PCXは、全部入りと言っていいほどの豪華装備です。
- スマートキー
- 前後輪ディスク
- 前輪ABS
- フルLED
- トラクションコントロール

125ccにトラクションコントロール?
要る?
意味あるの?
そんな疑問を解消します。
トラクションコントロールが活躍するのは、3つの局面
- 濡れた路面での発進・加速
雨で濡れたアスファルト・マンホールのふたなど、
グリップが低い路面でスリップの発生を抑える - コーナー立ち上がり
ハイパワーバイクがコーナー出口で後輪が滑るのを抑える
- オフロード
オフでのトラクションを安静させる
PCXは(1)の濡れた路面でのスリップ対策として装備してる
全く無意味とは言い切れない
こんな内容を知ってすっきりしよう。
トラクションコントロールと聞くと、200馬力もあろうかというハイパワーバイクを連想しがちです。
有り余るパワーを路面に伝えるための装備だと思うかもしれない。
PCXのトラクションコントロールは、ABSよりも登場機会は少ない。
一生、お世話にならずに過ごす人が大多数です。
でも、日常でのアクシデントでも地味に役に立つこともある。
まあ、普通のバイク乗りはレースで0.1秒を争ってるわけじゃない。
トラクションコントロールが介入するような局面にしないよう、注意するのが一番だけどね。
PCXのトラクションコントロール

PCXのトラクションコントロールは、ベーシックな構成です。
- 前後輪の回転速度を『車輪速センサー』でそれぞれモニター
- 前後輪の回転速度に差がある?
- 差があるときはスリップしてるので、ECUが燃料噴射量を減らす
- 後輪を回すトルクが減るので、スリップが収まる
単純に前後輪の速度差をモニタして、燃料噴射の量を減らす制御をしてるだけ。
PCXのトラクションコントロールが役立つ場面【濡れた路面】

濡れた路面での発進・加速
雨で濡れたアスファルト・マンホールのふたなど、
グリップが低い路面でスリップの発生を抑える
一般的にトラクションコントロール活躍するのは、3つの局面
- 濡れた路面での発進・加速
- コーナー立ち上がり
- 不整地
この内、(1)の濡れた路面でPCXのトラクションコントロールが活躍します。
例えば、雨の降り始め。
路面の濡れ始めは、路面のホコリが濡れて浮き上がり滑りやすくなります。雨が降り続いていれば、路面の汚れが洗い流されてグリップが戻ってくるけど、降り始めが一番滑りやすい。
雨の降り始めにバイクは、濡れる前に屋根のある場所に行こうと急ぎますよね。
そんな時に限ってタイミング悪く赤信号で捕まって停車する。
雨脚がどんどん強くなる。
トラクションコントロールの出番

青に変わった!
いつもよりスロットルを多めに回してロケットスタート。
後輪が滑る嫌な感覚がして、ドキッとする瞬間です。
そんなときが、PCXのトラクションコントロールの出番です。
前後輪の速度差から後輪のスリップを検知すると、瞬時にガソリンの噴射量を減らしてトルクセーブ。
後輪のスリップを抑制して、転倒を防ぎます。
たまたま停車した位置が白線の上だったり、マンホールのふたの上のような滑りやすい場所なら、効果的てきめん。
PCXの小さなトルクでもそんな滑りやすい場所なら、簡単に後輪が滑るからね。
コーナー立ち上がりでも、有効なの?
PCXのトラクションコントロールは
コーナー立ち上がりには効かない
トラクションコントロールと聞くと、コーナー立ち上がりでのスリップダウンに有効だと思う人が多い。
大排気量でパワーがありすぎるバイクが、コーナーの出口で早く立ち上がろうとする。
バンク中にアクセルを開けすぎ、後輪のグリップを失ってスリップダウンするのをレースで見たことがあるはず。
レースだと、バイクが出口を向いて直立するのを待ちきれないからね。
この場面では、PCXはムリ
コーナー立ち上がりでタイヤのグリップがトルクに負けて横滑りを起こすのは、PCXのトラクションコントロールでは救えません。
PCXのトラクションコントロールは、あくまで前後輪の速度差で発動。
コーナー立ち上がりのスリップダウンは、横滑りが検知できないと救えません。
横滑りも検知可能なスライドコントロール機能を持ったトラクションコントロールでないとムリ。
そこにバンク角も考慮して制御するのが、最新のシステムです。
そんな高価なシステムは大排気量のバイクにしか付いてません。
そんなハイテクなら、後輪スリップ中に突然グリップ回復してライダーが吹っ飛ぶ『ハイサイド』も防いでくれるかもしれない。
まあ、PCXがコーナー立ち上がりで、タイヤグリップ以上のトルクが出るとも思えない。
だから、無用だから良いけどね。
それにオーバースピードでコーナーに突っ込んでタイヤが滑るのは、別の話。
トラクションコントロールじゃ救えない。
オフロードでは使えないの?

雪道、オフロード用のモードを持ったトラクションコントロールもある
PCXには、無い
前後輪の速度差でタイヤのスリップを検知し、エンジン出力を抑えてスリップを止めるのがトラクションコントロール。
一般的に、トラクションコントロールは雪道やオフロードでは使えません。
そんな滑りやすいところでは、すぐに滑ってエンジン出力が抑えられてしまう。
立ち往生です。
ある程度滑りつつ走るのが、オフロードだからね。
賢いトラクションコントロールには、『雪道モード』がついてて、そのモードにすればトラクションコントロールが介入するレベルを下げてくれる。
ある程度の前後輪の回転差を許容しつつ、うまく雪道・オフが走れるようになる。
もちろん、PCXにはそんな『雪道モード』なんて付いてません。
PCXで雪道、オフロードを走るのはやめた方がいい。
PCXにトラクションコントロールは意味が無い?まとめ

PCXのトラクションコントロールは、ただの飾りで意味がないのか?

濡れた白線、マンホール上からの発進するときに、滑るのを防いでくれる。
だから、全く意味が無い訳けじゃない。
でも、ベーシックなトラクションコントロールなので、過信はしないで。
滑りやすい路面では、じわーっとアクセルを開けるのが基本。
トラクションコントロールが介入するような局面を作らないように乗りたいですね。
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