点火プラグが無いと、バイクは1ミリも動きません。
小さな部品だけれど、大切な部品です。
点火プラグの交換時期は、どれくらい?
イリジウムや白金の点火プラグがあって
10万km持つって本当?
そんな疑問を解消します。
バイク用点火プラグの種類と交換時期
バイクに使える点火プラグは3種類
一般・イリジウム・MotoDX
それぞれの寿命は、
- 一般プラグ、イリジウムプラグは、3,000~5,000km
- MotoDXは、8,000~10,000km
イリジウムにしても、寿命は延びない
バイク用で10万km持つ長寿命点火プラグは無い
PCXのメーカ推奨点火プラグ(NGK)と交換時期
NGK公式を引用
PCXに適合するプラグ
標準 | イリジウム | MotoDX | |
PCX(JK05・JK06・KF47) | LMAR8L-9 | ー | LMAR8ADX-9S |
PCX150(KF30) | MR8K-9 | ー | CPR8EDX-9S |
PCX150(KF12/18) | CPR7EA-9 | CPR7EAIX-9 | CPR8EDX-9S |
PCX(JF81) | MR8K-9 | ー | CPR8EDX-9S |
PCX(JF28/56) | CPR7EA-9 | CPR7EAIX-9 | CPR7EDX-9S |
一般プラグ、イリジウムプラグ、MotoDXプラグの寿命
イリジウムに変えても、寿命は延びない。
MotoDXプラグ とは
2輪専用スパークプラグとして、スパークプラグに求められる様々な性能(加速性・耐久性・耐汚損性・燃費・始動性等)を向上。
Dの断面形状をした外側電極(D-Shape外側電極)とルテニウム配合中心電極で抜群の燃焼効率を実現しました。
NGK公式を引用
点火プラグが劣化する理由
ディーゼルエンジンには点火プラグが不要だけど
バイクにディーゼルは無いので、点火プラグは必須です。
点火プラグが劣化しては、良い爆発は望めない。
点火プラグは消耗品
点火プラグは燃焼室内で、
- 2~3万ボルトの火花を飛ばし
- ガソリンを爆発させる
- 爆発で2,000℃~2,500℃にさらされ
- その後の吸気で急激に冷やされる
そんなことを、1分間に数千回行ってます。
電極の消耗
最初は電極のエッジが立ってますが、だんだんエッジが削れて丸くなって来ます。
火花は鋭角のところから飛びやすいので、丸くなってくると火花が飛びにくくなる。
交換が必要になります。
初期の電極エッジが立ったプラグが使い込んで電極が丸くなると寿命です
点火プラグの交換時期
点火プラグは、火花を飛ばした回数で交換時期が決まります。
同じ距離を乗っても、
- 自動車はエンジン回転数が低いので、点火回数は少ない
- バイクはエンジン回転数が高いので、点火回数は多い
点火プラグの寿命 | 四輪車 | 軽四輪車 | 二輪車 |
一般プラグ・白金プラグ・ |
15,000~20,000km | 7,000~10,000km | 3,000~5,000km |
MotoDXプラグ | - | - | 8,000~10,000km |
白金プラグ(長寿命タイプ)・イリジウムプラグ (長寿命タイプ) |
~100,000km | - | - |
このため、同じプラグでも自動車で使うのと、バイクで使うのでは4倍も寿命が変わります。
バイクでも、常用回転数はさまざまです。
250ccマニュアルは、6,000~8,000rpmは普通に使うので
車の常用を2,000rpmとすれば、ちょうど4倍です。
車が20,000km、バイクが5,000kmというのも頷けます。
同じバイクでも、
低いギアで引っ張って走ることが多い人は、3,000Kmで交換した方が良い。
逆に、ハーレーなどのクルーザーは車と同じような常用回転数なので
5,000kmで交換せず、車の20.000kmで交換しても十分です。
イリジウムプラグと一般プラグの寿命は同じ
中心の電極をイリジウムにしても、外側の電極の寿命は変わらないので
普通のイリジウムプラグの寿命は一般プラグと同じ
外側電極に白金を使えば超寿命になるが、バイク用は無い
一般プラグとイリジウムプラグの寿命は同じです。
しかし、長寿命タイプのイリジウムプラグは、10万kmの超寿命です。
この違いは、外側の電極に白金を使ってるか否かです。
残念ながら、外側に白金を使った超寿命タイプのプラグは、バイク用には存在しません。
一般・イリジウム・MotoDXどれにするか、選び方と交換方法
特にこだわりが無ければ、
一般品を3,000km程度の早めに交換するのがおすすめです。
一般・イリジウム・MotoDXの違い
一般プラグ
メーカ純正のプラグ 3,000~5,000kmで交換
リジウムプラグ
中心電極にイリジウムを使い、細くしたタイプ
細いので火花が出やすい
3,000~5,000kmで交換
MotoDXプラグ
電極の形状・材料をバイクに最適化し、始動性や燃費を向上したタイプ
8,000~10,000kmで交換
一般・イリジウム・MotoDX の選び方
好みで選んで構いませんが、違いを体感するのはムリです
最近のバイクは燃料噴射ですので、プラグの差異は出にくくなりました。
どれを使っても、始動性やパワー・燃費の差を体感することは出来ません。
くたびれたプラグと新品の違いは誰でもわかりますが
新品同士で一般・イリジウム・MotoDXの違いはわかりません
よほど感覚が鋭い人なら、あるいは・・・?
MotoDXは寿命が2倍長いが、
価格が2.5倍高いので、コスパは、いま1つです。
つまり、一般プラグがおすすめです。
イリジウムのメリット
電極が細いので、安定した火花が望めるのは確かです
これにより、いろんなメリットが語られる
- パワーアップ
- 燃費アップ
- 始動性アップ
- 汚れにくい
しかし、体感するのは難しい。
点火プラグはオイルと似てます。
- 高価なオイルが良いのか
- 交換サイクルを早くした方が良いのか
人それぞれ。
体感が難しくても、イリジウムにすることで満足感が得られるのであれば
『イリジウムのメリットはある』
プラグの熱価の選び方
プラグには「熱価」があります。
普通はメーカ指定の型式(熱価)でバランスが取れていますが、変えてみるのも面白い。
PCXの標準プラグ「 MR8K-9 」では、8が熱価8の意味です。
「 MR9K-9 」 にすると熱価を上げる、ことになります。
熱価を上げる
高回転を多用するなら熱価を上げてみる
熱価が高いと放熱が大きいので、点火プラグは冷えやすい。
エンジンを高回転で走る事が多かったり、夏に熱ダレするときは、熱価を上げると熱ダレし難くなります。
熱価を下げる
始動性を良くするなら、熱価を下げてみる
熱価が低いと放熱が小さいので、点火プラグは熱くなりやすい。
冬の朝にエンジンが掛かりずらいときは、熱価を下げるとエンジンが掛かり易くなります。
高性能なエンジンを街乗りばかりで低回転で使っていると
プラグが温まらずにカーボンが貯まりやすい。
熱価を下げて低回転でのカーボンを押さえます。
高性能なエンジンも宝の持ち腐れです。
プラグの交換方法
交換作業は、簡単です。
- プラグコードを引き抜く
- プラグレンチで、既存のプラグを外す
- 新しいプラグを手で回せる間は手で回す
- てで回せなくなったら、最後にプラグレンチでトルクを掛ける
新品プラグ:60度回す
再使用:30度回す
具体的な作業手順は、ココ
作業は簡単ですが、ねじ山を傷めないように注意が必要です。
プラグのねじはエンジンに直接切ってあるので、
ねじをなめると、エンジンを下ろして修正する必要があり、
自分では直せないし、ショップに依頼すると高価な作業になります。
点火プラグの交換は簡単だけれど
- 斜めに締めると、ネジ山を潰して悲惨
- ばか力で締めると、途中で折れて取れなくなって悲惨
バイク点火プラグの交換時期と交換する手順 まとめ
ツーリング用途の点火プラグは、一般タイプで十分!
- 一般プラグ、イリジウムプラグは、3,000~5,000kmの寿命
- MotoDXは、8,000~10,000kmの寿命
イリジウムにしても、寿命は延びない
イリジウムにしても体感出来ない
MotoDXはコスパが悪い
バイク用で10万km持つ長寿命点火プラグは無い
プラグの種類の違いはフラシーボ
点火プラグは、エンジンオイルに似ています。
高いオイルの方が良いのか、安いオイルを頻繁に替えた方が良いのか?
オイルと同様に、『 高いプラグを頻繁に替える 』がベストです。
しかし次点の、『安いプラグを3,000kmで替える』をおすすめします。
プラグを変えると、なんだか気分が良い!
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