PR

Season3-2 私にバイク乗りの感性が戻りつつある

バイク乗りの感性 Season 3

雨が降るのは知っていた。

まだ降ってはいないが、今にも降り出しそうな雲行きだ。


しかし、私はバイクで出かけようとしている。

私は雨でも走ることに決めたのだ。



あおいしか

バイク復帰してほぼ1年半が経過
やっと気持ちよく走れるようになってきました

はじめの頃は、ガクガク感とかエンストが続いていたティーダこと中古の愛車250TRも、油断さえしなけれほぼ快調

2人とも無理なく走れる距離は、100キロからいきなり200キロを超えました

ノリノリの季節が始まったようです





私にバイク乗りの感性が戻りつつある

バイク乗りの感性が戻りつつある

知らずに途中で降られるのと、最初から知っているのとでは大違いだ。

雨が降るのを知っていたら、大抵のバイク乗りは走ることを諦める。

理由は様々

  • レインスーツを着るのが面倒で動きにくい
  • 手、足、襟元、股の間、場合によっては顔も濡れる
  • 身体が冷えて寒い
  • 路面が濡れていて危険
  • 見通しが悪くて思い通りに走れない
  • 車の運転が危ない
  • 視界が悪い     etc.



雨まみれも、おかし

雨まみれも、おかし

知らずに走っている途中で降られるのは、最初は、しまったやられた、と思うだろう。

それでも走らなければ目的地へも家へも帰れない。



だけど、諦めて走っているうちに、雨は雨なりに楽しくなってくるものだ。

そこがバイク乗りのおバカな一面とも言える。

言い換えれば、自然界に素直な、素敵な性質とも言える。

25年ぶりにリターンし、はや1年半。

おっかなびっくりの時期を通り過ぎ、私にバイク乗りの感性が戻ってきつつある。



雨でも走ることに決めた

雨でも走ることに決めた

明日は雨で仕事が休みだろうと思った日、指示を待たず出勤日の振りかえを申し出た。

次の休みは返上で出勤になるから、バイクには乗れない。

だから、私は雨でも走ることに決めたのだ。

幸いなことに、雨が降るのは午前10時頃からとの予報。

私が好んで走り出すのは、日の出前後だから、走り出しは降られない。

欲を出さなければ、濡れずに戻ってくることも可能だろう。

それに、帰りはずぶ濡れかもしれないとわかっていても、もうそれでいいと覚悟した。


降られずに、目的地へ

降られずに、目的地へ

思った通り、目的地には降られずに到着した。



たびたび訪れる小さな温泉街の、希少なカフェ。朝、6時30分からやっている。

7時半、まだお客さんがいない店内で、本を少し読み、あんバタートーストとホットコーヒー。

時間帯がわからなくなる、曇天の薄暗い朝の温泉街。

ゆったりとした時が流れていた。


先へ行こうか、帰ろうか。

雨はまだ降っていない。しかし、もうすぐ降り出すのは確実だ。

本当のことを言うと、次の休みにはここからさらに先の道の駅へ、焼き栗を買いに行こうと決めていた。

だから、第一の目的は焼き栗なのだ。


食いしん坊の私は、美味しい食べ物のためなら、エンヤコラなのだ。

行くべきか帰るべきか。

自宅から自転車でバイク駐車場へ向かう時、雨は降っていなかった。

だけど、防寒を兼ねてすでにレインスーツを着ていた。

身支度を整えながら、気持ちはもう決まっていたのだ。



思いのままに進む

思いのままに進む

先へ進もう。

行きたかった場所へ。

行かないと、たぶん後悔が残るだろう。

お目当ての栗があっても無くても、行ったか行かなかったかで気持ちに大きな違いが残るだろうから。




車はほとんどいない。

雨の高原は、晴れの日にはない雰囲気があった。

薄暗い道は何となく不安で気分も晴れないが、そんな日にしか見られない美しさがあった。

自然の中に続く道にたったひとり。お供は1台のオートバイ。

寂しさよりも自由が勝る。


そんな時間、場面を、たぶん多くのバイク乗りは好んでいるに違いない。

路肩にバイクを止め、何枚か写真を撮る。


雨の日の写真はほとんど無いから、とても希少だ。

タンクに着いた雨粒、木立を引き立てる霧雨の靄。

ほんのつかの間、すべてを忘れて景色に見入る。

さあ、また先に進もうか。 この先は雨なのか,それとも雨雲を抜けるのか。


天気予報では、降り出すまでまだ2時間もある。

降っても晴れても、私の気持ちは変わらない。

この先に進みたい。

これがバイク乗りの感性。



高原道からダム湖へ向かう頃には、雨がやんでいた。

晴れる気配はないが、しばらくは大丈夫だろう。

道の駅に着いた。


広大な公園と駐車場の片隅にありながら、地元の産物などを売る店は小さい。

残念なことに、焼き栗は無かった。

レジのお兄さんに尋ねると、今年は熊が食べたりして栗が少ないため、土日しか商品が出ないとのこと。

熊か。

何かとワルモノになっているけど、彼らも生きるため。いたしかたない。

私には、ほかに食べられる物がたくさんあるのだから。

栗の代わりに地元産の里芋とインゲンを買った。




私にバイク乗りの感性が戻りつつある

私にバイク乗りの感性が戻りつつある

後日、牛肉の切り落としと葱で、醤油味の山形風芋煮を作ってみた。

それはもう美味しかった。

とろりホクホクの極上の里芋だった。

ちなみにちょうど良い大きさの芋が、10個くらい入って300円ほど。

これだから、道の駅や産直市場はやめられない。行き先にあったらついつい立ち寄ってしまうわけだ。




オートバイ乗りの多くは、食いしん坊でもある。

「ライダーの義務」と言いながら、真冬でもソフトクリームを外で食べたりする。

皆んな、そうだよね?

ライダーという人種は、全く無邪気なおバカさんばかり。





20年以上のブランクを経てバイクのある日常に戻ってきた。

当初は緊張することばかりだったけれど、やっとバイク乗りの感性が戻りつつあるのを感じる。



ただいま。




併せて読みたい

タイトルとURLをコピーしました