たぶん25年ぶりのバイク復帰。
バイク復帰が、バイクスクールに参加した年のことなのか、中古バイクを買って自分のバイクを所有した年のことなのか。
年々、正確な数字がわからなくなる。
バイクに乗らなかった年月が長いだけでなく、厄介なことに、ペーパードライバーの期間も長いので、公道走行にも自信が無い。
あの日、よくもレンタルバイクにたったひとりで乗ろうとしたものだと、今でも思い出すと怖くなる。
しかし、なんとかなったからこそ、今がある。
当然のことながら、愛車を迎えてから公道へ走り出すにも、かなりの勇気が必要だった。
そのあたりのことは、すでに過去記事があるので、お読み頂けたら嬉しいです。
今回は、そんな私が、何を基準に慣らしの道を選んだかについて、思い出してみたいと思う。
自分に合った道、まだ出会っていない道

走る前に理想として考えた道
ぶっちゃけ、どこまでも真っ直ぐな空いてる道ということだ。
地方都市の街なかに住む私にとって、そんな道はどこにある?
あるとしても、街をかなり離れるまでそんな道は無いのでは?
主要道路【西道路】は、自分に合わない?

紙の地図をざっと見る。
パソコンでグーグルマップを拡大縮小して見る。
せっかくだからと、いつか行きたかった場所に通じる道をたどってみる。
そうやって選んだ道が、今までいくつか紹介した道でもある。
とりあえず、車やバイクがあったら行きたいなあと思っていた、温泉へ行くことにした。
第1回目のツーリングは、国道48号線経由、作並温泉へ。
バイク女子時代、山形の友人に会うため、日本海の夕陽を見るために何度も走った48号線。
今の仙台には、西道路という、山形方面、東北自動車道方面へアクセスする主要道路がある。
まるで首都高の一部かのような、いくつものトンネルと橋を繋げた道。
主要道路とあって車の量も多く、スピードも速い。道幅も広いわけではなく、自然光と照明の明暗を繰り返すワインディングでもある。
よって、スリルはあるかもしれないが、安全に気持ちよく走れる道とは言い難い。街の中心部からいち早く抜け出して、西へ向かうには、最適な道なのだが。
しかし、バイクの場合逃げ道が無いので、何かあったらと考えると、わたし的には走らないのが無難と思える。というわけで、まだ一度も走った事がない。
10数年前に舞い戻った故郷には、バイク女子だった頃の記憶をたどっても、思い出せない道が多い。
それもそのはず、この数十年の間に新しい道が増え、整備が進んでいたのだ。苦手だと思っていた道が、気のせいか気持ちの良い、走りやすい道に感じられる。後で聞くと、かなり整備が進んで今があるとのこと。
のどかな県道【県道31号~県道55号】は、自分に合った道かも

西道路の話が長くなったが、そういうわけで私は最短ルートを避けて、県道31号線から48号線へアクセスするルートを選んだ。
街なかを通って大崎八幡宮を過ぎ、広瀬川を見下ろす、山に沿ったワインディングロード。
片側一車線のその道は、地元民の抜け道なのか、西道路の迂回ルートなのか、空いてはいても、飛ばす車が多い。
ゆっくりマイペースで走れれば、けっこう良い道だと思うのだが。
山を抜けると、西道路=48号線から各方面へ分かれる複雑交差点がある。立体交差なのか、何なのか、地図を何度見てもどちらへ曲がれば良いのか分からない。
グーグルマップの航空写真で見ると、交差点の手前に魅力的な脇道をみつけた。県道55号線。途中までその道を走って行こう。
案の定、ところどころ緑のトンネルがあるような、道幅の狭いのどかな舗装路だった。
しかし、朝の通勤時間帯なのか、前からも後ろからも車がスピードを上げてくるからたまらない。
私がほぼ30年ぶりに舞い戻った地方都市は、車社会なのだ。どこへ行くにも車が中心だ。車が無いと行けない素敵な場所も多い。私がバイク復帰した理由のひとつでもある。
通勤時間帯には、街の中心部へ向かう車だけでなく、街から郊外へ向かう車も同じくらい多い。けっきょく、どこへ行くにも、車にあおられ、ハイスピードに合わせて走らないといけない箇所が必ずある。
しかし、20~30分もがんばって走ると、スーッと車の量が減る。そこからはマイペースだ。後から追い上げてくる車がいても、あっさり追い越させればすぐに自分の世界に戻れる。
のどかな県道には、酷道が多い

そうして、数か月、交通量が多くハイスピードで混乱の多いと思われる一桁国道を避け、二桁国道も出来る限り迂回。二桁県道、三桁県道、三桁国道を選んで出かけるようになった。
しかしである。それらマイナーな道路こそ、アップダウンと細かいワインディングを繰り返す、山の中を縫うように走る、けっこうな酷道が多いのだった。舗装しているだけましといえる、ほぼ林道的な道も多い。
交通量はいたって少ないが、たまに後ろから来る車も、前から来る車も、やはりスピードが出ているから、道にも走りにも慣れていない私はそのたびにびっくりする。
そんなこんなで、こりもせずに、バイクと自分、主に乗り手である自分を慣らす困難なショートツーリングを繰り返すのであった。
しかし、それらの道は自然が豊富で、朝靄の立つ谷川、木々の間から差し込む朝陽など美しい風景や、空気感の変化などを楽しませてくれるのだった。
主要道路も、意外と良いかも

そんな道を迷ったり戻ったり、何度も走るうちに「初心者が走りやすい道とは」の答えに達した。
一桁国道だ。
車線も多く、信号も多く、スピードも早い、交通量も多い。しかし、一車線めを欲張らず、ひたすら静かにゆっくりストップ&ゴーを繰り返していれば難なく目的地に着ける。渋滞の酷い時間帯さえ避ければ良いのだ。
その代わり、風景を楽しむ、そういうご褒美は少ない。
自分に合った道、まだ出会っていない道 まとめ

自分に合った道、まだ出会っていない道、そんな道を探すのもライダーの楽しみではある。
地図を見てひとりにやにやする気持ち悪い人種、それがライダーだ。
でも、今は違うのかな?
行き先と出発地点をセットして、画面に映し出されるルートに素直に従って楽に目的地に向かうのが現代のライダーなのかな?
併せて読みたい