普段、職場以外で会話がほとんど無い生活をしている私にとって、X(旧Twitter)はほぼ唯一の他人とのコミュニケーションの手段だ。
リアルな友人ももちろん何人かいるが、日常の会話をするほど会う機会はない。そんな私にとって、X(旧Twitter)はうってつけのコミュニケーションツールになった。
(Twitterの方が、馴染みなのでTwitterと呼ばせてもらう)

著者プロフィール
名前:みどりのシカ
女性だけどバイクに魅せられた。20歳で初めて自転車に乗れるようになり、その2年後に中型二輪免許取得。きっかけは片岡義男「幸せは白いTシャツ」と三好礼子氏との出会い。
20代の頃、ほぼ毎日オートバイに乗っていました。遠くは四国、沖縄まで旅をしました。わけあってオートバイを手放してから、かなりの年月が経過。
けれど幸運なことに、いきなりバイク復帰しました。25年ぶりの相棒は、KAWASAKI 250TR。愛称をティーダと名付けました。ただいま、自分慣らし中です。
X(旧Twitter)と片岡義男と私

旅や温泉、グルメ、バイク、面白い呟きの人など、無差別でフォローしてフォロワーも増やしていった。
バイク関係は、実際に乗っていなかったこともあり、さほど重きを置いていなかった。
片岡義男ファンとの交流
ある日、ふと思いついて「片岡義男」でツイートを検索してみたら、魅力的な人たちがたくさんヒットした。
プロフィールや、日々の呟きを読みながら、次つぎに魅力的なバイク乗りや片岡義男ファンをフォローした。
彼らの中には、私が慰みに書いているブログを熱心に読み、丁寧な感想やお褒めの言葉をくださる方々がいた。
彼らもまた、丁寧な言葉と素敵な写真を日々投稿していた。バイク女子時代にはなかった、様々なライダーとの出会いがそこにはあった。
私のTwitterのタイムラインは、いつしかそんなバイク乗りでいっぱいになった。
Twitterが楽しみで仕方がない日々が続いた。
募る思い

その後、タイムラインに流れてきたtweetでSSTRを知る。そして夢中になった。更に、様々なタイプのライダーと繋がっていった。
実際にバイクには乗っていなかったので、もっぱら過去の思い出と古い写真で、現役ライダーたちの仲間になろうとした。
過去のツーリング写真もネタがつき、ちょっとした誤解でカッコいいW乗りに激怒されてブロックされたりもした。
それでもTwitterは楽しく、他者との希少なコミュニケーションの場となっていった。
楽しげに呟くライダーたち、素晴らしい風景とバイクの写真、いつか自分もそちら側になりたいという思いが募った。
時には、まったく当てもないのに、はったりでバイクを買う気を匂わせたりもした。
ブロックして去っていったフォロワーの捨て台詞には、こんな内容が丁寧に綴られていた。
「頑張って目標を実現させていく姿を期待している者をがっかりさせる」と。
時は今天が下しる五月かな?

人にはタイミングというものがあり、いつか実現させる思いがあったとしても、思うようにいかない場合がある。その期間が長いか短いか、それも人それぞれだ。
実現するまでは、誰もが嘘つきなのだ。
それを、彼は分かっていなかった、と今なら言える。
私は今年、バイクを購入し、実際に乗っているのだから。
Twitterで過去の想い出と妄想に浸る日々に、再びバイクに乗ることになる、大きなチャンスが2つ訪れた。
1つは、ヤマハからのメール

1つは、ヤマハからのメールだ。
楽しかった大人のバイクスクールの想い出も、過去のものになりつつあった頃のこと。
参加した感想などをお聞かせ下さいという、オンラインアンケート協力の募集だった。
参加特典がとても魅力的だった。
私が惹かれたのは商品券だったが、レンタルバイクの無料チケットも付いていた。
レンタルバイクに1人で乗る勇気も度胸も、私には無かった。
大人のバイクスクールで「乗れてる」とは言われたものの、車の運転もしておらず、公道を20年以上も走っていない。
レンタルバイクに乗る、それは無いなと思って迷った。しかし、商品券は頂いても困らない。
そして何より、あの時の素敵な体験やインストラクターの事をアンケートで語りたかった。
時代はコロナ禍真っ最中。意外に新しもの好きの私は、たまたまWebカメラを購入したばかりだった。
オンラインアンケート参加
オンラインアンケート参加に当選した。
当日、カメラに顔を近づけすぎたり、思ってもいない頓珍漢な解答をしたりして失敗したが、参加特典はしっかり頂いた。
もう1つはレンタルバイク無料チケット

レンタルバイクの期限は1年。忘れよう。乗る気は全く無かった。
そうしているうちに春が来た。Twitterは桜のツーリング写真で満たされた。
桜が大好きな私はもうたまらない。桜を見にバイクで行けたら、どんなに素敵だろうという思いに囚われた。
時は今なのか?

半ば諦めかけていたバイクであったが、全てが動き出した今がタイミングなのかもしれない。
2019年5月。桜には間に合わなかったが、意を決した私はレンタルバイクに挑むのだった。
それがどんなに無謀なことなのかを知りながら。
『時は今 天が下知る 五月かな』これは本能寺を決断した場面での明智光秀の句である。
私の時も五月に満ちた!