昔のキャブレターバイクは、走り出すまでに儀式が必要でした。
チョークの操作をしながら、エンジンが安定するまで暖機運転。
そして、おもむろに出発。
インジェクションバイクも
暖機運転は必要なの?
何分ぐらいすれば良いの?
そんな疑問を解消します。
荒野の一軒家に住んでるなら、好きにすればいい
そうでないなら、ゆっくり走りながら暖気運転で十分です
- ウルサイ
- クサイ
- ジャマ
暖機運転した方が、エンジンには優しいに決まってるけど、
ネガが大きすぎる
こんな内容を知って、スッキリしよう。
あなたにとっては『サウンド』かもしれない。
けれど隣人には『騒音』でしかない。
そういう時代になったのだから、仕方ない。
暖機運転のメリットと、インジェクションでの必要性
暖機運転を行うメリットは3つ
- エンジンの燃焼を安定させる
- 熱膨張でクリアランスを最適化する
- オイルを行き渡らせる
インジェクションバイクでは、必要性は薄まってます。
1.エンジンの燃焼を安定させる
昔のバイクは、エンジンが冷えているとまともに走らない。
キャブレターはアナログな構造なので、外気温の影響を調整することが出来ません。
エンジンが冷えていると、直ぐにエンストしてしまう。
チョークでマニュアル調整して、エンジン燃焼を安定させる必要がありました。
最近のインジェクションは?
エンジンの燃焼を安定させる目的での暖機は、不要!
チョークなんて付いてません。
気温・エンジン回転数に従って、最適な燃料を最適なタイミングで噴射します。
エンジンが冷えていても、一発で掛かり直ぐに安定する。
もし、インジェクションで始動直後に安定しないなら、
どこか壊れてます。
2.熱膨張でクリアランスを最適化する
金属は、温度が上がると膨張します。
高温で適度なクリアランスになるように調整されたピストンは、低温ではガバガバ。
その状態で高回転まで回すと、ブレながら行き来するので偏摩耗してしまう。
温まるまでは、低回転で優しく回す必要がありました。
最近のインジェクションは?
工作精度の向上で、暖機は不要!
水冷で温度管理される前提なので、クリアランスは最小限です。
冷えていても、ブレ量は許容範囲内。
3.オイルを行き渡らせる
停車していたバイクは、オイルが落ち切っている。
急に動かすと、油膜切れを起こしダメージを受ける。
オイルが行き渡るまでは、低回転で優しく回す必要がありました。
最近のインジェクションは?
昔は暖機運転が常識でした。現在では暖機運転をしなくても、エンジンに損傷を与えることは ありません。ただし、人間と同じように、ウォーミングアップ中はスピードを出し過ぎないよう にしましょう。
極端に外気温が低い場合や数日間車に乗らなかった場合には、数十秒間アイドリングして、エ ンジン周りに潤滑油を生き渡らせれば安心です。
一般財団法人省エネルギーセンター
※ 一般財団法人省エネルギーセンター 『エコドライブ技術案内-運転時のその他の留意点』を引用
最近のバイクでも、オイルを行き渡らせるのは必要!
オイルが落ち切った状態でぶん回すのは、エンジンに良くないのは変わらない。
ただし、1分も暖機すれば十分。5分、10分もする必要は無い。
添加剤も有効
暖機運転が不要な理由3選
- ウルサイ
- クサイ
- ジャマ
インジェクションになって、暖機運転のメリットは薄れました。
しかし、不要な理由が薄れることは無い。
むしろ、逆風が強くなって来てる。
日本の最低気温は、1902/1/25の北海道 ・旭川
マイナス41℃
こんな日は、暖機運転した方が良いけどね
1.ウルサイ
暖機運転と称して、同じ場所でずっとエンジンを掛けていたら、
ウルさい。
騒音に対する許容量は、昔より下がってきてます。
バイクに乗ろうとすると
『止めてもらえませんか?』
張り紙が付いているかもしれない。
毎日、10分も暖機してたら近隣の冷たい目を感じるはず。
合法マフラーでも、深夜早朝などはうるさく感じます。
車検のときは交換するような、怪しいマフラーならなおさら。
2.クサイ
マフラーの触媒(キャタライザー)は、高温になって初めて排ガスを浄化します
始動したばかりのバイクは、環境負荷物質をまき散らしてる
始動したばかりのバイクは、キャタライザーが冷えてます。
冷えてると、Noxをはじめとする有害成分を除去できません。
燃焼が安定しないのと相まって、
クサい臭いにおいとともに、周囲に異物をまき散らしてます。
健康被害を訴えられるかもね。
3.ジャマ
戸建ての駐車場なら、いいけれど
マンションの駐輪場で暖機されたら、ジャマでしかない。
子供がエンジンやマフラーに触れて火傷する心配もある。
駐輪場で暖機運転を延々としている住人とは、仲良くなれない。
バイクは、不良のイメージが根強いからね
おすすめの暖機は、動きながら
エンジンを掛けたら、直ぐに動き出そう
ゆっくり走りながら暖機運転することで、あなたの暖機もできる
- 家の前がバイパスで、流れが速いとか
- 家の前が激坂で、全開で上るとか
そんな場合は、多少長めに暖機した方がいい。
けれど、そうでないなら暖機なしで走り出そう。
サスやタイヤの暖機も兼ねてゆっくり走り出せば、バイクへのダメージも最小限で済む。
昔は昔、今は今。
昔のやり方がいつまでも許容されると思わない方がいい。
暖機を日常的にしてる/してない、でどれほどの差が出るかのデータを示せますか?
暖機をすれば20年の寿命が、15年になるのを実証できるのであれば
ゆっくり暖機してても、許されるかもしれない
どんなオイルを使うかも、重要
インジェクションバイクに暖機運転が不要な理由 まとめ
インジェクションだって、暖機運転をした方が良いに決まってます。
MUSTではないけれど、better。
- 近隣住人とのトラブル
- ガソリンのムダ遣い
気にしないのであれば、暖機した方がバイクに優しい。
けれど、そんな優しい街ばかりではない。
あなたの環境によって、暖機可能な時間は変わるけど
暖機なしで動き出してもOK
!
走りながら暖機すれば、あなたも運転モードに暖機できる。
第一、そう簡単に壊れるほど、バイクはヤワじゃない。
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