PCXは、125ccクラスで最も人気なバイクの1つです。
125ccクラスが気になる人は、バイクの楽しさとともに、コスパも気になる人が多い。
コスパの代表的な指標が、『燃費』!
PCXの実燃費って
どれくらいなんだろう?
カタログ燃費じゃなくて、実際は?
そんな疑問を解消します。
4代目PCX(JK05)の燃費は、46km/L ほど
大柄な125ccスクーターとしては優秀だけど、先代のPCXの方が燃費はいい
環境対策のためなので、致し方ない
燃費運転をするなら、方法は6つ
- 丁寧なアクセル操作
- 暖機は2,3分
- エアクリーナーの交換
- 空気圧の調整
- バッテリー交換
- ラゲッジボックスの整理
こんな内容を知って、スッキリしよう。
- 3代目PCX150(KF30)に2年3万Km
- 4代目PCX125(JK06)に2年2万Km
実際に4年5万Km以上、PCXに乗って収集した実燃費が元データです。
これにSNSの生の声を合わせてた値です。
PCXは、選んだ人たちの期待にかなう燃費を出せているのか?
モデルチェンジで燃費が悪くなったのは残念だけど、環境も大事だからね!
ユーザーの期待に答えられているからこそ、PCXは売れ続けている。
PCXの実燃費は?【JF81とJK05の差、125と150の差】
いきなり結論を言ってしまえば、
実燃費 | 3代目PCX | 4代目PCX |
125cc | 51km/L (JF81) | 46km/L (JK05) |
150/160cc | 48km/L (KF30) | 43km/L (KF47) |
注)全ての条件を網羅した値ではありません
- 夏はこの値より燃費が良くなり、冬は悪くなります
- 街乗りが多いと燃費が悪くなります
- 急の付く操作をすると燃費が悪くなります
-
125cc(JK05)とハイブリッド(JK06)に燃費差は無いのでまとめてる
-
体重により燃費は多少前後します
チョッと但し書きが多くてアレなのは、乗り方で燃費は大きく変わってしまうから。
体重やチョイ乗りの頻度、加減速のクセで、3~4km/Lくらいは簡単に変わる。
ちなみに、カタログスペックは、以下となってます。
カタログ燃費(WMTCモード値) | 3代目PCX | 4代目PCX |
125cc | 50.7km/L (JF81) | 48.8km/L (JK05) |
150/160cc | 46km/L (KF30) | 43.7km/L (KF47) |
カタログ燃費(60km/h定地燃費) | 3代目PCX | 4代目PCX |
125cc | 54.6km/L (JF81) | 55.0km/L (JK05) |
150/160cc | 52.9km/L (KF30) | 53.5km/L (KF47) |
カタログスペックで3代目・4代目を比べると
- WMTCモード値は5%ほどの低下
- 60km/h定地燃費は、同等
実燃費で3代目・4代目を比べると
125・160ともに10%以上悪くなってます
SNSで情報を漁ると、同じような数字が支配的です。
燃費が良くなったという人は皆無で
中には30%も燃費が悪くなったという人もいます。
燃費以外の調子が悪くなったのなら
なぜ、PCXの燃費は悪くなったのか?
先代のPCXとカタログスペックを比べると、
- WMTCモードのカタログ値は、5%悪くなった
- 60km/h定地燃費は、変わらない
一方、実燃費は、10%以上悪くなった。
この差は、なぜなのでしょう?
加速時の負荷が大きくなっている
エンジンの排ガスをクリーンにするためには、ガソリンと空気を理想的な割合で混合させる必要があります。
しかし、加速・巡行・減速、全ての状態で理想的な割合を維持する訳じゃない。
- 加速:ガソリンを多めにして、パワーを引き出す
- 巡行:ガソリンを薄めにして、よりクリーンな排気にする
加速時は燃費が悪くて、巡行時は燃費が良いという、当たり前のことです。
先代のPCXに比べ、この加速時の燃費が悪くなってると思われます。
先代のPCXより、より環境対策の縛りが大きいのが重荷になってる。
車のデータになりますが、走行パターン別の燃料消費のデータになります。
発進加速時の燃料消費が38%と大きくなってます。
さらに、停止時の燃料消費が19%。
これはエンジンを掛けたまま、ムダなアイドリングで浪費されている分。
自戒したいですね。
PCXの燃費を良くする6つの方法
3代目に比べると燃費は悪くなったけれど、125ccクラスでトップレベルなのは変わりません。
しかし、さらに上を狙うのであれば、方法はあります。
- 丁寧なアクセル操作
- 暖機は2,3分
- エアクリーナーの交換
- 空気圧の調整
- バッテリー交換
- ラゲッジボックスの整理
1.丁寧なアクセル操作
0発進は、ゆっくりと
かと言ってダラダラ加速せず、メリハリを
当たり前だけど、急発進・急ブレーキは燃費がガタ落ちする。
燃費ばかり気にするのも本末転倒だけど、効率の良い走りはカッコいい。
0発進の最初の1歩はゆっくりと動き出し、
その後はメリハリ付けて、一気に巡航速度に持って行きたい。
加速状態が一番燃費が悪いので、ダラダラ加速しつづけるのも燃費が悪くなる要因です。
2.暖機は2,3分
発進して直ぐに全快走行しないのなら
冬の朝でも、2,3分の暖気運転で十分です
冬の朝に、10分以上も暖気運転してませんか?
1,2分暖気してオイルが各部に行き渡れば、もう十分です。
暖気が必要なのは、エンジンだけじゃない。
サスや駆動系を暖気するために、1,2分したらソロソロと動き出しバイク全体を暖気してやろう。
10分ほど動きながら暖気すれば、バイクも心地よく目覚めてくれる。
3.エアクリーナーの交換
フレッシュな空気が足りないと、理想の燃焼が出来ない
パワーが出ないので、燃費が悪くなる
エアクリーナーを定期交換してますか?
汚れが詰まってしまったエアクリーナーは、必要な空気をエンジンに送り込めない。
理想的な燃焼が出来ないと、必要なパワーが出ないのでもっとガソリンを噴射するしかない。
結果的にエアクリーナーが詰まると、燃費が悪くなります。
エアクリーナーの交換周期は、2年ほどです。
あなたのバイクは、交換して2年未満ですか?
エアクリーナーの交換方法は、ココ
4.空気圧の調整
最後にタイヤに空気を入れたのは、いつ?
タイヤの指定空気圧は、いくつ?
タイヤの空気圧は、一回入れたら一生ものなんて思ってないですよね?
独立行政法人国民生活センターによると、空気圧が30%減っても外観では解らないそうです。
しかし、20%減るとタイヤがたわみ、摩擦力が増えて燃費が悪くなるとともに、グリップも悪くなる。
乗り比べれると違いは明らかだけど、日々少しづつへんかするので気づきにくい。
1か月に約5~10%はタイヤの空気は抜けていきます。
つまり、最期に適正空気圧にしてから2ヶ月も立てば、空気圧不足で燃費が悪くなる。
ガソリンスタンドの車用の空気入れは、バイクには合わないことが多い。
電動空気入れが、手軽でおすすめです。
せっかく買うなら、怪しい中華じゃなく、『マキタ』!
5.バッテリー交換
PCXは、バッテリーが劣化するとアイドルストップしません
信号待ちで、ずっとエンジンが動いてる
赤信号で止まると、スッとエンジンが止まるのがPCXの良い所。
信号待ちの間、振動疲れ・音疲れしなくて済みます。
しかし、バッテリーが劣化するとアイドルストップしません。
青信号で、エンジンが再スタート出来なるかもしれないためです。
当然、燃費は悪くなる。
バッテリーの寿命は2,3年。
バッテリーについて詳しく
6.ラゲッジボックスの整理
ラゲッジボックスの整理してますか?
要らないものは取り出そう
ラゲッジボックスに、普段使いしない荷物を入れっ放してませんか?
- 飲まずに入れっ放しのペットボトル
- 洗車用品
- ロングツーリング用の荷物入れ
僅かな重量だと思うかもしれないけれど、確実に燃費に効きます。
スペースが開けば、ツーリングで気になったものを躊躇せずに手に入れられる。
他にも対策はある
WMTCモード値、60km/h定地燃費って何? どう測ってるの?
3代目PCXと4代目PCXの相対比較だけでも良いのだけれど、
せっかくだから、指標となるWMTCモード値、60km/h定地燃費について、知っておこう。
それぞれ、
- WMTCモード値:実使用を模擬した走行パターンでの燃費だろうな
- 60km/h定地燃費:60km/hで走り続けた時の燃費だろうな
こんなイメージをもたれてると思います。
おおよそ合ってるけど、実際にどう測ってるかは分かってないはず。
WMTCモード値って何?どう測ってるの?
2012年に日本導入された、二輪車の走行実体に近い排出ガス試験方法の国際的な統一基準
この試験方法では、排ガスだけでなく燃費を計算する方法も規定されている
WMTCモードでの走行モードは、各国における実際の走行実体調査データをもとに作られてます。
走行モードはバイクの排気量・最高速度によって、3クラス(サブクラスを含めると5クラス)に分けられてます。
該当するクラスの走行モードを台上(シャーシダイナモ)で走り、排出されるガスを測定します。
測定して得られた排ガスのデータから、燃料使用量を計算したのがWMTCモード値。
実際に道を走って測定すると路面状況が風などの外乱影響が大きいので、台上(シャーシダイナモ)で測定。
だから個人でWMTCモード値を測定するのは、ムリ。
あなたの日常的な走行パターンは、この走行パターンと比べてどうでしょうか?
走行パターンは、日本のことだけを考えて作られていません。
世界標準なので、日本にとってはチョッと条件が良すぎるかもしれない。
日本はもっと、STOP and GO が多い気がします。
最高速度ももっと低い。
だから実走行ではWMTCモード値に及ばないことが多い。
停止頻度が多かったり、最高速が高かったりすれば、WMTCモード値に及ばなくなってくる。
逆に停止頻度が少なくて、一定速度で走る状態が多ければ、WMTCモード値を超えて来る。
PCXのWMTCクラス
- PCX125は、クラス1
- PCX160は、クラス2-1
WMTCモード値を同列に比べることは出来ない
PCX125とPCX160は、WMTCモード値を測るときのクラスが違います。
- PCX125(クラス1)
Max50km/hの市街地モードのみ - PCX160(クラス2-1)
前半市街地モード、後半はMax80km/hの郊外モード
走行パターンが違うので、WMTCモード値を同列に比べることは出来ない。
ま、参考にはなるけどね。
125と160のバイク保険の差は、ココ
60km/h定地燃費て何?どう測ってるの?
実際に平坦な直線道路を60km/hで走って計測した燃費
- WMTCモード値は、メーカの自主取組み
- 60km/h定地燃費は、法的に届出が必要
60km/h定地燃費は、二輪車メーカが国土交通省に届け出た値。
2人乗り可能なバイクは、2人乗り状態で60km/hで実際に走行して算出します。
60km/h定地燃費は法的に届出が必要な燃費けど、実際の使用状況とはかけ離れているので参考にし難い。
このため、メーカの自主取組としてWMTCモード値の表示がされるようになりました。
燃費測定条件
- WMTCモード値:1人乗りで測定
- 60km/h定地燃費:2人乗りで測定
バイクの搭乗員の体重とばいくの重量比は、車に比べて小さい。
このため、1人乗り・2人乗りで燃費が大きく変わります。
だから、乗員数の点でもWMTCモード値と60km/h定地燃費は同列には語れない。
もちろん定値走行の方が良い値が出ます。
さらに1人乗りで田舎道をトコトコ走れば、60km/h定地燃費を超えるのは難しくない。
PCXの実燃費は?【JF81とJK05の差、125と150の差】 まとめ
今後も環境基準は厳しくなる一方です。
対策部品を付けるため、バイクの燃費は悪くなるばかり。
燃費だけを考えれば、環境に良いのか悪いのかわからない部分もあります。
高燃費が売りのPCXだけど、避けて通れません。
自分でできる部分は努力して、PCXの燃費を取り戻しましょう。
いづれ、エンジンがEVにとってかわられるその日まで。
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