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シーズン2 第4章:バイクを見るとみんな笑顔になるのはなぜ?

バイクはほんとうに素敵だ バイク女子


2度目の日帰り温泉ツーリングも温泉へ行った。

片道約40km程度の遠刈田温泉。

そこには、神の湯という共同浴場がある。



公道にもバイクにもまだまだ慣れていないので、道路が空いている早朝に出発するというマイルールを決めていた。

神の湯のオープン時間よりちょっと早めに到着。

建物の横にバイクをとめ、まずはすぐ近くにある蔵王刈田嶺神社 里宮をお詣り。



バイクを見るとみんな笑顔になるのはなぜ?

バイクを見るとみんな笑顔になるのはなぜ?

以前、蔵王の麓の牧場へレンタルセローで行った時、まさかの立ちごけをして右脚が下敷きになった。遠刈田方面へ行くと、必ずその時のことが思い出される。

山の神様に嫌われたのか?と浅はかな私は思ってしまった。というわけで、刈田嶺神社では、いつもちょっと緊張する。

コケたのは神さまのせいではなく、駐車場の勾配のきつさに気づかず、斜面に平行にバイクを止めようとして下り側の右脚が着かなかったために転倒。

自分の不注意でしかないのである。そんな不注意まで神さまは守ることはできないだろう。できる神さまがいるとしたら、自分の中にある落ち着きと慎重さという神さまくらいだ。



遠刈田温泉 神の湯

遠刈田温泉 神の湯

神の湯オープン。ほぼ地元の常連さんが5名ほど。異色の私が混じって、なんとなく違和感。

だが、いつ行っても気持ちの良い温泉だ。あー生きてて良かった、ありがとうありがとうありがとう、と心の中で言いながら湯に浸かる。

お湯はちょっと熱めなので、長湯はできない。朝なので、疲れが出ないように早めにお湯から出る。


脱衣所から一人のおばあさん(まあ、私もおばあさんだが、より年上の)が後ろからついてきた。

ねえ、バイクでしょ?これからどこに行くの?

と、まるで少女のように私に話しかける。

もう帰るんですよ

そうなの、じゃあ、気をつけてね

とにこにこして去って行く。

その後、風呂上がりのお年寄りが何人も、バイクと私に話しかけ、笑顔やエールを送ってくる。



なぜ、みんな笑顔になるの?

なぜ、みんな笑顔になるの?

なぜなのか。

代わり映えしない日常に変化をもたらす存在だからか?

皆、笑顔で嬉しそうに話かけてくれる。

私は何となく、バイクは世の中の悪に含まれるものと思い込んでいた。

道路では邪魔くさいもの、乗らない人には怖いもの、危険なものと思われているような気がしていた。

極端な例だと、乗り手も怖い人、世間ずれした人と思われているような気もしていた。

要するに、バイクも乗りても、嫌われものだという気がしていた。

道路を走れば煽られ、ぎりぎりで横から前に入られ、無理やり追い越され、それらを回避しようとすれば、ルール違反だの危険運転だの言われ。



しかしである。

あの共同浴場で、わざわざ立ち止まって声をかけてきた老人たちの笑顔は何なのだろう。

タオルを首にかけて、バイクのことを聞いてきた1人のおじいさんは、軽トラで通り過ぎるとき笑顔で手を振り、窓から顔を出して言った。

気をつけてね~

バイク復帰してまだ1週間程度だった私にとって、その日は天からの祝福だったようにすら思える。

こんな年齢で、再びバイクに乗ることは、世間一般の常識からは外れ、否定的な言い方をされるものと、私は勝手に思い込んでいた。

そんなあの日のことは、ずっと覚えていたいと思う。



バイクはほんとうに素敵だ

バイクはほんとうに素敵だ

そういえば、復帰第1回目のツーリングで行った温泉ホテルの女将も、にこにこしてこう言ったのだった。

あら、バイクなの、すごいわね。え、25年ぶりなの?いいわね~


否定的だったのは、実は自分だったのかもしれない。

誰かに声をかけられるたびに、聞かれてもいないのに、こう言う。

もう、おばあさんなんですけどね・・・

見ればわかることをあえて言う心理。たぶん、否定的な言葉を言われないための防御だろう。



罪悪感なんてのも多少あるかもしれない。

自分だけ、いい年して自由ですみません。

常識的な生き方じゃなくてすみません。

好きに生きててすみません。

否定的なのは自分自身だ。

バイクはほんとうに素敵だ。 




そんなことまで教えてくれる。

ただ単に行きたい場所に連れて行ってくれるだけじゃないんだね。

そして、なぜか知らないけど、人を笑顔にする力ももっているらしい。




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