バイクのエンジンオイル量をチェックしてますか?
交換時期の管理も大事だけど、量の日常チェックも欠かせません。

エンジンオイルの量は、いつ計ればいいの?
足してもいいの?
入れすぎたら、どうするの?
そんな疑問を解消します。
エンジン量を確認するタイミング
- 5分アイドリングしてエンジン停止3分後
- 朝一のエンジンが冷えてるとき
なぜ、このタイミングなのか?
オイルを入れすぎてもマズい理由や、入れすぎたときの対処も知っておこう
こんな内容を知って、スッキリしよう。
『日本人は、オイル交換をやり過ぎる 』
そんな話をよく聞きます。
オイル交換はするけど、オイル量の日常点検は出来てないことが多い。
オイル交換時にオイルが少ししか入ってなくて驚いても、手遅れだからね。
エンジンオイル量の確認タイミングは?

- 5分アイドリングしてエンジン停止3分後
- 朝一のエンジンが冷えてるとき
いきなり結論です。
オイル交換を自分でする人は、オイル交換時のオイル量チェックも同じです。
バイクのメンテナンスマニュアルには、1の方法が書いてあるはず。
けど経験上、2でも大差ないのでOK!
1.なぜ、5分アイドリング してエンジン停止3分後なのか?

エンジンオイルは、エンジンの底に溜まってます。
エンジンを動かすと、エンジン各部に搬送されて6つの役割を担う。
- 潤滑
- 洗浄
- 衝撃吸収
- 密封
- 冷却
- 防錆
なぜ、3分後なのか?

エンジン停止3分で、エンジンオイルは大体エンジン底に戻ってくる
- エンジンが回ってるときは底に溜まってるオイルは少ない
- エンジンが止まると、底に戻ってくる
- 一晩たって戻り切ったときが、一番多い
だから、いつエンジンオイル量を測るかによって、量は変わってきます。
エンジン回転中は、6つの役割を担うためにオイルはエンジン内部を駆け巡ってます。
そして停止3分もすれば、大方のエンジンオイルはエンジン底に戻ってきてます。
だから、3分。
なぜ、5分アイドリングなのか?

一定温度でのオイル量を測るため5分アイドリング
エンジンオイルは、温まると膨張します。
温度によって量が変わる。
滑油 膨張率 0.702[×10-3/℃]
株式会社八光電機
エンジンオイルの適正温度は90℃前後です
イエローハット
上の値を使うと、オイル量が3Lのバイクの場合
3×(90-20)× 0.702[×10-3/℃] = 147ml
朝一の20℃と走って90℃になった時では、147mlも体積が変わります。
冬の寒い時期なら、もっと差は広がる。
だから、一定温度で測るために、 5分アイドリング としてる。
どんな季節でも、5分アイドリング後のオイル温度はほぼ一定。
2.なぜ、朝一のエンジンが冷えてるときでもいいのか?

- 時間が経たないと、エンジンオイルが戻ってこない
- 時間が経つと、エンジンオイルが冷えてしまう
結局、朝一の冷えてるときと大差ない
エンジンオイルは温まると増えるので、一定温度でのエンジンオイル量を規定する必要があります。
だからメンテマニュアルでは、5分アイドリングして温めて一定温度にして測るようにしてる。
しかし、エンジンを動かすとエンジンオイルがエンジン内に拡散されるのでオイル量が測れない。
だから、エンジン停止3分して大体エンジンオイルが帰ってきてから測るようにしてる。
3分以上待てばもっと戻って来るけど冷めるのもマズいので、まあまあ
朝一の冷えてるときと、大差ない?
一度、自分のバイクでやってみよう。
- 朝一のエンジンオイルが戻り切ってるときのエンジンオイル量
- 5分アイドリングしてエンジン停止3分後のエンジンオイル量
オイルレベルは、数mmしか違わない
だったら、面倒なことせずに朝一測った方が簡単です。
極寒のマイナス何十℃で、オイルレベル測ることも無いからね!
もちろん、バイクによっては差があるかもしれません。
一度どれくらい差があるのか試してみてからの方がいいのは、確か。
バイクを直立させないと、正しく測れない

1人で直立させて倒すのは、アルアル
センタースタンドが無ければ、バイクスタンドが欲しい
サイドスタンド駐車でバイクが傾いていては、正しくオイル量を測れません。
バイクを直立させる必要があります。

もちろん、バイクの前後方向も同じ。
坂道に停めた状態でオイル量を正しく測るのはムリ。
だけど極端な坂道で測ろうなんて思わないよね?
メンテナンススタンド
1人でバイクを直立させて、オイルレベル点検窓をのぞき込むのは自殺行為
点検窓で見るタイプのバイクでも、バイクを手で直立させながら点検窓を見るのは難しい。
点検窓が無くてレベルゲージ棒を突っ込むタイプのバイクなら、曲芸技が要ります。
バイクを倒して後悔する前に、バイクスタンドを買いたい。
バイクスタンドがあれば、
- チェーン清掃
- チェーン張り調整
- リアホイールの清掃
- リアタイヤを外してのメンテ
- リアサス交換
メンテの幅がグッと広がります。
エンジンオイル 入れすぎの弊害?

エンジンオイルには、MAX・MINの規定量が決められてます。
エンジンオイルが足りないとマズいのは、なんとなく解る。

多い分には、問題ないのでは?
溢れるとマズいのでMAXがあるの?
誰もが、そう思います。
でも、そんな単純な話じゃない。
なぜ、エンジンオイルを入れすぎるとマズいのか?

エンジン内でジャマになるから
エンジンオイル交換時に、MAXのチョット上まで入れてませんか?
多すぎるエンジンオイルは、2つのジャマをしてしまう。
- 効率が悪くなる
- 故障の原因になる
1.効率が悪くなる

エンジンオイルを入れすぎると、エンジン内の空間がその分狭くなります。
狭くなると、ピストンの上下運動によるエンジン内の圧縮抵抗が大きくなってしまう。
空気の圧縮抵抗って、バカになりません。エアサスがある位だからね。
エンジンエネルギーがムダな空気の圧縮に使われるので、効率が悪くなる。
2.故障の原因になる

エンジンオイルが多すぎると、故障する
オイル液面と可動部品が干渉すると故障してしまう。
1,000rpm以上で動作している可動部品にとっては、オイル液面もコンクリート並みの硬さ。
エンジンオイル油面にぶつかれば、曲がったり壊れたりします。
過ぎたるは、ですね。
車検が無くても点検は大事
エンジンオイルが過不足してたら、どうすればいいの? 解決方法

エンジンオイル量の重要性は、解った。
もし、測って過不足してたらどうすればいいのか?
- 多すぎたら?
- 減ってるのに気づいたら?
1.多すぎたら、どうする?

エンジンオイルが増えるのは、何かがおかしい
エンジンオイル交換で、入れ過ぎたならいい。
もし、それ以外のタイミングエンジンオイルが増えてたら、危険信号です。
- 結露
- ピストンのスキマから流入
- 冷却水の混入 など
いずれにしても、エンジンオイルの性能が激しく劣化してます。
役割が果たせず、エンジンに大ダメージとなる。
ユーザーレベルのメンテには荷が重い症状です。
ショップに相談した方がいい。
オイル交換で入れ過ぎた
オイル交換で入れ過ぎただけなら、話は簡単。
余分なオイルを抜けばいい。
- ドレインボルトを緩めて下抜き
- オイルチェンジャーで上抜き
方法は2つあるけど、下抜きは難しい。
せっかく入れた新しいオイルがムダになってしまう。
チョットだけ緩めても、ドレインワッシャー交換になるしね。
上から抜くのが簡単
オイルチェンジャーをオイル注入口に突っ込んで吸い出すのが簡単
バイクによっては、下抜きより多くのオイルを吸い出せたりします。
せっかくオイルチェンジャーを手に入れたなら、オイル交換自体を上抜きにしたい。
そうすれば、ドレインの締めつけトルクを心配することも無い。
2.減ってるのに気づいたら

空冷エンジンや古いバイクでは、エンジンオイルが減るのはありがちで故障じゃない。
エンジン内のクリアランスが余裕をもって作られたり、経年変化で増えてきてます。
シリンダー内にオイルが滲み込んで減るのは、ある程度しかたない。
だけど、買って数年の新しいバイクなら、一度ショップに相談してみた方が良い。
何かが起きてることもある。
足しとけばいいのか?
同じ銘柄のエンジンオイルを足したい
応急処置的には、規定量まで足しておこう。
できるだけ、同じ銘柄のエンジンオイルを足したい。
違うエンジンオイルを混ぜると、性能が相殺されるかもしれないからです。
もちろん足りないよりは良いので、混ぜるのもアリ。
臨機応変にね!
オイル選びなら、ココ
エンジンオイル量の確認タイミングは? まとめ

エンジンオイルは、エンジンの血液に例えられるほど重要なアイテムです。
3.000kmや半年毎とか、交換時期の管理だけでは足りない。
高価でハイグレードなオイルにするだけでも足りない。
エンジンオイル量の日常点検が欠かせません。
バイクは、手を掛ければ掛けただけ答えてくれます。
気持ちよくフケ上がるエンジンで走り出せば、また1つ、バイクが好きになる。
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