。
もし体感できたのなら、
- よほどの感性なのか
- よほど劣化していたのか
どちらにしても、交換したかいがある。
体感できなくても、交換時期をは把握して、予防交換しておこう。
バイク用点火プラグの種類と交換時期
バイクに使える点火プラグは3種類。
- 一般的なプラグ
- イリジウム
- MotoDX
それぞれの特徴を知って、何が違うのかを理解した上で、どれを使うかを決めよう。
一般的なプラグ、イリジウム、MotoDX の違い
2輪向け点火プラグ3種類の主な違いは、電極に使用している物質の違いです。
一般プラグ(ニッケルプラグ)
電極にニッケルを使用した、一般的なプラグ。
安価なのかメリット。
イリジウムプラグ
電極にイリジウムを使用したプラグ。
ニッケルより熱に強いため、電極を細くできる。細い電極だと火花を安定して飛ばせるので燃焼効率がいい。
燃費が良くなりレスポンスも良くなる。
低回転時や始動直後の燃焼効率が悪い状態で、その真価を発揮します。
高価なのがデメリット。
MotoDX
バイク専用プラグ。
バイクに特化した性能を(加速性・耐久性・耐汚損性・燃費・始動性等)を向上することを目的に作られた。
電極にルテニウムを使用してプラグです。
イリジウムと同様に熱に強いので、電極を細くできるので燃焼効率がいいのは、イリジウムと同じ。
さらにルテニウムは、耐久性がイリジウムより高いので長寿命になる。
つまり、燃費が良くなりレスポンスも良くなり、さらに高寿命。
イリジウムよりさらに高価なのがデメリット。
一般プラグ、イリジウムプラグ、MotoDXプラグの寿命
- イリジウムプラグは、一般プラグと同じ寿命
- MotoDXは、2~3倍の寿命
純正の一般的なプラグをイリジウムに変えても、寿命は延びません。
イリジウムは、一般プラグより安定した火花が飛ばせるのが特色で、寿命に差異はありません。
一方、MotoDXに使われているルテニウムは長寿命なため、2~3倍の長寿命が望めます。
車で10k万km交換不要の点火プラグは?
車で1o万Km交換不要の点火プラグがあるけど
あれは何?
バイクに使うと、バイクも10万Kmもつの?
残念だけど、あれは車専用の点火プラグ。バイクには使えません。
一般プラグとイリジウムプラグの寿命は同じです。
しかし、10万Km持つタイプのプラグは、同じイリジウムを使ってる。
違いは、外側の電極に白金を使ってるか否かです。
外側電極を白金にすることで、外側電極の消耗を防ぎ、10万km持たせてる。
残念ながら、外側に白金を使った超寿命タイプのプラグは、バイク用には存在しません。
高回転を多用するバイクには、白金は向かない。
チェーンも交換時期が解り難い
点火プラグが劣化する理由
ディーゼルエンジンには点火プラグが不要だけど、バイクにディーゼルは無いので、点火プラグは必須です。
点火プラグが劣化しては、良い爆発は望めない。
点火プラグは消耗品
点火プラグは燃焼室内で、
- 2~3万ボルトの火花を飛ばし
- ガソリンを爆発させる
- 爆発で2,000℃~2,500℃にさらされ
- その後の吸気で急激に冷やされる
そんなことを、1分間に数千回行ってます。
電極の消耗
最初は電極のエッジが立ってますが、だんだんエッジが削れて丸くなって来ます。
火花は鋭角のところから飛びやすいので、丸くなってくると火花が飛びにくくなる。
交換が必要になります。
初期の電極エッジが立ったプラグが使い込んで電極が丸くなると寿命です。
点火プラグの交換時期
点火プラグは、火花を飛ばした回数で交換時期が決まります。
同じ距離を乗っても、
- 自動車はエンジン回転数が低いので、点火回数は少ない
- バイクはエンジン回転数が高いので、点火回数は多い
点火プラグの寿命 | 四輪車 | 軽四輪車 | 二輪車 |
一般プラグ・白金プラグ・ |
15,000~20,000km | 7,000~10,000km | 3,000~5,000km |
MotoDXプラグ | - | - | 8,000~10,000km |
白金プラグ(長寿命タイプ)・イリジウムプラグ (長寿命タイプ) |
~100,000km | - | - |
同じプラグでも自動車で使うのと、バイクで使うのでは4倍も寿命が変わります。
低排気量バイクは、早めの交換を
- 高回転を多用して乗る
- 高回転を多用しがちな低排気量車
メーカ指定の寿命より早めに交換した方が良い
バイクでも、常用回転数はさまざまです。
250ccマニュアルは、6,000~8,000rpmは普通に使うので、車の常用を2,000rpmとすれば、ちょうど4倍です。
寿命の表で、車が20,000km、バイクが5,000kmというのも頷けます。
同じバイクでも、低いギアで引っ張って走ることが多い人は、3,000Kmで交換した方が良い。
125cc、250ccは、非力なので高回転を多用した走りになりがちです。
低いギアを多用する人と同様、点火プラグの消耗が激しいので、推奨距離より早めの交換がおすすめ。
逆に、ハーレーなどのクルーザーは車と同じような常用回転数なので、5,000kmで交換せず、車の20.000kmで交換しても十分かもしれない。
PCXのメーカ推奨点火プラグ(NGK)
PCXに適合するプラグは、以下です。
PCXの世代により、適合点火プラグが異なるので、間違えて買わないように。
標準 | イリジウム | MotoDX | |
PCX(JK05・JK06・KF47) | LMAR8L-9 | ー | LMAR8ADX-9S |
PCX150(KF30) | MR8K-9 | ー | CPR8EDX-9S |
PCX150(KF12/18) | CPR7EA-9 | CPR7EAIX-9 | CPR8EDX-9S |
PCX(JF81) | MR8K-9 | ー | CPR8EDX-9S |
PCX(JF28/56) | CPR7EA-9 | CPR7EAIX-9 | CPR7EDX-9S |
オイル交換は、ハッキリ効果が解るので楽しい
一般・イリジウム・MotoDXどれにするか、選び方と交換方法
特にこだわりが無ければ、
一般品を3,000km程度の早めに交換するのがおすすめです。
その方がコスパが良い
一般・イリジウム・MotoDXの交換時期の違い
交換時期は、乗り方や排気量によって変わるのは、もう解ってますよね。
だから、あくまで参考値として。
一般プラグ
メーカ純正のプラグ 3,000~5,000kmで交換
リジウムプラグ
中心電極にイリジウムを使い、細くしたタイプ
細いので火花が出やすい
3,000~5,000kmで交換
MotoDXプラグ
電極の形状・材料をバイクに最適化し、始動性や燃費を向上したタイプ
8,000~10,000kmで交換
一般・イリジウム・MotoDX の選び方
好みで選んで構いませんが、違いを体感するのはムリです
最近のバイクはインジェクション(燃料噴射)ですので、プラグの差異は出にくくなりました。
低回転や始動直後でエンジンがぐずつきがちな場面でも、コンピュータが適切なガソリン噴射量を調節してくれます。
キャブ車のように、低回転でエンストしたり、冷間時の始動に苦労することはありません。
だから、どの点火プラグを使っても、始動性やパワー・燃費の差を体感することは出来ません。
くたびれたプラグと新品の違いは誰でもわかりますが
新品同士で一般・イリジウム・MotoDXの違いはわかりません
よほど感覚が鋭い人なら、あるいは・・・?
点火プラグはそんなに高価なパーツでも無いので、試してみるのも面白い。
コスパで選べば、一般プラグ
MotoDXは寿命が2倍長いが、価格が2.5倍高い
コスパは、いま1つ
一般プラグと寿命が変わらないイリジウムは、無駄にコストアップになるだけなのでテーブルに乗らない。
つまり、一般プラグがおすすめです。
イリジウムの反論
イリジウムは、安定した火花が出るので、燃費が良くなりレスポンスも良くなる
一日の長がある
電極が細いので、安定した火花が望めるのは確かです。
これにより、いろんなメリットが語られる。
- パワーアップ
- 燃費アップ
- 始動性アップ
- 汚れにくい
しかし、体感するのは、困難です。
点火プラグはオイルと似てます。
- 高価なオイルが良いのか
- 交換サイクルを早くした方が良いのか
人それぞれ。
体感が難しくても、イリジウムにすることで満足感が得られるのであれば
『イリジウムのメリットはある』とも言えます。
プラグの熱価の選び方
プラグには「熱価」があります。
普通はメーカ指定の型式(熱価)でバランスが取れていますが、変えてみるのも面白い。
例えば、PCXの標準プラグ「 MR8K-9 」では、8が熱価8の意味です。
「 MR9K-9 」 にすると8から9に熱価を上げる、ことになります。
熱価を上げる
高回転を多用するなら熱価を上げてみる
熱価が高いと放熱が大きいので、点火プラグは冷えやすい。
エンジンを高回転で走る事が多かったり、夏に熱ダレするときは、熱価を上げると熱ダレし難くなります。
熱価を下げる
始動性を良くするなら、熱価を下げてみる
熱価が低いと放熱が小さいので、点火プラグは熱くなりやすい。
冬の朝にエンジンが掛かりずらいときは、熱価を下げるとエンジンが掛かり易くなります。
高性能なエンジンを街乗りばかりで低回転で使ってませんか?
そんな乗り方が多いと、プラグが温まらずにカーボンが貯まりやすい。
熱価を下げて低回転でのカーボンを押さえてみるのもイイ。
高性能なエンジンが宝の持ち腐れにはなるけどね。
プラグの交換方法
交換作業は、簡単です。
- プラグコードを引き抜く
- プラグレンチで、既存のプラグを外す
- 新しいプラグを手で回せる間は手で回す
- てで回せなくなったら、最後にプラグレンチでトルクを掛ける
新品プラグ:60度回す
再使用:30度回す
具体的な作業手順は、ココ
作業は簡単ですが、ねじ山を傷めないように注意が必要です。
プラグのねじはエンジンに直接切ってあるので、ねじをなめると、エンジンを下ろして修正する必要があります。
自分では直せないし、ショップに依頼すると高価な作業になります。
点火プラグの交換は簡単だけれど
- 斜めに締めると、ネジ山を潰して悲惨
- ばか力で締めると、点火部ラグがねじ折られ取れなくなって悲惨
簡単な作業でもナメるとひどい目に合うからね。
暖気運転、してる?
バイク点火プラグの交換時期と交換する手順 まとめ
ツーリング用途の点火プラグは、一般タイプで十分!
- イリジウムにしても、寿命は延びない
- イリジウムにしても高価を体感出来ない
- MotoDXはコスパが悪い
- バイク用で10万km持つ長寿命点火プラグは無い
もちろん、ふらしーぼじゃ無く、プラグの種類の違いが解る漢は除く
点火プラグは、エンジンオイルに似ています。
高いオイルの方が良いのか、安いオイルを頻繁に替えた方が良いのか?
オイルと同様に、『 高いプラグを頻繁に替える 』がベストなのかもしれない。
しかし次点の、『安いプラグを3,000kmで替える』をおすすめします。
プラグを変えると、なんだか気分が良い!
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