ペダル付きの電動バイク『電動モペット』が、
初めて道路交通法上の『自転車扱い』されることになりました。
- 電動走行中は、原付バイク
- ペダル走行中は、自転車扱い
自転車扱いなので、ペダル走行中は歩道も走れます。
市街地までは原付モードで移動して、
街中では自転車モードで気楽に散策
なんて使い方が出来る
『自転車モード付きペダル付きの電動バイク』
がglafitから発売されます。
電動バイクの1つの形として、定着するのか期待して見守ろう。
2021年7月
モペットの自転車モードがようやく解禁されました。
電動バイクの電源を切るとナンバーが自動的に隠れる機構を付ければ、自転車として走れます。
- 警察庁通達『車両区分を変化させることができるモビリティ』について』
- glafit公式のプレスリリース
『ハイブリッドバイクGFRは、「車両区分を変化させることができるモビリティ」の日本初の車体(第1号案件)に!』
GFR-02の概要
スペック
- ¥198,000税込
- 最高速度 30km/h
- 出力 0.25kw
- 走行距離 約25km
- 充電時間 約3.5時間
コミューター的な使い方になりますね。
運用規制
- ナンバー登録必須
- 自賠責保険加入必須
- ヘルメット着用必須
- 運転免許証の携帯必須
後日発売される、自転車モード切替機構『モビチェン』を使えば自転車扱い可能。
当然、バイク保険かファミリーバイク特約に入った方がいい。
従来のペダル付きバイクに対する扱い
ペダル付きのバイクは昔からあり、海外では『モペット』とよばれています。
自転車とバイクの2面を持つのがモペット
普段は50cc程度のエンジンで走行するけれど、
エンジンを切って自転車のようにペダルを漕いでも走れます。
日本では1950年代まで『パタパタ』と呼ばれて普及していたけれど、
1960年の道路交通法で原付バイク扱いになったことでメリットが無くなったたため失速した。
そして、最期はスーパーカブに止めを刺され、とって代わられました。
その後、海外からの輸入などによる少量販売は続いてますが、
原付扱いのため、気軽に乗れるモペットのメリットが無い状態が続いてた。
モペットは、ペダルを漕いでいても『原付』
警察庁から、モペットの扱いについて、理不尽だけど
ペダルを漕いで走っていても、原付扱い
との見解も出てました。
「ペダル付きの原動機付自転車」は、原動機により走行することができるだけで
なく、ペダルを用いて人の力のみによって走行させることもできる構造ですが、い
ずれの方法で走行させる場合もペダル付きの原動機付自転車の本来の用い方に当た
ることから、「ペダル付きの原動機付自転車」をペダルを用いて人の力のみによっ
て走行させる場合も、原動機付自転車の「運転」に該当します。
警察庁
⇒「ペダル付きの原動機付自転車」の取扱いについて 平成17年3月
電動アシスト自転車と電動モペットの違い
電動アシスト自転車と電動モペットは似て非なるもの。
違いは2つ。
- 自走する・しない
- 2人乗り出来る・出来ない
1.自走する・しない
電動アシスト自転車は、道路交通法施行規則第1条の3で規定されてます。
電動アシスト自転車は
あくまで『アシスト』で、時速24kmまでしかアシストしない。
モペットは自走するけど、電動アシスト自転車は『アシスト』なのです。
モペットは自走するけど、
電動アシスト自転車は『アシスト』、自走はしない
この違いによりモペットは、
ナンバー・税金・ヘルメットという重荷を背負ってます
その割にメリットが少ないのでモペットは勝負にならない。
それに、電動アシスト自転車は子供を乗せて2人乗りが出来る。
2.2人乗り出来る・出来ない
モペットは1人乗りだけど
電動アシスト自転車は子供が乗せられる
原付一種モペットに子供を乗せて2人乗りは出来ません。
これも大きいけれど、今回この部分の改正は有りません。
今回、電動モペットのペダル走行時は自転車扱いが可能になる道が開けました。
⇒ プレスリリース
これにより、モペットの認知が進むと嬉しい。
モペットの自転車モード切替方法、自転車モードのメリット
今回の規制緩和は、
電動バイクモードと
自転車モードの区別が
外見で容易に区別がつくこと
が条件!
自転車モードだとパッと見で解るようにすれば、自転車扱いして貰える。
自転車モードに見せかけて、電動で走るズルが出来ない機構を付ける必要もあります。
自転車モードの切替方法
- 電動モードと自転車モードの切替は停車中のみ可能
- 自転車モード中は、ナンバープレートにカバーを付ける
- 利用者が改造できないようにする
ナンバーが隠れる事で、ペダル走行中か否かは簡単に区別がつきます。
これにより、規制緩和の条件クリアして電動バイクと自転車の切替が許されることが決まった。
自転車扱いのメリット
自力走行中は、道路交通法上の『自転車扱い』になる。
容易に想定できるメリットは2つ
- 幹線道での危険回避で歩道を走れる
- 市街地・観光地での散策
1.幹線道での危険回避
自転車モードでは、歩道が走れる
ただでさえ、車道を30km/hで走る原一は交通インフラにそぐわない。
流れの速い幹線道では、走る原一も追い抜く車も危険な思いをしています。
今回の規制緩和でモペットは、自転車レーン・歩道を走ることが出来るようになる。
危険な場所を回避出来るのは、大きなメリットです。
2.市街地・観光地での散策
市街地や観光スポットまでは電動モードで距離を稼いで、
目的のスポットでは、自転車モードで気楽に散策できるようになります。
ペダル走行中は自転車扱いなので、日々の買い物も楽に出来るし観光の効率もイイ。
距離を稼ぐのと、気楽に乗れる、2つのハイブリッドな楽しみ方が出来るのはメリットです。
規制緩和の背景
近い将来、EV化の波が来るのは明らかです。
バイクも例外ではない。
既に、中国をはじめ電動バイクに舵を切った国は多い。
このままでは、日本の4大バイクメーカの衰退は避けられない。
また、原付一種の30km/h制限の矛盾も捨て置けない状況です。
これらの要因があり、EV対応の一つとして規制緩和されたと思われます。
サンドボックス制度
今回の規制緩和の検討は、『サンドボックス制度』を使って行われたそうです。
サンドボックス制度
従来法により技術革新が阻害されないようにするのが、サンドボックス制度。
一時的に法規制を緩和する制度です。
目的は、新技術の開発を加速させることです。
ドローンや自動運転など、想定されていなかった技術が現実になろうとしてます
しかし、従来の法規制は、これらの新技術を考慮されてません。
例えば自動運転の実験をやろうとしても、道路交通法の制限で出来ません
サンドボックス制度は、一時的に規制緩和して実証実験を行えるようにする制度です。
サンドボックスは砂場。
砂でカタチを作るような自由な発想を促進する意味。
地域限定・期間限定でペダル付きの電動バイクの自転車扱いを認め、
その効果と周りへの影響を実験したそうです。
その結果、有効性が認められ自転車扱いの規制緩和が実現しました。
今後の規制緩和に望むこと
ペダル付きの電動バイクの自転車扱いは、スタートに過ぎません。
バイクのEV化には、解決すべき課題はまだまだあります。
免許制度の簡素化だったり、車検制度の見直しなどは避けて通れない。
例えば、モペットの自転車モード時は、『アシスト』が許されてません。
自転車扱いするなら、アシスト自転車扱いにならないの?
モペットが規制緩和で、ペダルを漕いでる時は自転車扱いに まとめ
ペダル付きの電動バイクの自転車扱いに対応したバイクは、近々に出てくる。
そのバイクの成功を願うばかりです。
ライバルのアシスト自転車も進化しているので、巨人との戦いになるのは仕方ない。
アシスト自転車には、3種の神器があります。
- ヘルメットレス
- ナンバーレス(無税)
- 2人乗り(子乗せ)
この強力な3種の神器を相手に、何処まで戦えるのか?
以外と、EVモードの航続距離がキモかも。
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