バイク保険には、色々な特約があります。
どの特約も付加するに越した事は無いけれど、その分保険料が上がります。
色んな特約があって
どれを選べば良いのか解らない!
そんな疑問を解消します。
最低限これだけはつけたい特約は、 弁護士費用特約と対物超過特約です。
対物超過特約は無い保険会社も有りますが、あればつけるべき。
両方つけても、年間2,000円程度の保険料増です。つけない理由が無い。
- 弁護士費用特約
車に弁護士特約が付いている場合はバイクにも適用されるのでつける必要なし。そうでなければ、元は取れるのでつけるべき。 - 対物超過特約
対物超過分を払う義務は無いが、こじれると面倒なのでつけるべき
こんな内容を知って、スッキリしよう。
お金の話なので、チョット面倒で難しいかもしれない。
でも大事な話なので、読んで欲しい。
特約の種類と、本当に必要でつけるべきおすすめの特約
面倒な話は、勘弁!
そう思うのであれば、
『弁護士費用特約と対物超過特約』はつけた方が得。
これだけ覚えて貰えばOK。
バイク保険の特約には、以下のように沢山の種類があり、どれを選ぶべきか迷いいます。
チューリッヒには、他社には無い特約が多く有ります。
『車両保障』と『他人のバイクを運転した時のための補償』は、友達のバイクに乗る機会が多かったり、高価なバイクに乗っている人は、検討してみる価値が有ります。
チューリッヒ | 三井ダイレクト | アクサ | |
弁護士費用特約 | 〇 | 〇 | 〇 |
傷害特約 | 〇 | ✖ | ✖ |
自転車賠償特約 | ✖ | 〇 | ✖ |
携行品特約 | 〇 | ✖ | ✖ |
対物超過特約 | 〇 | 〇 | ✖ |
盗難時の臨時費用特約 | 〇 | ✖ | ✖ |
他人のバイクを運転した時のための補償 | 〇 | ✖ | ✖ |
地震等による死亡一時金特約 | 〇 | ✖ | ✖ |
車両補償 | 〇 | ✖ | ✖ |
- 弁護士費用特約 : 相手方との交渉を弁護士に依頼されたとき等に必要となる弁護士費用や訴訟費用等の損害を補償
保険会社は、なるべく保険金を払いたくないので、少額でまとめようとします。
そんなとき、弁護士に丸投げすると、保険金が数倍になることもある。 - 傷害特約 :契約のバイクに乗っていない時の本人のケガを補償
- 自転車賠償特約 : 自転車を運転しているときに生じた事故により、他人を死傷させてしまったり、他人の物を壊してしまったときに保障
- 携行品特約 :偶然の事故により、外出中の記名被保険者が携行している身の回り品に生じた損害を補償
- 対物超過特約:相手方の車に時価額を超える修理費用が発生したときの補償
相手の車が古いと、時価が10万しか無いこともある。
全損で10万だと、揉める - 盗難時の臨時費用特約 :バイクが盗難にあったときの補償。警察に届け出た場合に、5万円をお支払い
- 他人のバイクを運転した時のための補償: ご契約中のバイク保険で事故の損害をカバーできる補償
- 地震等による死亡一時金特約:地震・噴火・津波によって被保険者が亡くなった場合に補償
- 車両保障特約: 時価額の経年減価に関わらず、ご契約の保険金額を限度に車両保険金をお支払い
弁護士特約をつけるべき理由
- 1億2615万人 令和元年12月推定値での日本の人口 総務省統計局
- 529378人 平成30年中の交通事故 死傷者数 独立行政法人統計センター
1年間に交通事故で死傷する確率は、 529378人 / 1億2615万人 =0.420% です。
バイクに50年乗るとすると、50年間に死傷事故に1度でも遭う確率は19%
1 – (1 – 0.420%)^50 = 19%
5人に1人は死傷事故に巻き込まれます。
5人家族なら誰かは必ず巻き込まれる確率です。
自分は死傷事故に遭う事は無いという、根拠のない自信を持ってたりしませんか?
死傷事故に遭ったら、納得できる損害賠償をしてもらえると思ってませんか?
そんなとき、弁護士特約があると安心です。
- バイク保険会社が提示してくる損害賠償額は低い
- 弁護士費用は高い
- 弁護士特約は、高くない
- 弁護士特約の費用効果は高い
1.バイク保険会社が提示してくる損害賠償額は低い
交通事故の保障金の基準には、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準の3つがあります。
- 自賠責基準は、自賠責保険で決められている賠償額
- 任意保険基準は、任意保険会社が独自に算出する補償額
- 裁判基準 は、 交通事故の裁判の判例から導かれる基準
『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』 日弁連交通事故相談センター
一般に自賠責基準が最も安く、裁判基準が最も高額になります。
任意保険基準は、保険会社が独自に算出しており詳細は明示されていせんが、裁判基準の50%程度です。
この50%程度の保障であなたが納得できれば問題有りません。
しかし、納得できない場合は裁判で決着をつけるしかありません。
裁判基準の50%程度という事は、仮に相手の保険会社が100万円を提示してきた場合、裁判をすると200万円になる可能性が有るという事です。
差額は100万円です。しかし、裁判には弁護士を雇う必要が有るので弁護士費用が発生します。
2.弁護士費用は高い
弁護士特約をつけていなかった場合、自分で上記弁護士費用を払う事になります。
100万円の損害賠償の場合
保険会社提示の100万円提示が納得できなくて弁護士を依頼したとします。
- 200万円に増額した場合
200万×10%+20万 = 40万円 が弁護士報酬となるため、手元には160万円残ります - 150万円に増額した場合
同様に35万円が が弁護士報酬となるため、手元には115万円残ります
いずれの場合も弁護士に依頼する事で、保険会社提示より多くの保障額を手に出来ます。
20万円の損害賠償の場合
保険会社提示の30万円提示が納得できなくて弁護士を依頼したとします。
- 40万円に増額した場合
40万×10%+20万 = 24万円 が弁護士報酬となるため、手元には16万円残ります - 30万円に増額した場合
同様に23万円が が弁護士報酬となるため、手元には7万円残ります。
このように少額な場合は弁護士に依頼すると手元に残るお金は却って減ってしまいます。
このため、損害賠償額が納得できなくても泣き寝入りするしかありません。
3.弁護士特約費用は安い
50年間弁護士特約をつけ続ける費用は、弁護士特約を約2,000円とすると10万円です。
2,000 × 50 = 10万円
10万円の価値がある特約であればつけるべき特約になります。
- 50年間に事故に巻き込まれる確率は19%
- 事故のとき、相手の保険会社が納得できる補償を提示してくる確率はほぼ0%
- 弁護士をつけた場合に増額する補償は10万円を超える場合が多い
弁護士特約には、10万円以上の効果があります。
4.弁護士特約の費用効果は高い
少額の損害賠償の場合は、弁護士に依頼すると赤字になります。
このため保険会社提示の金額に納得できなくても、泣き寝入りするしか有りません。
弁護士を自分で探してきて依頼する方法すら解りません。
弁護士に依頼するのはハードルは、高い。
しかし、弁護士特約をつけていれば、弁護士費用は全額補償( 300万を限度 )されるので泣き寝入りせずに済みます。
通常、経済的利益の10~20%が弁護士費用です。
300万円の弁護士費用が必要に成るのは、経済的利益が1500万~3,000万円。
弁護士費用が300万円を超える事はまずありません。
弁護士に依頼したことにより損害賠償額20万円が30万円になったとすれば、50年間の弁護士特約費用10万円が回収出来ます。
逆に、損害倍書額は20万円を超えることが多い。
50年分の弁護士特約10万円を超えるので、弁護士特約費用は容易に回収できる
- 賠償額が高額になるほど弁護士費用が高くなります
- 19%の発生確率は家族に適用を考えれば100%に近い発生確率です
一方、弁護士にとっても弁護士特約の仕事は、おいしい。
示談が決まれば必ず保険会社が報酬を支払ってくれるからです。
とりっぱぐれのない美味しい仕事なのです。
- 少額だから
- 自分にも落ち度があるから
関係有りません。
弁護士依頼をチュウチョする必要は何も有りません。
納得できない損害賠償に悶々とする心配と比べれば、弁護士特約の保険料は微々たるものです。
むしろ弁護士特約の保険料は回収できる可能性の方が高い。
自分の過失割合が0%だと保険会社は何もしてくれない
信号待ち中に追突されたりした場合は、あなたの過失割合は0%です。
過失割合は0%の場合は、補償でもめても保険会社は何もしてくれません。
誰も助けてくれません。
加害者や加害者の保険会社を相手に、あなたが全てを処理しなければなりません。
あなたに過失がない場合は、保険会社が支払う賠償金が無いので示談交渉を代行出来ないのです。
(弁護士法第72条)
しかし、弁護士特約があれば保険会社が代行する代りに、弁護士が代行してくれるのです。
弁護士特約は家族も保障の範囲
車の任意保険に弁護士特約が付いていればバイクにも適用されます。
バイク任意保険では重複するので弁護士特約は不要です。
また、弁護士特約は契約者の家族の事故も保障範囲です。
家族が死傷事故に巻き込まれた場合も特約により弁護士費用が補償されます。
対物超過特約をつけるべき理由
相手方の車に時価額を超える修理費用が発生したときの補償です。
長い間乗っている車にぶつけた場合、修理費用が車の時価を超えることがあります。
修理費用と時価の差額を埋めるのが対物超過特約です。
対物超過特約は、和解までの心理的負担を軽減させる特約です
- 数百円/年と安い特約です
- 対物超過の費用を払う法的責任は無いが、示談交渉が長引くと重荷になります
対物超過特約のメリット
- 対物補償は時価しか保証しない
- 対物超過補償特約は時価を超えた修理費を補償
1.対物補償は時価しか保証しない
例えば、あなたが狭路からバイクで飛び出してしまい、広い道を走っていた車と衝突したとします。
- 車の修理費が50万円
- 車は古いため時価は30万円
修理費用が50万円掛かるとしても、あなたが入っている対物補償で相手に払われるのは時価の30万円が限度です。
あなたの過失割合が100%の場合で30万円です。
通常100%は有り得ないので実際に支払われる金額はもっと低くなります。
あなたの過失割合が60%なら、18万円しか出ません。
過失割合60%というのは、バイク相手だと一般的には車に非が無いように思える事故です。
バイクに乗っているあなたが、狭路から広い道に飛び出して車とぶつかった場合、バイクの過失割合は60%なのです。
車同士だと70%ですが、バイクが飛び出すとバイクの過失は60%しかないのです。
あなたが車側の立場ならどう思いますか。
車で走っていたら、狭い道からバイクが飛び出してきてぶつけられた。
修理費50万円なのに18万円しかもらえない。
納得できますか?
必ず、もめます。
2.対物超過補償特約は時価を超えた修理費を補償
飛び出してきたバイクにぶつけられて、修理費50万円に対し18万円しか貰えなかったら悲惨です。
もめるに決まってます。
法的には18万円を払えば問題有りません。
修理費用が時価を超えたのはあなたの責任では有りません。
しかし、相手が納得せずに和解が長引き心理的負担になります
そんな時に対物超過補償に入っていれば、50万円を限度に修理費と時価の差額が補償されます。
この場合は、修理費50万円の60%である30万円が相手に払われます。
修理費50万に対し30万円なので納得には遠いが、対物超過が無い場合の18万円に比べれば和解は近づきます。
対物超過補償特約は、50万円と無制限が選べる保険会社もあります
50万以上になることは、滅多に無いけど大した金額じゃないので無制限でもいい
例えば、30年以上前のビンテージカーにぶつけた場合。
時価は安いけど、乗ってる人は全損では納得しない。
特約を使っても翌年の保険料は上がらない
通常、バイク保険を使うと翌年の等級が下がって保険料は高くなります。
弁護士特約・対物超過特約を使っても、翌年の保険料は上がりません
弁護士特約・対物超過特約はノーカウントなので、翌年の等級に影響しません。
せっかく特約をつけたのなら、遠慮せずにガンガン使うべきです。
弁護士特約を使うと保険会社の持ち出しになるので保険会社は引き留めようとするかもしれません。
気にする必要はありません。
ガンガン使おう!
バイク保険会社によって、掛け金は違う
同じ保障内容、同じ特約でもにバイク保険会社によって、掛け金は違います。
バイク保険会社によって、リスクの考え方が違うためです。
各保険会社ともに、毎年掛け金の見直しをしています。
今年は今の保険会社が最安だったとしても、来年は違う可能性は有ります。
しかしバイク保険会社サイトにそれぞれ条件を入力し、同じ補償にして保険料を比べるのは大変面倒です。
『面倒だから去年と同じでいいや!! 』では、勿体なさすぎます。
こういった比較サイトを利用すれば、1社分の手間で大手保険会社の条件を比べられます。
比較サイトなので特定の保険を勧められることも有りません。
無料で簡単に安い保険会社が見つかり、保険料を節約できます 。
バイク保険でおすすめな特約 まとめ
最低限必要な特約は、 弁護士費用特約と対物超過特約です
- 弁護士費用特約は、自分が納得できない時に有効です
過失割合0%だと保険会社は何もしてくれない
補償額が納得できなくても弁護士費用が高く泣き寝入りになる
弁護士特約は約2,000円/年 - 対物超過特約は、相手が納得できない時に有効です
対物は修理費用が時価を上回ったら時価までしか保証しない
相手は修理代を貰えないの納得しない
対物超過特約は数百円/年
いずれも事故の負担を軽減させることが出来ます。
特約料金のでコスパも良いのでつけて損は無い。
特約を使っても翌年の保険料が上がる事は有りません。
遠慮せずにどんどん使おう。
交通事故は、いくら自分が注意していても避けられないこともあります。
事故に巻き込まれた時の金銭的負担、時間的負担、心理的負担は大きい。
負担を軽減するために弁護士費用特約と対物超過特約を是非検討してみて下さい。
人に対する優しさは日本の美徳ですが、主張すべき時はあります
守るべきもののために
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