バイクメンテでチェックしたい消耗品には、いろいろあります。
- チェーン
- タイヤ
- ブレーキパッド などなど
タイヤやブレーキパッドは交換時期が解り易いけれど、チェーンは交換時期が解り難い。
チェーンは、見た目で解るほど減らないからね。

チェーンは、どうなったら交換時期なの?
いくらくらいなの?
どう選べば良いの?
そんな疑問を解消します。
チェーンの交換時期の見定める方法5選
- チェーンアジャスターの調整幅を使い切った
- 固着して曲がってる場所がある
- ローラーがスムースに回らなくなった
- チェーンが酷くサビてしまった
- チェーンのクラックや変形
交換チェーンの選び方4選
- チェーンサイズ
- シール・ノンシール
- メッキ仕様
- グレード
こんな内容を知ってスッキリしよう。
普段は意識しないけど、チェーン交換するとビックリする位バイクがパリッとします。
逆にチェーンがサビてたり、たるんでると残念!
チェーンの交換時期をどう決めてますか?

エンジンオイルの交換時期は、簡単です。
- 走行距離: xx kmになったら交換
- 季節:春と秋に交換
どちらかで交換すれば、エンジンを痛めることはありません。
では、チェーンの交換時期は、どうやって決めてますか?
- 走行距離 xx万Km
- 使用年数 xx年
- シールゴムの破れ
- サビの酷さ
多分、この4つのどれかのはずです。
でも
走行距離や使用年数で推し量るのは、ムリ!
『シールゴムの破れ』や『サビの酷さ』が、正解です。
『切れるまで!』という猛者は居ないですよね?
距離で交換時期の管理は、ムリ!

- シールチェーンの寿命は2万Km
- ノンシールの寿命は5千Km
一般的に、距離の目安はこう言われてます。
しかし、走り方やチェーンメンテの頻度でチェーンの寿命は大きく変わります。
あなたは、どれくらいの頻度でチェーンメンテしてますか?
頻繁にメンテしてる!
小まめに洗浄注油しているなら
2万km乗っても、ほとんど伸びないことも
使用してるチェーンオイルにも寄るけれど、汚れや油膜切れに気を使ってる人。
こんな人は、一般的な寿命の2万Kmは、余裕です。
バイクに乗るたびにチェーンメンテすれば、4万Kmでも平気なことも多い。
いつメンテしたか覚えが無い!
急加速を多く使い、チェーンメンテなんてしないで乗りっ放し
こんなことしてると、
1万Kmでダメになることもある
- 赤さびが浮いてるチェーン
- オイルとホコリでベタベタのチェーン
いくらバイクがピカピカでも、こんなチェーンでは愛を感じられない。
走行中にチェーンが切れて、大事故になるかもしれない。
- 切れたチェーンがムチのように足にヒット!
- 切れたチェーンが後輪に巻き付いて後輪がロック!
無傷では済みません。
時間で交換時期の管理は、ムリ!

年に2,000kmしか走らないなら、10年無交換?
距離を乗らなければ、2万Kmになるまで10年持つ訳じゃない。
シールチェーンのシールゴムが経年変化でダメになります。
乗ってなくても、チェーンの寿命はやってきます。
だから、距離だけで管理するのはムリ。
バイクチェーンの交換時期を見極める方法5選!

では、どう管理すれば良いのか。
方法は5つ。
- チェーンアジャスターの調整幅を使い切った
- 固着して曲がってる場所がある
- ローラーがスムースに回らなくなった
- チェーンが酷くサビてしまった
- チェーンのクラックや変形
1.チェーンアジャスターの調整幅を使い切った

チェーン調整幅を使い切って、
これ以上調出来なくなったらチェーンの寿命です
チェーンは、使っていると伸びて来ます。
ゴムみたいに伸びる訳では無く、1コマ1コマの可動部がすり減ってガタが大きくなり、結果としてチェーン全体でみると『伸びる』。
伸びた状態で使い続けると、路面の段差や加減速でチェーンが暴れた時に触れ幅が大きくなります。
スイングアームやフレームに当たってガチャガチャ音鳴りして傷が付いてしまう。
傷つき防止するため、リアアクスルを緩めて、アジャスターでチェーンの張り調整をします。
バイクによって調整の仕方は違うけど、リアタイヤを後ろにずらしてチェーンを張るのは同じ。
左右、同じ量動かすのさえ気をつければ、自分で容易に出来ます。
メンテナンススタンド
チェーン張りはセンタースタンドか、メンテナンススタンド必須のメンテ。
バイクスタンドがあると、チェーンの洗浄注油も簡単になるのでメンテ頻度が上がります。
是非、手に入れておきたい。
チェーンが伸びたら、切って詰める?


チェーンを1コマ切って、
チェーンを短くすればイイじゃん!
チェーンを切って詰めれば良いと思い勝ちだけど、
世の中そんなに甘くない。
チェーン全体が伸びているので、切って詰めて辻褄合わせても
チェーンとスプロケットのガタは、無くならない

チェーンが伸びるというのは、金属が伸びてるわけじゃ無い。
- 使ってると、チェーンをつないでいるピンが摩耗して細くなってガタが出て来ます
- ガタの分だけ、スプロケットの歯と合わなくなる
- 動力が上手く伝わらないので、ロスが多くなる
1コマ減らしても、ガタは減らないから意味無し!
0.1mmのガタでも、100リンク有れば10mmチェーンが伸びるから、結構伸びる。
2.固着して曲がってる場所がある

チェーンが固着して曲がってしまい、
メンテしても直らないなら、チェーンの寿命です
固着する原因はいろいろで、清掃・注油メンテで直る場合もあります。
けど大抵、直らない。
- サビついてる
- 古いチェーンルプとゴミが固まっている
- 急なトルク変動で変形した
- 異物を噛んで、変形した
一度、固着してしまったコマは、清掃注油しても動きが固くてスムーズに回りません。
次項の『ローラーがスムースに回らなくなった』になってしまう。
3.ローラーがスムースに回らなくなった

ローラーがスムースに回らなくなったら
チェーンの寿命です
スプロケットと噛み合う部分のローラーが、スムースに回らなくなるとトルクが上手く伝わらない。
ロスが多くなるので、交換時期です。
原因は、サビ

リンク回りがサビて回らなくなってます。
清掃・注油メンテで直る場合もあるけれど
大抵、直らない。
4.チェーンが酷くサビてしまった

チェーン全体に回ったサビなら
チェーンの寿命です
チェーン側面のリンクプレートに点サビが浮いているくらいなら、メンテで直るけど
真っ赤にサビてしまったものは、元には戻らない。
雨に濡れたまま、一晩置くだけでもサビてきます。
けれど、一晩の点サビ程度なら、ひとっ走りすればキレイになる。
けれど、1週間、1ヵ月と放置期間が長くなると、表面に浮いたサビが内部に回って寿命となってしまう。
サビないよう、チェーンをオイルで覆うようにメンテしたい
5.チェーンのクラックや変形

- 1,2ケ所のOリングの破れは、見なかったことにしても良いけれど
5,6ヶ所に増えてきたら交換 - チェーン金属部にクラックを見つけたら、即交換
シールチェーンなら、ゴム製のシール(Oリング)が切れることも有ります。
ゴムの経年変化もあるけれど、メンテをサボってたり、シールチェーン対応品でないゴムを痛めるクリーナーを使うとシールは切れがち。
ちゃんと、対応品を使おう!
シールが切れると、中のグリスが流れ出てしまい潤滑出来なくなってしまう。
1,2ケ所なら、見なかったことにしてもいいけれど、5,6ヶ所に増えたら、交換時期。
金属部のクラックは、1発で退場

こんなクラックを見付けたら、問答無用で交換
ゴムシールじゃ無い金属部分にクラックを見つけたら、一発でレッドカードです。
走行中に切れたら、大惨事です。
シールチェーン対応クリーナーをコスパで選べばAZ。
チェーンオイルにこだわりたい
チェーン交換費用はどれくらい?

最初の1回の費用は、専用工具を買うためDIYでもショップに依頼と同じくらい。
2回目以降は、DIYが安くつくけど、数年に1回の作業なので悩ましい
チェーン交換を自分でやるか、ショップに依頼するか。
- DIYでチェーン交換
- ショップでチェーン交換
1.DIYでチェーン交換
数年に1回使うだけの工具を、買うのか?
チェーン交換とともにスプロケット交換もしてくならない?
専用工具があれば、自分でチェーン交換することも不可能じゃない。
古いチェーンを切って取り外し、新しいチェーンを繋ぐだけ、
そこまで難しい作業ではありません。
- グラインダーでピンのカシメを飛ばし
- チェーンカッターで切る
- 新しいチェーンを巻き付けて
- ジョイントをカシメて繋げる
DIY用のチェーン工具と安いグラインダーなら、1万円程度で揃えられる。
一度、専用工具を揃えれば、2度目以降のチェーン交換はチェーン代だけなのでお得に交換できる。
グラインダー無しでも出来るけど、棒ヤスリで体力勝負になるので体力有り余ってる人だけ。
しかしサンデーメカニックが、数年に1回使うだけの工具を買う価値があるかと問われると、悩ましい。
スプロケットも同時交換すると考えると、ショップに依頼したくなる。
2.バイクショップでの工賃

工賃 | 2りんかん(税込み) | NAPS(税込み) | ライコランド(税込み) |
チェーン交換 | 6千円ほど | ← | ← |
スプロケット1ヶ所交換 | 6千円ほど | ← | ← |
チェーン+スプロケ2個 | 1万5千円ほど | ← | ← |
作業時間 | 1時間程度 | ← | ← |
※調査時点での工賃です。各ショップで更新されている可能性があります。
基本的には、チェーン交換と同時に、前後スプロケ交換するのがおすすめ
劣化したスプロケに新品チェーンを合せると、摩耗したスプロケに新品チェーンが馴染んでしまう
チェーンの劣化が早まります
最低でも、チェーン交換2回に1回は、前後スプロケ交換したい
バイク用品店にチェーン交換を依頼すると、チェーン交換だけで6千円程度。
前後スプロケを同時に交換すると、1万5千円の工賃になります。
なので、DIYチェーン交換用の専用工具を買っても、1回使えば元を取れる計算にはなる。
DIYが成功すれば!
最初からショップに依頼した方が安心かもしれない
走行中に、チェーンが切れても何だしね!
チェーンのカシメが上手くいかないなど、途中で挫折することもある。
そうなると、ショップに持ち込もうにもバイクは走れ無い状態なので、後始末が面倒。
普通、チェーン交換は、数年に1回しか行わない作業です。
バイクチェーン、交換品の選び方4選!

交換チェーンの選び方には、4つの選択があります。
- チェーンサイズ
- シール・ノンシール
- メッキ仕様
- グレード
1.チェーンサイズ

チェーンサイズの見方
520だと、
最初の【5】がピン間のピッチ、【20】が、内幅を表してます
単位は、1/8インチ =25.4/8mmだから
【5】= 5×25.4/8 = 15.875mm (ピン間)
チェーンのサイズ(ピッチと内幅)は、バイクによって決まってます。
チェーンメーカの適合表で、サイズを確認しよう。
標準的には、このサイズ
- 50ccクラス:420
- 125ccクラス:420~520
- 250ccクラス以上:520~530
チェーンサイズコンバート

チェーンサイズを純正から変更する?
良く解らないなら、やらない方がいい
コンバートには、アップ・ダウンの2種類あるけど、良くやるのはダウンサイズ。
ダウンサイズコンバートは、内幅の狭いチェーン・スプロケットに交換すること。
目的は、軽量化とフリクションの削減。
例えば、530から520にコンバートなど。
メリット
- チェーン幅が狭くなるので100g程度の軽量化になる
- スプロケットの歯との接触面積も減るので、フリクションロスも小さくなる
デメリット
- 耐久性が落ちる
サイズダウンすると加速のレスポンスが良くなり、バイクの走りが軽くなると言います。
しかし、公道をツーリングで走るなら、その差も気にするほどでも無い気はします。
おすすめしないし、自己責任なのは間違いない。
2.シール・ノンシールチェーン

- 125cc以下は、ノンシール
- 250cc以上は、シールチェーンを選ぼう
シールチェーンは、ピンにの周りにシールを付けてグリスを密封したタイプのチェーン。
常にグリスでピンを潤滑するので耐久性が高い。
- シールチェーン:2万km程度の寿命
- ノンシールチェーン:5千km程度の寿命
この寿命はおおよそです。
メンテ状態で大きく変わります。距離だけでは語れないのは、もう知ってますよね!
シールチェーンのネガは、シールの分だけフリクションが多い。
125cc以下の非力なバイクは、このロス分がバカにならないのでノンシールを使うことが多い。
3.メッキ仕様
メッキチェーンがおすすめ
チェーンは、メッキ有無が選べて、値段も結構違います。
例えば、DIDの520VX3だとメッキの差だけで3種類。
- 未メッキ:7千円
- シルバーメッキ:9千円
- 金メッキ:1万円
おすすめは、シルバーメッキか金メッキ。
未メッキは、一晩の雨でもすぐにサビてくるので、メンテが面倒!
チョット目をはなしただけで、翌朝には真っ赤なサビが浮いてくる。
差額を払っても、メッキ仕様のチェーンがおすすめ。
4.チェーンのグレード

趣味なので、財力の許す限り好みのグレードを選ぶの一番
チェーンにはいろいろなグレードがあります。
耐久性を上げたタイプ、レース用にフリクションを減らしたタイプ。
チェーンにお金を掛けるのは、ソレっぽい。
ツーリング用途なら、ベーシックなグレードで何の不自由も無いけど、趣味のモノだからね!
DIDなら、VXシリーズのメッキ品がおすすめ。
バイクチェーンの交換時期を見極める方法5選!交換品の選び方4選! まとめ

バイクは、チェーンが無いと1ミリも進みません。
メンテをサボって寿命が尽きたチェーンを交換すると、バイクが見違えるように走る。
- ギアチェンジのキレも良くなる
- 加速のレスポンスも良くなる
何より、ピカピカのチェーンには、バイクへの愛を感じます。
また1つバイクが好きになる。
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