ワークマンのイージスシリーズは
- レインスーツ:耐水圧 20,000mm
- 防水防寒ジャケット:耐水圧 10,000~15,000mm
20,000mmってどういう意味?
どれくらいスゴイの?
雨の日に乗るなら、耐水圧いくつあれば良いの?
そんな疑問を解消します。
- イージスレインウエア 20,000mm
下道は、ソコソコ使える
高速道路は、短時間しかもたない - 最高級のゴアテックス 45,000mm
下道は、余裕
高速道路は、ソコソコ使える - バイク用品アパレル 2~30,000mm
バランス良くて、おすすめ
こんな内容を知って、スッキリしよう。
雨のバイクは、過酷な環境です。
レインウエアにとって、これ以上の至難な環境は無い。
バイクウエアに必要な耐水圧
結論から言ってしまうと、イージスレインウエアは突然の雨の緊急用お守りには使える
しかし、雨の中を走り続けたり、高速道路ではスペックが足りない
雨でも乗るなら、バイク専用品のレインウエアがおすすめ
なぜなのかを知ってスッキリしよう。
レインウエア別、耐水圧性能
レインウエアの耐水性能(カタログスペック)は、以下の通り。
レインウエア | 耐水圧(mm) |
傘 | 3,000 |
ワークマン | 20,000 |
バイク用品アパレル | 20,000~30,000 |
ゴアテックス | 45,000 |
一般的な傘の耐水圧が3,000mm。
それに比べると、ワークマンの20,000mmでも桁違いに高い値です。
ゴアテックスのレインウエアに至っては、傘の15倍!
オーバースペックじゃない?
そんな気が、しますよね
状況別、レインウエアに必要な耐水圧
徒歩で 必要耐水圧 |
60km/hで 必要な耐水圧 |
80km/hで 必要耐水圧 |
100km/hで 必要耐水圧 |
|
霧雨 | 300 | 2,700 | 4,800 | 7,500 |
普通の雨 | 2,000 | 18,000 | 32,000 | 50,000 |
土砂降り | 10,000 | 90,000 | 160,000 | 250,000 |
嵐 | 20,000 | 180,000 | 320,000 | 500,000 (mm) |
雨の降り方によって、レインウエアに求められる耐水圧の表です。
赤字の部分は、ワークマンでは持たない。
バイクは走行風にさらされるので、台風の中に立っているようなもの。
高速で走れば走るほど、押し付けられて雨が染みてきてしまう。
例えば、普通の雨で必要な耐水圧は以下です。
- 傘 ーー 2,000mm
- 下道のバイク ーー 18,000mm
- 高速のバイク ーー 50,000mm
バイクウエアに必要な耐水圧は、どれほどか?
- イージスレインウエア 20,000mm
下道は、ソコソコ防げる
高速道路は、短時間しかもたない - 最高級のゴアテックス 45,000mm
下道は、余裕
高速道路は、ソコソコ防げる - 耐水圧 30,000mmのバイク用品アパレル
バランス良くて、おすすめ
結論だけでなく、数字の根拠を知りたいのなら、最終章を参照。
理屈は良いから、結論だけ知りたいのなら、
- 緊急時にしか使わないのなら、ワークマンのレインウエア
- ロングツーリングで使うのなら、バイク用品アパレルの30,000mmクラス
- 大金持ちなら、ゴアテックス
あなたは、どれを選びますか?
おすすめのバイク用レインウエア 7選
ブランド・価格・耐水性能
あなたは、どれに比重を置き、どれを選びますか?
おすすめは、この7選。
- ワークマン イージス 20,000mm
- ヤマハ バイク用レインスーツ 20,000mm
- コミネ ブレスターレインウェア 27,000mm
- NANKAI アジャスタブル レインスーツ 30,000mm
- RSタイチ ドライマスター レインスーツ 20,000mm
- ゴールドウイン ゴアテックス レインスーツ 45,000mm
- ROUGH&ROAD デュアルテックスコンパクトレインスーツ 非公開
1.ワークマン イージス 20,000mm
- 耐水圧:20,000mm
- 透湿度:約5,000g/m2.24h
20,000mmあるので、下道であれば使えます。
最近のハイテク透湿防水素材としては、透湿度が低いのが難点。
レインウエアの中が蒸れて、サウナになりがち。
イージス 防寒ウエア
普通のイージスの 耐水圧は 10,000mm。
雨宿りに避難するまでの耐水圧と考えた方が良い。
2.ヤマハ バイク用レインスーツ 20,000mm
ワークマンの強敵になるのが、ヤマハ
同一価格帯で、透湿度が2倍以上!
- 耐水圧:20,000mm
- 透湿度:12,000g/m2.24h
- 雨の日は基本、乗らない
- 保険としてレインウエアは常備したい
- ワークマンはちょっと
そんな人にはお勧めです。
耐水圧はワークマンと同じだけど、透湿度が2倍以上あります。
サウナになり難くて、快適に走れます。
3.RSタイチ ドライマスター レインスーツ 20,000mm
- 耐水圧:20,000mm
- 透湿度:10,000g/m2.24h
RSタイチ好きにはコレ。
耐水圧はワークマンと同じだけど、透湿性が2倍。
『TAICH』のロゴとウエアの発色が、RSタイチらしくていい!
4.コミネ ブレスターレインウェア 27,000mm
- 耐水圧:27,000mm
- 透湿度:10,000g/m2.24h
コスパのコミネ。
このレインウエアも耐水性・透湿度とコスパのバランスが絶妙ですね。
カラーバリエーションも多いので、お気に入りが見つかる。
5.NANKAI アジャスタブル レインスーツ 30,000mm
- 耐水圧:30,000mm
- 透湿度:16,000g/m2.24h
コダワリのあるアイテムが多い南海。
オシャレ感は少ないけれど、使えば良さが際立ちます。
6.ゴールドウイン ゴアテックス レインスーツ 45,000mm
- 耐水圧:45,000mm
- 透湿度:13,500g/m2.24h
ゴアテックスを使った最高級レインウエア。
ゴールドウィンを選ぶ人には、ゴアテックスが似合う。
7.ROUGH&ROAD デュアルテックスコンパクトレインスーツ 非公開
ラフ&ロード のカジュアル感が好みならコレ。
耐水透湿スペックが非公開なのは残念だけど、評判は悪くない。
雨の日に濡れずに走る方法4選
雨の日にバイクに乗るのは気が進まないけれど、走らなくてはならない場合もあります。
そんな時に、防水性能を上げる方法は、4つ
- レインウエアの重ね着
- スピードを落とす
- レインウエアを洗う
- 体重を落とす
高いレインウエアを買うより、よほど効きます。
1.レインウエアの重ね着
1枚目で走行風を止めれば、
2枚目の内側レインウエアは、楽勝!
バイクカバーを2枚重ねるのと同じ考え方。
1枚の防水性能で足りなければ、2枚着れば良い。
内側のレインウエアは、走行風による水圧が掛からないので、染みにくい。
たとえば、イージス防水防寒ジャケットの上にイージス レインスーツ。
20,000mmに10,000mmの重ね着なら、ます濡れることは無い。
新しいレインウエアを買ったら、古いレインウエアを下に着るのもいい。
ゴアの高いレインウエアより効きます。
2.スピードを落とす
上で書いたように、耐水圧は速度の二乗で効いて来ます。
雨の日は滑り易いこともあるので、スピードを落として安全運転しよう。
雨の日に飛ばしても楽しくないからね。
音楽でも聴きながら、雨の雰囲気を楽しもう。
3.レインウエアを洗う
使い込んで撥水性能が落ちると、耐水性能も落ちます。
使って汚れたら、洗ってあげよう。
汚れが落ちると、撥水性能が戻る。
洗い方は、ココ
4.体重を落とす
レインウエアのお尻の部分は、体重が掛かる
シートの雨をレインウエアに押し付ける力が小さければ染みてこない
手足への体重分散も良いけど、痩せるのが、一番
レインウエアで雨が染みてくるのは、お尻です。
太ももからお尻に掛けて濡れてくるとレインウエアの寿命かもしれない。
お尻でシートの雨に水圧を掛けているようなものです。
当然、圧力は体重に比例しているので痩せれば、お尻が染みにくくなります。
体重を落とせば、燃費も良くなるし、腰痛にもなり難い。
解ってはいるけれど、そう簡単に痩せられないなら、ココ
耐水圧とはどんな意味なのか
結論を知って満足頂けたら、この先を読むのは不要です
『なぜ、この結論に至ったか 』 の説明を、この先でしています。
- 耐水圧って何?
- 耐水圧は高ければ高いほどいいの?
- 日常ユースでの必要耐水圧
- バイクユースでの必要耐水圧
1.耐水圧って何?
ウエアの耐水圧はそもそも、どんな意味を持つのでしょうか?
耐水圧はJIS規格(JIS L 1092)で定義されてます。
耐水圧は、ウエアの生地がどれくらいの水圧まで水を通さなかを示します。
試験の方法がJISで定義されてます。
耐水圧10,000mmなら、1cm四方で10,000mm(10m)の水柱を立てても水は3滴しみ出さない。
2.耐水圧は高ければ高いほどいいの?
耐水と透湿とのバランスが大事
耐水だけだとムレてしまうので、防水透湿のハイテク素材がおすすめ
単純に生地の耐水圧を上げるのは、容易です。
生地にコーティングや耐水フィルムを張るのが手っ取り早い。
防水性能だけだと、ムレる
例えば、ナイロンコーティング生地は強度・柔軟性・耐久性に優れたれた素材です。
柔らかくて、擦れに強くて、太陽光で劣化しにくくて、何年も防水が劣化しない。
そのため、レインウエアとしてのシェアはNo.1で良く使われています。
コスパも抜群!
しかし、ムレて仕方ない。
レインウエアなのでベンチレーションをたくさん付ける訳にもいかない。
安価なレインウエアは、短時間の使用ならいいけれど、長時間使うものじゃない。
ハイテクな透湿耐水素材
透湿性能は、 安静時は2,000、激しい運動では8,000必要
そこで考え出されたのが、透湿防耐水材。
『雨は通さないが蒸気は通す』というアレです。
透湿とは生地1㎡あたり、24時間で何gの水分を透過したかで決まる数字です。
ムレを放出できるので、長時間使っても快適なのです。
しかし、ゴアテックスを筆頭とする透湿防水素材は、防水性能の絶対値は高くない。
耐水だけなら、ビニールコーティングが最強
如何にゴアテックスの耐水性が優れていると言っても、ビニールコーティングと比べるとやはり劣ります。
水圧を掛けると、水が染みてしまう。
防水性能と透湿性能は、相反する性能なのでバランスが難しい
シーン毎に必要な防水性能は変わります。
高価なレインスーツが万能なのは当たり前。
だけど、ちょっと出かけるだけに10万もするゴアテックスのレインスーツ?
オーバースペックで勿体ない。
3.日常ユースでの必要耐水圧
一般的に、日常生活で必要な防水性能はこれくらいと、言われてます。
- 霧雨・・300mm
- 普通の雨・・2,000mm
- 土砂降り・・10,000mm
- 嵐・・20,000mm
- 濡れたところに座る・・2,000mm
雨が降ってくる圧力によって必要な耐水圧も変わります。
また、濡れたところに座る場合も、お尻に水圧が掛かるので耐水圧が必要になります。
体重によって変わるけど、2,000mm程度の対水圧がないとお尻に染みてきてしまう。
傘の耐水性能
普通の傘の耐水性のは250mm程度。
イージスの20,000mmに比べるとメチャ低いけれど、
傘の防水性を不満に感じたことは有りますか?
傘の耐水性能が低くても大丈夫なのは、傘で何時間も歩くことが無いからです。
傘に20,000mmの防水性能は要らない
短時間の移動であれば、防水性能が低くても染みてくる前に到着してしまう。
レインウエアでも同じです。
4.バイクユースでの必要耐水圧
バイクは、走行風で雨が押し付けられる
- 防水性能は、水圧に耐えられる性能です
- バイクは、雨に濡れながら走ります
バイクでスピードを出せば出すほど、レインウエアに当たる雨の水圧は高まる。
このため、高い防水性能が必要になります。
速度による水圧の変化
雨は時速20km/hと言われてます。
例えばバイクで60km/hで走ると、雨の水圧はどれくらになるのか?
- 20⇒60と速度が3倍
- エネルギーは速度の二乗
そう、3の二乗で9倍の水圧になります。
60km/hで走ると日常ユースの9倍の防水性のが必要
同じ考え方で速度毎に計算すると、こうなります。
徒歩での必要耐水圧 | 60km/hでの必要耐水圧 | 80km/hでの必要耐水圧 | 100km/hでの必要耐水圧 | |
霧雨 | 300 | 2,700 | 4,800 | 7,500 |
普通の雨 | 2,000 | 18,000 | 32,000 | 50,000 |
土砂降り | 10,000 | 90,000 | 160,000 | 250,000 |
嵐 | 20,000 | 180,000 | 320,000 | 500,000 (mm) |
雨の中をバイクで走るのは、過酷ですね。
10万円近い最高性能のゴアテックスの防水性能が、45,000mmです。
ゴアテックスでも土砂降りの雨の中をバイクで走ると雨が染みてきてしまう。
それに、耐水性能はカタログスペック。
使えば撥水性能が落ちて、耐水性能も落ちて来るからね!
ワークマンのイージスレインウエアってどうなの まとめ
イージスに過大な期待は禁物だけれど、値段以上の働きをするのは間違いない。
ワークマンの防水防寒ジャケットの耐水圧は、10,000mm。
生地の上に10mの水柱を立てても濡れないという意味です。
短時間の雨なら十分使えるけれど、雨のツーリングは止めた方がいい。
防水は、あくまでオマケと捉えよう。
ワークマンのレインスーツの耐水圧20,000mmも同じく、チョッとした通り雨用と考えよう。
雨の中を一日走るかもしれないなら、バイクウエアメーカのレインウエアを買った方がいい。
ただ
高速を走り続けるのは、ゴアの最高級レインスーツでもムリ
高いレインウエアを買うより、イージス2枚重ねの方が効きます
雨の日は水圧をまともに受けるので、レインウエアには厳しい。
スピードを落として、慎重に行こう。
スピードを抑えて走った方が、濡れないし安全だからね!
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