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シーズン2 第3章:第2のバイクライフが始まり、ティーダが心を開く

第2のバイクライフが始まった バイク女子

「エンスト続きの日々 やっぱり中古はダメなのか、それとも車種がわるいのか」



なぜだろう



250TRを受け取りに行った日は一度もエンストしなかったし、何の不調も感じなかった。

強いて言えば、膝の内側が熱くてニーグリップが出来なかった事くらい。

それも、後ろに積んだ荷物が邪魔してポジションが前過ぎただけだとわかった。



10年で1万Kmしか乗ってもらえなかったティーダが、心を開くまでを話そう。



第2のバイクライフが始まった

第2のバイクライフが始まった

納車の数日後、初めてのツーリング。

どこへ行こう。

行きたかったのは、近いのに公共交通機関だと交通費がかなりかかってしまう、温泉宿の日帰り入浴だ。

6月に入り、期待していなかったのに天気はほぼ晴れ。一時雨。きっと平気だ。

知っている人しか行かない、昔は宿だったが今は日帰り入浴しかやっていない宿へ向かう。




エンスト、エンスト、エンスト

エンスト、エンスト、エンスト

ところがである

バイク置き場からゆっくりスタートして、国道へ曲がる信号待ちからのスタートでエンスト。

はあ、やっちゃった



まだ慣れてないし仕方ない。ニュートラに入れてセルスタート。

バイク女子時代はキックスタートのバイクにしか乗ったことがないから、セルスタートは楽ちんだ。

ちょっと自身をなくし、国道と並行して走る路地をゆっくり行く。エンジンの調子がなんとなくおかしい。不安定?

またエンスト

なぜ?

私の運転がおかしいのか?



いや、直近の3年間で、たどたどしくレンタルセローに3回乗った。だけど、たしかエンストは1回あったかどうかだ。

バイクがおかしいのか?

でも、1日目は何ともなく、約30kmは快適に走ったはず。

引き返そうか、様子を見ながら先へ進もうか考える。

交差点、特に右折、道の真ん中でエンストしてコケたらどうしよう。不安が募る。




不安が広がる

不安が広がる

コンビニの駐車場から、購入店に電話した。

「発進時のエンストが多いんですが・・・」

「ああ、その車種はそういうクセがあるみたいです。発進する時アクセル開け気味にするといいですよ」

「はあ、そうですか、不調ではないのですね」

中古バイクに乗るのは初めてだから、ハズレをひいてしまったのかという考えもよぎった。

昔、バイク屋でカワサキを下さいと言ったとき、乗りにくいからヤマハにしたら?と言われた事も思い出した。

煽りと思われそうだなと心配しながら、信号待ちでアクセルを開けたまま発進のタイミングを待ち、クラッチを繋いだ。

これは、かつてオフ車に乗っていた頃やっていた気がするが、何のためだったか記憶に無い。

そうして何とか、温泉に到着し、疲れた心身をつかのま癒した。

来たかった場所にこうして来られるのも、バイクがあるからこそ。やっと希望が叶った。

しかし、その日はツーリングの楽しさよりも、どう無事に走り通すかがテーマとなった。

小雨の降る中、温泉を後にする。

アクセルとクラッチのタイミングに気を使い、頭の中に様々な最悪な状況を浮かべながら、走り通した。

帰り道もエンストが何度かあったが、なんとかバイク置き場に無事帰り着いた。




悩める日々

悩める日々

次のツーリングでも、同じような状況で走った。

何度目かに、山へ行った。ワインディングが続く山道ではなく、ひたすら上ってひたすら下ってくる。直線の坂道が長い、街のシンボル的な山。

下りで、何かエンジンがおかしいなと気づいた。不安定?ボコボコ言っている?いや、途中で回転止まってない?

エンジンの反応が、アクセル操作と連動していない?



あれこれ考えながら低速走行する私の横を、ロードバイクがスイーッと追い抜いていく。

自転車に負けた

不調を感じた日から、毎日のように、ネットで250TRの不調、特徴についてググる日々。

250TR エンスト

250TR  エンジン不調

たくさんの記事がヒットした。原因は不明で、そういうバイクなのだろうと、なんとなく答えが出る。

購入店に行ったついでに相談したら、バイク業界がインジェクションに替えたばかりの時期で、うまく機能しないためだろうと聞いて、納得した。




ティーダとの距離を縮める

ティーダとの距離を縮める

しかし、ここで諦めるわけにはいかない。

SNSなども参考に、ガソリン添加剤を買って、早めに2度目のオイル交換をした。



その後、何か変わった気がした。

エンストが、減った。自分が運転に慣れたのか?

いや、バイクが変わった、たぶん。

乗れば乗るほど、走れば走るほど、確実にエンジンの調子が良くなっている気がした。

私は機械に特別な興味もなく、バイクいじりをする趣味もない。だから、乗っていて感じる感覚だけが頼りだ。



ショップから半年点検のハガキが来た。中古で、しかも250ccに点検は必要なのか?

しかし、最初の不調と何より自分の安全を考えて、素直に点検してもらう事にした。

もちろん、ショップに行く前にガソリンを減らしてから添加剤を入れ、ある程度走り込んでから行く計画を立てた。

オイル交換前にそうすると良いと教えてくれたのは、同年代のSNSのフォロワーさんだ。ありがたい。

点検と、かなり早めの3度目のオイル交換後、エンストはほぼ消えた。私が慣れてきたためも、もちろんあるだろう。

けれど、親バカな言葉で言うと、250TR、私のティーダは確実に良い子に育ってきていると感じた。




ティーダが心を開く

ティーダが心を開く

こうして、半年かけて、私と愛車の慣らしは順調に進んだのだった。

そして、このことをきっかけに、私は中古バイクについて学んだ。

10年以上も前のバイク、しかもその間10,000km程度しか走っていないバイク。

新車のように、スムーズに走るわけがない。



実際に走って状態を把握して、どこがどうおかしいか気づいて、改善してやらないといけないのだろう。

安易に車種のクセ、不良品、はずれ、カワサキ病などと決めつけようとしていた事を反省した。



中古バイクに乗る意味、面白さ、大変さ、喜び、そんなことを学んだ。

カワサキ250TR、ティーダは、いいバイクだ。

少なくとも、私にとっては。



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