リアサスのプリロード調整してますか?
バイクの多くは、プリロード調整が出来るようになってます。
調整できるのは知ってるけど
どう調整すれば良いのか解らない
こんな疑問を解消します。
プリロード調整の方法
- サグは、乗車姿勢を取って30mmほど沈み込むのが適正
- 総ストロークの1/3~1/4 だけど、これを測るのはムリ
プリロード調整の誤解
- プリロードで、バネは固くなる
⇒ ウソ - プリロードで、ストロークが減る
⇒ ウソ - ばね交換で、傾きが変わる
⇒ ホント
こんな内容を知って、スッキリしよう。
せっかく調整できるのだから、リロード調整しないのは勿体ない。
正しく調整すれば、乗り易くなります。
簡単な作業なので、やってみよう。
なぜ、バイクのリアサスをプリロード調整しないの?
プリロード調整は、難しくない。
特殊な工具も、難しいテクニックも必要ありません。
誰でも簡単に出来ます。
自分の体重や乗り方に合わせて調整すれば、バイクがシャキッとします。
大事なのは、『どう調整すればいいのか』を知ってるかどうかだけ
リアサスのプリロード調整に必要な工具
サイズ可変タイプがおすすめ
車載工具に入ってるはず。
だけど、無くしてしまったり、中古バイクで車載工具が無かったりすることもある。
高いものじゃないので、手に入れておこう。
一生使えるので、いろんなバイクに使えるサイズ可変タイプがおすすめです。
バイクを乗り換えても、使い回せる。
リアサスのプリロード調整方法
回すだけだけ
難しいことは、何もありません。
希望の位置まで、上の工具で締めこんだり・緩めたりするだけ。
- 無段階に回せるタイプ
- 5段階くらいの段付きになってるタイプ
いろんなタイプのサスペンションがあるけど、やることは同じ。
回すだけ。
難しいのは、『どこまで回せばいいのか?』
足つきを良くしたいのなら、ココ
リアサス プリロード調整の基準
どこまで回せば良いのか?
これは、『サグ出しは、どうすれば良いのか』、と同じ意味です。
サグ出し:乗車姿勢を取った時、サスが縮む量を調整すること
もちろん、適正値は人によって変わります。
- 乗り味の好み
- 走り方
だけど、基準はあります。
サグ出しは、ザク出しではない
sag:たるみ・へこみ
Weblio辞書を引用
『サグ出し』のサグは英語。
『ザク』と間違えやすいから気を付けよう。
適正なプリロード位置 サグ出し
リアアクスルシャフトからシートまでの距離を測ります
サグは、30mm前後が適正値
30mmになるようにプリロードを調節すれば、サグ出し完了!
- 無負荷のときの、リアアクスルシャフトとシートまでの距離を測る
- 乗車姿勢を取ったときの、リアアクスルシャフトとシートまでの距離を測る
差(サグ)が、30mm程度あるのが適正値です。
30mmになるように、リアサスのプリロードを回せばいい。
体重の重い人はプリロードを多くして、逆に軽い人はプリロードが減らして30mmにします。
以上で終わり。
あっけないくらい簡単です。
1人で調整するのは、至難
1人で計ろうとすると、ムリな体勢になりがち
立ちゴケしたら、元も子もない
乗車姿勢を取りながら、『リアアクスルシャフトからシートまでの距離』を測るのは至難です。
友人・家族に手伝ってもらおう!
終わったら、コーヒーくらい奢ってあげて。
本来の調整方法は、ムリ
30mmは、代替の調整方法
だけど、本来の調整を個人で行うのはムリなので、30mmでOK!
本来の調整には、リアアクスルシャフトとシートまでの距離のMax、Minが必要です。
Max(荷重がかかってないとき) - Min(フルボトムしたとき) = ストローク長
(乗車姿勢を取ったとき)= ストローク長の1/3~4/1に成るようプリロードを掛ける
これが正解だけど、Min(フルボトム(底づき)したとき)を計るのは至難です。
『負荷が掛かってないとき』は、センタースタンドがあればセンタースタンドを立てれば測れる。
無ければ、バイクの後端を思い切り持ち上げれば測れる。
だけど、手でいくらシートを押しても、フルボトムはムリ!
サスペンションからバネを外さないと測れません。
なので、『30mm前後』で代用します。
ストローク長は、オンロードバイクならどんなバイクでも大体同じだからね!
数mmの誤差は、大勢に影響しません。
プリロード調整の効果
プリロードを掛けると、乗り心地が固くなる
プリロードを抜くと、乗り心地が柔らかくなる
30mmを基準に、自分の乗り方で微調整するのは、アリ。
マッタリツーリングなら、乗り心地が柔らかくなるよう、35mmくらい
乗り心地が柔らかくなり、足つきも良くなります。
路面追従が良くなり、乗り易く感じる。
ロングツーリングで荷物が多いときは、プリロードを足しておこう。
スポーツ走行なら、25mmくらい
固めの方が、加減速の姿勢変化が少なくなるし、底付きもし難くなる。
何より、バイクがシャキッと感じる。
どちらも、やり過ぎると挙動が乱れるので、20~40mm程度の範囲には収めたい。
いざとなったら、JAFかバイク保険のロードサービスを
プリロード調整は、いったい何をしてるのか?
プリロードを掛けると、バネが縮みます。
乗り心地も固くなる。
だけど、誤解してませんか?
- ストローク長が減る訳じゃない
- バネが固くなる訳じゃない
プリロード調整は、いったい何をしてるのかを知ってスッキリしよう。
プリロード調整は、初期荷重をかえてるだけ
- 『荷重 ストローク量』の傾きは変わらない
- 全ストローク量も変わらない
- プリロードにより平行移動するだけ
プリロードは、『荷重-ストローク量』のグラフを平行に移動させる調整です。
上のグラフは、ストローク長120mmのバイクに100kgの人が乗った場合です。
- プリロード0mmだと、50mm沈み込む ⇒ 沈み込みすぎ
- プリロード20mmだと、30mm沈み込む ⇒ 適正なプリロード
縮み側と伸び側
サスペンションの縮み側と伸び側の割合を変えるのが、プリロード
グラフを見て解るように、サグ(初期沈み込み)が30mmだと
- サスペンションの伸び側:90mm
- サスペンションの縮み側:30mm
ストローク120mmは変わらず、縮み側と伸び側の割合を変えてるにすぎません。
この場合、全ストロークの1/4が縮み側です。
全ストロークの1/4~1/3になるように調節するのが理想
理想のサグ出しになってます!
理想値だと、路面凸凹への路面の追従性がよくなり、乗り心地もいい。
プリロードで、総ストローク長は変わらない
プリロードは、伸び側縮み側のバランスを変えてるだけ
プリロードを掛けても、総ストローク長は変わらない
プリロードでバネを縮めると、その分ストロークが減るように感じるけど、減りません。
120mmの総ストロークは変わらない。
プリロードを掛けても、抜いても120mmは不変です。
同じ荷重を掛けた時のストローク長が減るので、ストロークが減ったように感じるだけ。
上のグラフだと、200kgの荷重を掛けたとき
- プリロード0mmだと、100mmストローク
- プリロード20mmだと、80mmストローク
ストロークが減るので、可動範囲が減ったように感じる。
だけど、120mmは不変です。
プリロードで、バネは固くならない
傾きは変わらないので、バネは固くならない
プリロードを掛けることで、120mmストロークさせるための荷重が変わる。
だから固くなったように感じる。
このグラフの場合、120mmストロークさせる荷重は、240kg⇒ 280kgに増えます。
ストロークさせるための荷重がふえるので、バネが固くなったように感じる。
だけど、傾きは変わって無いのでバネは固くなってません。
上のグラフで、100kg荷重を増やすと、50mm動くのは変わらない。
バネを変えるとどうなるのか?
バネを変えると、傾きが変わる
体重の重い人・荷物の多い人のサグ出し(初期沈み込み量を適正値にすること)は可能です。
プリロードを掛ければいい。
逆に、体重の軽い人のサグ出しは不可能です。
プリロードをマイナスには出来ないからね!
そんな時は、もっと弱いバネに変えて傾きを変えます。
そうするとグラフのようになり、例えば40kgの人の沈み込み量は
- 標準のバネは、17mm ⇒ 沈み不足
- 変更したばね 28mm ⇒ 適正値
ばね交換により、理想的な沈み込みとなります。
フルストロークする荷重も150kgに減るので、ストロークを有効に使える。
乗り心地を求めるなら、柔らかいバネ
一般に、標準装備のバネは日本では固すぎる傾向です。
海外にも出荷されるバイクは、
多人数で乗ったり、路面の悪い道を走ることを想定してるためです。
柔らかいバネに変えることで、全ストロークが有効に使えるようになる。
スポーツ走行するなら、固いバネ
スポーツ走行すると、
- コーナリング中の荷重
- 加減速時の姿勢変化
- 路面ギャップとの衝撃
全ての荷重が増えるので、標準バネだと底づき(フルボトム)してしまう。
より固いバネに変えて、傾きを立たせた方がいい。
なぜ、バイクのリアサスをプリロード調整しないの? まとめ
プリロード調整しないのは、モッタイナイ。
回すだけなので、まずはやってみよう。
プリロードを変えるとどう変わるか、体感して欲しい。
適正に調整すると、なんだかバイクがシャキッとする。
お金も掛かからないので、適正位置を基準に自分好みに前後させてみよう。
また1つ、バイクが好きになる。
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