転倒したとき、フルフェイスしかアゴは守れないけどいいの?
そんな脅かしをよく聞くけれど
フルフェイスは息苦しくて辛い
ジェットヘルメットはダメなの?
そんな疑問を解消します。
ジェットよりフルフェイスの方が防御力が高いのは確かです
でも、軽くて視界のいいジェットには、未然に事故を防ぐ安全性がある。
一概に、どちらが安全とは言い切れません。
高価な一流ブランドのフルフェイスをかぶりさえすれば、安全!
そんな簡単な話じゃない
フルフェイスでもダメなときはダメです
大事なのは事故に巻き込まれないよう、安全運転に心掛けること
こんな内容を知って、スッキリしよう。
フルフェイス・ジェット。
それぞれに長所短所があります。
あなたにとって正しい選択の参考になれば幸いです。
絶対に事故らない自信があれば、大型バイクに半ヘル・半袖で高速道路も法的にはOK。
止めた方が良いけどね!
ジェットヘルメットはフルフェイスより安全性が低いのは確か!
ジェットとフルフェイス、どちらが防御力が高いのか?
こう問われたら、『フルフェイス』と答えない人は居ないだろう。
フルフェイスの方が安全な理由は、2つ。
- アゴが守られてる
- 剛性が高い
1.アゴが守られてる
バイク事故でダメージを負う部位を表した絵です。
頭部へのダメージの34.6%がアゴへのダメージです。
(左右併せて)
フルフェイスを使っていたなら、頭部へ受けるダメージの34.6%は防げたかもしれない。
もちろんアゴは守られたけどその衝撃が首の骨に加わって、なんてこともある。
けど、頭は守られた。
2.剛性が高い
※警視庁 二輪車の交通死亡事故統計を引用
バイク死亡事故の約半分が頭部へのダメージによる死亡です。
だから頭を真っ先に守らなければいけない。
フルフェイスはあごの部分が繋がってるので、剛性が高く横からの衝撃にも強い。
ジェットヘルメットは横からの衝撃でたわんで、頭にダメージが及ぶ場合もある。
もちろん、
- ヘルメットは無事だけど中身に強烈なGが掛かって脳ダメージになる場合もある
- ヘルメットがつぶれて衝撃を緩和するケースもある
- ヘルメットへの衝撃で頸椎が折れることもある
一概に剛性が高い方が、とは言い切れない。
ジェットのおすすめはここ
いつまでも、バイクに乗り続けたい
なぜ、レースはフルフェイスだけなのか?
バイクレースはフルフェイス!
ジェットを使う人は居ない
ジェットが劣ってるからだ!
よく聞くセリフだけど、レースと公道は全然違います。
レースは極端な前傾姿勢で上目遣いで遠い前方を見る
前傾姿勢で上目遣いなら、フルフェイスの視界の狭さは気になりません。
レース中に『 今、何Km/h? 』なんて気にする人なんていないからね。
でも、公道は違う。
フルフェイスでアップライトな乗車姿勢だと、直近が見えない。
スピードを確かめずに気持ちよく走ってると後ろでサイレンが聞こえてくる。
脇道から飛び出してくる人を警戒する必要もある。
レースでの選択がそのまま公道に当てはまりません。
なぜ、街乗り・ツーリングで革ツナギを着ないのか?
レースでは革ツナギしか着ない
安全だからだ
なぜ、街乗り・ツーリングに革ツナギを着ないの?
極論すれば、街乗り・ツーリングでもレースと同じ革ツナギでフル装備が安全です。
けれど、公道で革ツナギを着ている人は少ない。
トイレ休憩で苦労するのは仕方ないよね?
安全だから。
この話を続けると、『バイクは危険だから・・』にしか行きつかない。
安全性と快適性
どこに線引きをするかは、あなたしだい
保険で安全担保するのも忘れずに
なぜ、白バイ・トライアル・新聞配達はジェットヘルメットなのか?
なぜ白バイ・トライアル・新聞配達などはフルフェイスを使わないのか?
フルフェイスの方が安全なら、フルフェイスを使うべきなのに。
ヘルメットに求められる機能は安全だけじゃないので難しい。
- 視界の広さ
- 快適性
1.視界の広さ
フルフェイスは手元・足元が見えない
ジェットは見える
- スピード違反を追尾しているときに、何Km/hなのか確かめる
- 交通違反の切符を書く
- トライアルで足元の岩の状態を見る
- 新聞配達で、荷台から新聞を必要数取り出す
走ってる時も、視界の広さは安全に繋がります。
交通の流れが広範囲に見渡せるので、車の動きが予測しやすい。
視界が広いというのは、ジェットヘルメットのメリットの1つです。
ぶつかったときの安全性はフルフェイスが有利だけど、
事故を未然に防ぐという安全性はジェットにも理がある。
2.快適性
夏の熱気でフルフェイス内が蒸し風呂になることもある
フルフェイスに囲まれると、閉所恐怖を覚える人もいる
フルフェイスからジェットに変えると、開放感に驚きます。
開口部が多いので、口元は常にフレッシュな空気に包まれます。
頬を流れる風が気持ちいい!
いくら安全なフルフェイスでも、不快で集中力が切れたら意味がない。
バイクに乗るのが仕事なら、雨の日も風の日もバイクに乗らなければならない。
快適性も安全性能の1つと言ってもいい
- 暑い夏はジェットで軽快に
- 寒い冬はフルフェイスで温まりながら
季節で使い分けている人も多い。
なぜ、バイクに乗るのか
ジェットヘルメットは安全性が低いので止めた方が良い?
ジェットよりフルフェイスの方が安全なのは確かです。
でも、それは防御性が高いだけ。
広い視界・快適なかぶり心地といった安全性は、ジェットの方が高いとも言えます。
もしジェットが危険なら、なぜ販売し続けるのか
ジェットはアゴが守れないので危険!
ならば、そんな危険なヘルメットは禁止すべき
- ARAI・SHOEIをはじめ、世界中の一流ヘルメットメーカがジェットを作り続けるのはおかしい
- ニーズが有ってもコンプライアンス的に作るべきじゃない
- 行政が販売禁止にしないのも、怠慢だ!
- SNELL規格取得してないヘルメットは、違法にすべきだ!
そう思いますか?
- 通勤・通学も革ツナギ・フルプロテクター・エアバッグ必須にすべきだ!
- 2輪だとコケるから、3輪・4輪にすべきだ!
そう思いますか?
極端すぎるのも息苦しい
『バイクは危険だから・・』にしか行きつかない
一番大事なのは安全運転!
ジェットヘルメットが存在するのは
安全の主体は、道具じゃなくライダーだから
フルフェイスの方が防護力は高いけど、無茶な運転をすれば危険です。
あくまで安全の主体は人。
ライダーの安全意識が低ければ、フルフェイスでも危険
安全運転すれば、ジェットでも安全です
SNELL規格があれば安心な訳けじゃない。
フルフェイスなら安心なわけじゃない。
一番大事なのは、事故を起こさないという意思です
道具に頼らず、安全運転を心がけて
いつまでもバイクを楽しみたい
極端な話、フル装備で限界走行をするよりも
ノーヘル半袖短パンの方が安全かもね!
あなたの命です。
どう使おうと、あなたの自由。
SPC・SGマークをはじめSNELLに至るまで、いろんな安全規格があるけど、
日本の公道を走るのには、何の規格も要りません。
ヘルメットは高価なほど、安全性が高い訳じゃない
ARAIのフラッグシップ『RX-7X』
ARAIのツーリング向け『RAPIDE NEO』
どっちが安全なのか?
高い方が安全なのか?
どっちも安全、差はない
怪しいノーブランドで無ければ、どのヘルメットも安全
価格の差は、安全には関係ありません
フラッグシップが安全で、下位モデルは安全性が低いなんてことはありません。
信頼できるメーカの製品なら、どれも安全です。
価格の差は、安全の差では無くて機能の差。
- 静粛性
- 高速安定性
- 内装の意匠 などなど
安全性とは無関係とはいわないけれど、直接影響しない機能にお金が掛かってる。
でも、無名ブランドは安全の差かもしれない
Amazon公式のヘルメット売れ筋ランキングをまずは見て欲しい。
見知らぬメーカのヘルメットが混じってませんか?
- 『装飾用』のヘルメット
- 5千円以下のジェット
- 1万円以下のフルフェイス
やめた方が・・・
Amazonをはじめとする通販サイトには、ホームセンターで見かけるようなヘルメットが混じってる。
消費生活用製品安全法(PSCマーク)のついていないヘルメットは、売れません。
しかし、公道で使う分には問題ありません。
あくまで『販売』を禁止してるだけ。
だからと言って、『装飾用』と売られてるPSCマーク無しのヘルメットはやめた方が良い。
単に並行輸入でPSCが無いだけでは無く、本当に装飾用の防御力が無いヘルメットかもしれない。
5千円以下のジェット、1万円以下のフルフェイスは避けたい
低価格でしっかりしたヘルメットも、探せばあるのだろうけど
玉石混合過ぎる
『ヘルメットは高価なほど、安全性が高い訳じゃない』と言っておいて何だけどね!
アジアのヘルメットも悪くない
ジェットヘルメットは安全性が低いので止めた方が良い? まとめ
ヘルメット単体を比べれば、ジェットよりフルフェイスが安全です。
だけど、安全はそれだけで担保されないから難しい。
何が正解なのかは、あなたにしか決められません。
バイクは自己責任な乗り物だから、誰かの言葉を鵜呑みにせずに、自分の言葉に咀嚼しよう。
末永く、バイクに乗り続けるために。
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