バイクは燃費は良いと言うけれど、本当だろうか?
- 車の燃費は10~20km/Lくらい
- バイクの燃費は、20~40km/Lくらい
重量は大違いなのに、燃費は大差ない。
バイクの燃費って
そんなに良くないのでは?
そんな疑問を解消します。
その通り!
重量を加味すると、車の方が燃費がいい
バイクはパワー重視のエンジンなので、燃費が悪い
なぜ、パワー重視なのかを知っておこう。
こんな内容を知って、スッキリしよう。
バイクは軽いので燃費が良いように見えるけど、実は燃費が悪い!
ぶん回してナンボのハイスペックエンジンなのです。
なぜ、バイクは車より燃費が悪いのか? 車とバイクの比較結果
FITとPCX。
ホンダの屋台骨を支える世界戦略車の2台です。
2台とも、頭の良い人が力を入れて開発したに違いない。
そんな2台のスペックを比べたのが、この表。
車種 | 重量 | 出力 | 燃費 |
ホンダ Fit 1.5L | 1,090kg | 98PS | 20.2km/L |
ホンダ PCX 0.16L | 132kg | 15.8PS | 45.2km/L |
- Fit(1.5L FF CVT) WLTCモード燃費
- PCX160 (0.16L 無段変速) WMTCモード燃費
※ホンダ公式サイトのデータを引用
このままでは比べにくい。
土俵を合わせると、車の方が燃費が良い
車種 | 総重量1t当たりの燃費 | 排気量1L当たりの出力 |
ホンダ Fit 1.5L | 23.2km・t/L | 65 PS |
ホンダ PCX 0.16L | 8.7km・t/L | 105 PS |
- 重量1t当たりの燃費:乗員1人60kgとして燃費を総重量で標準化
- 排気量1L当たりの出力:出力を排気量で標準化
重量あたりの燃費・排気量あたりのパワーと言う見方をすると、本当のところが見えて来ます。
- 燃費はFITの圧勝
- パワーはPCXの圧勝
バイクの燃費より、車の燃費の方がいい!
燃費が良いと評判のPCXですら、車に全く敵わない。
PCXの燃費が悪いのか?
PCXの問題かもしれないので、他のバイクと比べてみました。
- リッターバイクの雄 CBR1000RR-R
- FITのエンジンを半分にしたと言われる NC750X
- 燃費モンスター スーパーカブ50
車種 | 総重量1t当たりの燃費 | 排気量1L当たりの出力 |
CBR1000RR-R | 4km・t/L | 218 PS |
NC750X | 7.8km・t/L | 78 PS |
Super Cub 50 | 10.8km・t/L | 74 PS |
結果は変わらず、FIT燃費(20.2km/L)が圧勝です。
なぜ、車の燃費の方がいいのだろうか?
なぜ、バイクは車より燃費が悪いのか? その理由
なぜ、バイクの燃費は車より悪いのか?
この答えを先に行ってしまうと
ユーザーが望んでいるから、燃費が悪い
いやいや
バイクも高燃費が望まれてる
そんなの決まってるよね?
その気持ちは解ります。
もちろん、バイクにも高燃費は望まれてる。
けど、燃費の優先順位は低い。
燃費より求められているのは、パワーです
パワーを実現する方法は2つ
- 排気量アップ
- 高回転化
バイクは高回転化を選択してるので燃費が悪いのです
バイクが燃費よりパワーを優先する理由
あなたが望んでるから、パワー重視
- 燃費の良いバイク
- パワーのあるバイク
あなたはどちらが欲しいですか?
メーカーは常にユーザーの指向に寄り添います。
あなたが望むから、頑張ってパワーを絞り出してます。
パワーのあるバイクが売れる
パワーのあるバイクと燃費のいいバイク
どっちに興味がありますか?
80年代のバイクブームの頃は、毎年のようにモデルチェンジしてました。
More Power!
バイクメーカーは、パワーを競い合ってました。
今は80年代ほどではないけれど、その構図は変わってません。
CBR・NINJA・R25などが、しのぎを削ってます。
それもこれも、みんなが望むから。
もちろん、パワーを売りにしないクラシック系のバイクもあるけれど
それらは排気量で補ってます。
小排気量バイクには125cc、250ccに区切りがあるので排気量で補えないのも辛いところ。
環境・騒音対策にパワーが必要
- 排ガス規制
- 騒音規制
- 安全装備
欧州排ガス規制(EURO6,7)を筆頭に、バイクにも環境性能が求められてます。
クリアするためには、燃料噴射装置・触媒・複雑なマフラーが必要。
バイクは、高価で重くなる一方です。
また、ABS・トルコンといった安全装備が望まれてるので、それも積まないといけない。
環境のため、薄いガソリンで重いバイクを走らせるには、
More Power!
バイクは軽量なので、燃費はついてくる
ユーザーは車の燃費に毒されてます。
- 車の燃費が20km/L
- バイクの燃費が40km/L
並べるとバイクの燃費が良く見える。重量差など気にもしない。
バイクは車より燃費がいいね!
40km/Lも走れば十分!
バイクは燃費が良く見えるので、ことさら『ユーザーは求めてない』。
燃費が悪くなってきたら、チェックすることはココ
バイクのパワーを上げる方法は2つ
では、バイクのパワーを上げるにはどうすれば良いのか?
方法は2つです。
- 排気量を上げる
- 高回転まで回す
どちらも、燃費が悪くなる方向です。
そして、高回転まで回す方法が用いられることが多い。
1.排気量を上げる
ネガが一番少ないパワーアップ方法だけど、大きなネガが2つ
- 125cc・250ccに行政上の縛りがある
- 大きすぎるエンジンは、乗り難い
パワーを上げる一番の近道は、排気量を上げることです。
難しいことを考えなくても、ボアアップすれば燃やせる燃料が増える。
つまり、爆発のパワーが増えます。
排気量アップはネガが一番少ない推奨方法だけど、大きなネガが2つ。
- 125cc・250ccに行政上の縛りがある
- 大きすぎるエンジンは、乗り難い
各国で縛りの排気量は違うけど、縛りがあるのは変わりありません。
また、大きければイイと言うものでもないのが難しいところ。
1,000ccのバイクで街乗りするのは大変だし、3,000ccのバイクでツーリングも走り難い。
跨るのも大変だし、慣性の影響で止まれない・曲がれないバイクが出来上がる。
縛りの無い大型バイクでは有効
小排気量のような縛りが無ければ、排気量アップが一番自然です。
- 600ccから700ccに
- 750ccから1,000ccに
排気量を上げるだけで、必要なパワーが手に入ります。
2.高回転まで回す
高回転まで回すとパワーは上がるけど、ネガが2つ
- 低回転がスカスカ
- 燃費が悪くなる
パワー = トルク(排気量)× 回転数
パワーは回転数に比例します。
1万回転のエンジンを2万回転まで回せば、単純に2倍のパワーが絞り出せる。
排気量そのままでハイパワーエンジンが出来上がります。
例えばNinja ZX-25Rは、15,500rpmまで回してパワーを取り出してます。
車のエンジンは最高で6,000rpm、巡行時は2,0000rpm程度なので別物のエンジンですね。
排気量制限のある125cc・250ccや、重量増を嫌うSSでは回転数でパワーを稼ぎます。
もちろん、ネガもある
低回転がスカスカで燃費が悪くなる
高回転に合わせて作り込むので、低回転では効率の悪い状態になってします。
- 低回転では吸排気のタイミングが合わない
⇒ 低回転でパワーが出ない - 高回転まで回すためにショートストロークにする
⇒ トルクも出ない
効率が悪いので燃費も悪くなる。
CB400SFのVTECのように、回転数で2バルブと4バルブを使い分けるギミックもあるけど
他機種に展開されていません。
あれはあれで万能ではないのでしょう。
高回転で回すと時間当たりの爆発回数が増える。
回数分だけ、燃料を消費します。
だから、高回転にすると燃費は悪くなります。
ハイオクを入れるとパワーアップするのか?
なぜ、バイクは車より燃費が悪いのか? まとめ
バイクは排気量でパワーを稼ぐより回転数でパワーを稼ぐケースが多い。
だから、バイクは燃費が悪い。
しかし、
燃費も大事だけど、高回転までブン回して走るのは楽しい。
だから、ガソリン価格が手が届くうちは、ブン回して乗るのもいい。
環境への配慮は必要だけど、たまにはね!
ブン回せるのは、小排気量の特権だから。
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