新しいバイクを買ったとき、
書類の処理 ・バイクの説明が終わると、いよいよキーを渡され自分のものになります。
ショップを出る時は、立ちゴケしないよう緊張します。
ところで、新しいバイクは慣らし運転をしますか?
今時は必要無いという話もあるけれど、本当はどうなのでしょう?
慣らし運転は、どうすればいいの?
そんな疑問を解消します。
ライダーがそのバイクに慣れるために、慣らし運転をしよう
だから、中古のバイクでも慣らし運転は必要です
最初の1,000kmは、バイクの挙動を見ながら少しづつ距離を縮めよう
バイクを機械的に「あたりをつける」必要はありません
- エンジンが温まるまで、高回転まで回さない
- 急加速・急ブレーキを避ける
これらは最初だけで無く、常に止めた方がいい
こんな内容を知って、すっきりしよう。
何台目もバイクでも、新しいバイクに乗り換えるとドキドキします。
すこしづつ、探りながら距離を詰めよう。
高性能なリッターSSは、日本では一生慣らし運転状態かもしれない。
だからと言って、無駄だとは思いません。
趣味のモノに、無駄なんて言葉は、それこそ意味が無いからね!
慣らし運転は、ライダーの慣らし
新しいバイクの挙動に人が慣れるために、慣らし運転はした方が良い。
- エンジン特性
- ブレーキの効き具合
- バンクスピード
- ライディングポジション
- スイッチ類の位置
挙動が解らないバイクに、命を預ける気にはなりません。
最初から限界走行をすると、前のバイクとの違いから、思わぬミスが出ます。
最初の1000kmくらいは、エンジンをリミットまで引っ張らず
色んなギアでバイクの挙動を確かめよう。
の子との付き合い初めと同じこと
最初のデートから、振り回したりしないよね。
さぐり探りの駆け引きを楽しもう。
各バイクメーカーの慣らし運転の定義は違う
慣らし運転に対する各社の記載には差が有ります。
- HONDAは、いわゆる「急のつく操作」はするなだけ
- KAWASAKIは、排気量別・走行距離別に細かく指示
この2車が両極端で、他社はその間。
KAWASAKIって、そんなに自信が無いの?
そんなイジワルな見かたもできてしまう。
HONDA の慣らし記載
適切な慣らし運転を行うと、お車の性能をより良い状態に保つことができます。
慣らしのポイント(走行距離500kmまで)
- 急発進、急加速をさける
- 急ブレーキをさける
- 控えめな運転をする
<感想>
HONDAが一番慣らし運転に寛容。
一般店的な、安全運転の話だけ。
YAMAHA の慣らし記載
最初1か月め(または1000km走行時)の点検までは、ならし運転をしてください。
慣らし運転中はエンジン回転数を8400rpm以下で走行してください。
また、不要な空ぶかしや急加速、急減速はしないでください。
慣らし運転を行うと、車の寿命を延ばします。
※MT25のマニュアル抜粋
8400rpmがナゾ
最高出力が12,000rpmのバイクなので、その70%で8400rpmの意味でしょうか?
KAWASAKI の慣らし記載
最初の1000kmを走行するまでは、下表のエンジン回転速度以下でならし運転をしてください。
慣らし運転を行うと車の性能を維持し寿命を延ばします。
399cc以下
走行距離 | エンジン回転速度 |
0~200km | 4000rpm |
200~350km | 6000rpm |
350~1000km | 控えめな運転 |
400cc以上
走行距離 | エンジン回転速度 |
0~350km | 4000rpm |
350~600km | 6000rpm |
600~1000km | 控えめな運転 |
<感想>
4000rpmに抑えて走るのはかなり無理がある気がします。
流れに乗れずにかえってあぶない。
必要に応じて、一時的に制限回転速度を超えることは良しとして
不必要な空吹かし、急加速、急減速に気を付ければ良い気もする。
バイクの慣らし運転を行うとしてよく聞く4つの理由、意味がある?
「バイク」を慣らす意味として挙げられている理由は、この4つ。
- ねじの緩み確認
- エンジン内部に当たりをつける
- タイヤの皮むき
- アジアで作ったバイクは、精度が悪い
このうち、3つの理由は有り得ない。
1.ねじ緩みの確認
✖ 慣らす意味なし
適正トルクで締められたねじが緩むことはありません
慣らしは不要ですが、初期不良が有るかもしれません
最初はマージンを持って走ろう
適正トルクで締められたねじが緩むことはありません。
そのための、トルク規定です。
しかし、ねじに限らず工業製品には、初期故障があります。
不良品の部品が使われていたり、ねじの締め付けトルクが適正でなかったりすることがあります。
それらは、使い始めの初期に、不具合として表面化します。
ねじが緩んだバイクで、全開走行したくは無いですよね。
初期不良が有るかもしれないので、マージン持って走ってね!
もちろん、チョット走っただけでねじが緩むようなバイクがそんなに有るはずない。
100万台に1台有るか無いか、PPMの発生率です。
しかし、0では有りません。
0に近づけるのが工場管理ですが、コストが掛かります。
バイクの値段が今の10倍でも良ければ、初期不良はもっと少なくなるかも。
サビたねじの回し方はココ。
2.エンジン内部に当たりをつける
✖ 慣らす意味なし
エンジンの寿命は、バイクの寿命よりずっと長い
その他の部品が先に死ぬので、心配いりません
それに、最初の1,000kmの当たりが
その後、何10万kmに渡って効果を発揮する訳が無い
新品のエンジンは、多くの部品で組み立てられています。
部品同士のわずかな寸法差でも、なめらかに回転しません。
ゆっくりすり合わせることで、馴染みを出すのです。
最初に慣らしをして当たりを付けたバイクは、長く乗れます。
100年100万kmでも乗る気でしょうか?
電気系統、ゴム部品が先に死ぬので、
100万kmの心配は要りません
3.タイヤの皮むき
〇 その通り、慣らす意味あり
新品タイヤは、滑り易い
けれど、2~300kmの慣らしで十分です。
クッキーを焼くときに、型にオイルを塗るように、
タイヤを作る時、金型から抜き易くするために、
金型に剥離剤を塗ってから、ゴムを流し込みます。
この剥離剤が、タイヤ表面に残ってるので、滑り易いのです。
納車すぐに
中性洗剤とブラシでタイヤを洗っても良いね
4.アジアで作ったバイクは精度が悪い
✖ 慣らす意味なし
世界の品質水準は高い
差別発言はやめよう
最近は、日本メーカのバイクでも海外生産がほとんどです。
アジアでの需要が多いいので、需要が多い国で作るのが、理にかなってます。
アジアはでは、日本のような品質管理は望めない!
当たりをつける慣らしが、今でも必要だ!
そんな悪い精度で、世界と戦えると思ってますか?
いつの時代の情報でしょうか?
慣らしはライダーの慣らし、ライダーの慣らし運転の3ステップ
慣らし運転 = ライダーが慣れるまではムリしない運転のこと
この前提で慣らし運転の方法を定義するよ。
タコメーターがついてないバイクもあるので、
距離と最高速度を目安ににしよう。
- 慣らし第一段階は、タイヤの皮むき
- 慣らし第2段階は、2ヶ月まで
- 初回点検で、慣らし完了
1.慣らし第一段階は、タイヤの皮むき
タイヤの皮むきが終るまでが第一段階
- 最初の100kmまで
- 60km/h以下で走る
この期間は、タイヤが滑り易いので気を付けよう。
日本の最高速度は110~120kmくらい。
その半分として60km/hです。
バイクを受け取ったら、まずガソリンスタンドで満タンに給油して
トコトコ郊外のカフェまで走ってみよう。
流れの速いバイパスは避けて、普通の50km制限の道を行こう。
PCXの挙動を確かめながら、信号でストップアンドゴーの練習。
新品タイヤは滑り易いので、
交差点やカーブではなるべく倒さないようスピードを落とそう。
カフェでPCXを眺めながらコーヒーを飲んで、納車の実感を噛み締めよう。
家に帰れば、第一段階の慣らし完了。
2.慣らし第2段階は、2ヶ月まで
2ヵ月1,000kmまでは、まったりとバイクと会話しよう
新しいバイクを手に入れると嬉しくて毎週末走り回ってしまうけど、
例えば一週間で1,000km乗っても、それで慣らし終了とは言わないよ。
ライダーがバイクに慣れるまでが慣らし。
なので、2ヵ月はかかる。
- 最初の1,000km、2ヶ月まで
- バカみたいに飛ばさなければ速度は気にしなくてOK
前のバイクの乗り方のクセを抜くまでは、安全運転。
日本のバイクなら、特に意識する乗り方しなくても良いよ。
だけど信号ダッシュみたいな乗り方は止めた方がいい。
まったり、新しいバイクの挙動を楽しもう。
3.初回点検完了で、慣らし完了
車の最初の点検は、1ヶ月点検と言うけど1,000km乗ってから
忙しくて乗れなかったら、初期点検は1ヶ月じゃなく、3ヶ月経ってからでもいい。
初回点検時に、気付いたことを相談するといいね。
- メーターパネルの操作方法
- センタースタンドの掛け方のコツ
- おすすめツーリング目的地
恥ずかしくなんて無いから、解らないは聞いておこう。
はれて、慣らし完了!
だからと言って、無茶な限界走行はやめよう。
MotoGPじゃないんだから、1秒早く着いたって偉くない。
無事に帰ってきたライダーがエライ。
バイクの慣らし運転が不要な3つの理由 まとめ
バイクの慣らしで意味が有るのは、タイヤの皮むきだけです
バイクの機械的な慣らしは不要だけど
ライダーがそのバイクに慣れるために、慣らし運転をしよう
だから、中古のバイクでも慣らし運転は必要です
ライダーがバイクに慣れるまでは、安全マージンを取った運転をしよう
前のバイクのつもりで操作すると、災難が待ってます
ライダーが慣れてないために、新しいバイクを倒すと心理的ダメージが大きい。
バイクの傷はいつか思い出に変わるけれど、出来ればキレイなままが良いからね。
新しいバイクと、どんな思い出ができるか、楽しみが止まらない!
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