バイクと革製品は切っても切れない。
革ジャンに革パンツ、バッグ類。
けれど、革製品が無くなる日は案外近いのかもしれない。
なぜ、革製品が無くなるの?
そんな疑問を解消します。
環境保護のため、動物愛護のため
動物の革や毛皮を使うのは好ましくないとされる日は近い。
ファーフリー宣言による毛皮離れ
毛皮がセレブの象徴だった時代から
毛皮が動物虐待・環境破壊の象徴の時代へ
かつて、毛皮が最高のファッションだった時代がありました。
しかし、最近は毛皮を使用しないことを宣言するファッションブランドが増えて来ました。
『ファーフリー宣言』と言います。
残酷だし、動物愛護にも反し、加工する工程で環境負荷物質を使うからです。
グッチ、プラダ、アルマーニをはじめ、多くのブランドはファーフリー宣言済みです。
ロサンゼルスなど、毛皮製品の販売を禁止する都市も増えて来ており、
この流れは加速していくと思われます。
革ジャンの革はどこから来るのか?【食用の副産物の革はOK?】
しかし、ファーフリーと言っても、全ての革、毛皮を使わないとは言ってません。
食用の副産物の革は、OKとしてます。
肉を食べた後の皮は、再利用なので革にしてもOK!
牛や馬の革はOKで、
ミンクやキツネ、カンガルーはダメ
この線引きをどう思われますか?
人間のご都合主義の線引きにしか思えません。
革をとるためだけに動物を殺すのは残酷だけど、
肉を食べるために殺すのはOK。
肉を食べた後の廃棄される革を使うのは再利用だからOK!
肉を食べなくても人間は生きていけるけど、そこは置いて置いたとしても
革を採るために殺される動物と、肉採るために殺される動物の痛みが違うとも思えない。
クジラやイルカを食べる日本人は信じられない人種だけど
牛を食べるのは家畜だからOK!と同じ理屈ですね。
他の動物の命の上に乗っかって生きているのだから、感謝して頂きましょう。
『頂きま~す』
で終わらせるしかないの?
動物の革を使い続けてもいいのか?【牛や馬もいずれ排除される】
今の流れからすると、近い将来
牛や馬の皮を使ったファッションも無くなる方向だとは思います。
本物の動物の皮を使った革ジャンは悪趣味と言われる日が来ます。
既に、化繊の性能は革を上回ってます。
防風・防寒で軽くて水に濡れても平気な、最近の新素材化繊。
革の優位性は、『味わい』という曖昧な部分にしか残ってない。
本当は、そこが一番大事な部分なのだけれど、声に出して言える雰囲気では有りません。
キャブレターやキックスタートと同様に、
革ジャンが過去の遺物となる日は近いかも
エコレザーや化繊はエコなのか
革の代替品の候補は2つ。
- エコレザー
- 化繊
これらの素材は、エコなのでしょうか?
1.エコレザーはエコなのか
エコレザーは、なめし工程をエコにしたもの
動物の皮を使うのは変わらない
動物の皮はそのままでは、腐ってしまいます。
皮のコラーゲン繊維になめし剤を結合させて
腐敗しない安定した状態にすることを『なめし』といます。
この工程では、鉛、六価クロムなど多くの環境負荷物質を使います。
そして、革を水洗いするときに環境負荷物質が川に流出して環境破壊をおこします。
このため、先進国で『なめし』を行うのはほぼ不可能。
中国などで行われますが、環境問題化しており長くは続けれられません。
そのため、進められているのが、『エコレザー』です。
環境負荷物質が流出しないように管理された工場で作られた革をエコレザー認定し
環境保護観点に立った製品として革を存続されようとする取り組みです。
エコレザーは普及し難い
しかし、この環境保護がどこまで担保されているのかをトレースするのは難しい。
海外の下請け工場、孫請け工場の管理状態をトレースできるのか、疑問です。
また、動物の命を奪うことに変わりない。
2.化繊はエコなのか
化繊は動物由来では無いけど
寿命は革に及ばない
化繊は、再利用可能な素材です。
- 分解後、再び化繊として再利用
- 繊維をほぐしてフェルトとして再利用
- 燃料として再利用
この点では、エコです。
しかし、寿命の観点ではエコとは言い切れない。
化繊は短命、革は長寿
革に似せたフェイクレザーは、3年程度でベタベタになって使えなくなります。
一般の化繊も、長時間使うほどに古びて来ます。
一方、革は使えば使うほど質感が向上していき、10年は楽に持ちます。
育てるという表現が似つかわしい。
5年程度で買い替えサイクルとなる化繊と、
10年使っても質感が落ちない革
どちらがエコなのか?
革ジャンの革はどこから来るのか? 動物の革を使い続けてもいいのか?まとめ
動物の皮をファッションに使うのは、時代遅れになりつつあります。
動物虐待だし、環境破壊だからです。
近い将来、革ジャンは排除される流れにあります。
機能の面では、もう革の出番が無いのは確か。
- フェイクレザーは、もう本物の革と見分けが付かないレベルに来てる
- 新素材化繊の性能は、革の性能の遥か上
しかし、寿命や手触り、経年変化の質感では革に敵わない。
革ジャンの『味わい』は、
電子制御化されたバイクには不要なものなのでしょうか?
さらに、今後主流になるであろうモーターで走るバイクには合わないのだろうか?
もし、未来のバイクが自動運転の方向で、
ライダーはただ乗ってるだけで、操作が要らなくなるのであれば
それはもう、バイクとは呼べない別の乗り物です。
そんな乗り物には、革ジャンは合わない。
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