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シーズン2 第2章:遠くの駐車場にも・慣れない自分にも・夏の猛暑にも負けず

遠くの駐車場にも慣れない自分にも夏の猛暑にも負けず バイク女子


遠くの駐車場にも 慣れない自分にも 猛暑にも負けぬ

丈夫な身体をもち より遠くへと慾はなく 決して瞋らず

いつも静かな心を保ち 神仏に感謝して

早起きを厭わず 重い荷物にも 遠い道程にも 上り坂にも不平を言わず

(ちょっとしつこい・・・?)


遠くの駐車場にも・慣れない自分にも・夏の猛暑にも負けず

遠くの駐車場にも・慣れない自分にも・夏の猛暑にも負けず

夜明け前に起き、朝食を軽く取り、仕事が休みのたびに、私はバイクと自分慣らしに励むのだった。

我ながら、ひたすらに、そして健気に。

ヘルメットとシューズとジャケットを背中に担ぎ片手に持って、せっせと遠くのバイクパーキングへ通った。


自転車で20分、上り坂歩いて20分、準備に20分。家を出てから約1時間かけて、やっとバイクで出発だ。いま思い返しても、我ながら良く頑張ったと思う。

中古でKawasaki 250TRを納車したのが6月半ば。しばらくして、季節は雨の少ない梅雨を過ぎ、急激に暑くなった。早朝と言えども、坂を歩いて上る時にはもう汗だく。



人生の多くの時間をひとりで過ごしているせいか、しんどい時、ふとひとりごとが出る。頑張れ自分、頑張れ自分、とぶつぶつ呟きながら坂を上る。自分を励ますのは、自分しかいない。

背中のデイパックにはジャケット、トートバックには、シューズとヘルメット。それが、けっこう重い。坂道がかなり苦手な私には、過酷な行程だ。

納車時から少しの間、心配していた梅雨は、幸いなことに雨の日が少なかった。ほぼ順調に、バイクと自分を慣らす日を得ることができたのは、幸いだった。

6月の後半あたりからは、既に猛暑が始まりつつあったが、そこで止めるわけにはいかない。来年の幸運期から、私は本格的にツーリングを始めるつもりなのだから。



バイクを置ける場所が無いのだ

話が前後するが、自分のバイクを買うにあたり、お金以上に心配な事があった。住んでいる賃貸の集合住宅には、バイクを置ける場所が無いのだ。ネットや街を歩いて探したが、見つからない。

ある日、バイクパーキング専門のサイトを見つけた。しかし、件数はかなり少なく、自宅から近い場所に空きは無かった。中古バイク探しとパーキング探しが同時進行していく。

バイク購入が具体化しつつある頃、かなり遠いが、自転車を利用すれば不可能ではない場所のパーキングに目がとまる。しかも、他よりずっと使用料が安い。街中は5千円を超えるのに、そこは3千円だった。

ぃいじゃん、ここで!

自転車で下見に行き、バイクの契約前に、パーキングを押さえた。



しかし、問題はもう一つあった。バイクパーキングには、自転車を置けないルールがあったのだ。

幸か不幸か、パーキングのある丘の入り口あたりに、駅の自転車置き場があった。そこから歩けばいい。ずっと上り坂だが。有無を言っている場合ではない。

そこまでは、様々なことがスムーズに運んだ。そこからは、修行のような、スポーツのような、変わり者の趣味のような日々が始まった。



いつまでもバイクに慣れない自分

予想以上に大変な、バイクパーキングまでの移動、ぎこちないライディング、記憶にない地元の道、忘れていた交通ルール。納車日には無かったエンストとエンジン回転の不安定、いつまでもバイクに慣れない自分。

自転車をとめ、バイクパーキングへ歩いて行く途中に、大きな神社がある。朝はその日の無事を誓い、帰りは無事を感謝した。

なんとか、1ヶ月が過ぎる頃、もっと自宅に近い平坦地のバイクパーキングに空きが出た。すぐにサイトから申し込み、無事確保。管理会社が同じだから、すんなり手続きが進んだ。

とはいえ、自宅から自転車で10分超、トイレに寄り、歩いて15分、身支度を整え、バイクを点検すると、出発まで1時間弱はかかるのだった。すべての行程が、ほぼ平坦地である事は、何よりの救いではあったが。


目覚まし時計が鳴る前に目覚めるのだった。

7月をクリアし、8月に入ると、日本全体で比較的夏の暑さが厳しくない仙台でも、いよいよ本格的な猛暑が始まった。

それでも、私は挫けなかった。早朝起きることも苦ではない。より早く、道路が渋滞する前に、猛暑の暑さが始まる前に走り出したくて、目覚まし時計が鳴る前に目覚めるのだった。

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