50cc原付1種免許で、125ccまで乗れるような法改正が検討されてます。
今の流れでは、おそらく実施される見込み。
なぜ、125ccに拡大するの?
危なくない?
そもそも原1免許って必要?
そんな疑問を解消します。
- 原付免許で原付2種125ccまで乗れるようになる?
⇒50cc相当に出力制限された125ccに乗れるだけ - 改正理由は50ccが売れなくなったわけじゃない
⇒ 環境対策が50ccでは無理だから - 原付は邪魔だから無くした方がいい?
⇒ バイク乗りの1/2が必要としている
こんな内容を知って、スッキリしよう。
50cc原1免許で125cc原2まで乗れるというミスリードが多いけど、世の中そんなに甘くない。
そもそも、法改正の目的は規制緩和じゃない。
また、バイク乗りの中には、50cc原1を邪魔扱いして仲間と思わない人がいるのも確か。
無くした方がいいという声もあるけれど、必要とされているのでなくなりません。
50ccを必要としている人は、案外多い。
その人たちに、出力制限付き125ccはどう映るのだろう。
高価で大柄で、使い難いバイクなのだろうか?
50cc原付免許で125ccに乗れるの?【ならない】
原付1種50cc免許で
原付2種125ccまで乗れるようになる!
そんなミスリードなニュースが流れてるけど、世の中そんな甘くない。
50CC原付バイクを作るのが大変なので
これからは、50cc相当に出力制限した125ccバイクを使ってね
これだけの話です。
要は、125ccバイクの出力を絞って50ccの替わりにするだけ。
原付1種免許・原付2種免許は無くならない
排気量 | 年齢 | 免許取得期間 | 試験項目 | 免許取得費用 | |
原付1種免許 | 50cc以下 | 16歳以上 | 1日 | 学科のみ | 8,050円 |
原付2種免許 | 125cc以下 | 16歳以上 | 最短1週間 | 学科・実技 | 12万円 |
原付1種免許、原付2種免許を統合しようという話ではありません。
既得権益な免許の数を減らす訳がない。
原付1種の取得費用8,050円で2種免許を渡すはずがない。
単に、『50cc以下』を『50cc相当の出力』に変えるだけ。
125ccの出力
- PCX(125cc) :9.2kW
- リード(125cc) :8.3kW
- スーパーカブ(125cc) :7.2kW
50ccの出力
- ジャイロ(50cc):3.4kW
- ジョルノ(50cc):3.3kW
- スーパーカブ(50cc):2.7kW
『50cc相当の出力』は、おそらく4kWほどになる見込みです。
出力制限をエンジン回転数のリミッターを下げることで行うとすれば
加速の悪さ・最高速度ともに、現行から向上することは望めませんね。
エンジンが大きく重くなることで、
- 大きくて取り回しが悪い
- 維持費が高い
- 重くて燃費が悪い
却って残念な原付1種が出来上がってしまうかもしれない。
125ccの維持費は、ココ
原付を125ccに拡大する理由は、50ccが売れなくなったわけじゃない
なぜ、ここにきてこんな話が出て来たのか?
すぐに思いつくのは、
30km/h制限が時代に合わず
売れなくなったから?
- 30km/h制限
- 2段階右折
原付1種特有の規制が時代に合わないのは、バイク乗りの共通認識です。
でも、これが125cc化の理由じゃない。
125cc化しても、30km/h制限・2段階右折ともそのまま残る見込みです。
残念!
環境対策が50ccでは無理だから
- 排ガス規制
- 騒音規制
50ccではもう対応不可能
CO2を始めとする環境負荷物質の制限は、年々厳しくなる一方です。
基本的には50ccは日本国内専用モデルなので、欧米の環境規制には捕らわれません。
しかし、だからと言って無視できるほどコンプライアンスは緩くない。
排ガス規制、騒音規制に対応するには、
- ガソリンを薄くして燃やし
- 抜けの悪いマフラーで排気音を抑える
これしかない。
しかし誤解を恐れずに言えば、エンジンパワーは
- いかにたくさんのガソリンを単位時間に燃やし
- いかに排ガスを素早く放出するか
ここに掛かってます。
かつて2ストでガソリンをジャブジャブ使い、排気効率優先し大音量で走ってたバイク。
もうそんな時代じゃない。
50ccでこれ以上の環境対策はムリ
お金を掛ければできないことは無いが
100万円の50ccバイクを買いますか?
大型バイクは、750ccから1,000ccにして環境対策を行ってます。
同じ排気量で環境対策を行うのは、お金が掛かる。
排気量を上げて、環境対策によるパワーダウンを相殺させるのが手っ取り早い。
同じ発想で、
50ccでは無理なので、125ccにして余裕が出た分を環境対策に回そうという発想です。
既存の125ccまでOKにすれば
環境対策は簡単だよね?
免許の数は、利権の数。
原付免許で125ccまでOKにするけど、既存125ccと免許を統合する気はありません。
規制緩和する気は無さそう。
50cc原付は邪魔だから無くした方がいい?
バイク乗りだけでなく、車を運転する人も思ってる。
- 30km/h制限は、危ないからやめて欲しい
- 2段階右折は、紛らわしいのでやめて欲しい
50ccでは環境対策が出来ないのなら、もう廃止してしまうべきなのか?
原付は、もう止めてしまえば?
本当に、原付1種は、もう要らない規格だと思ってますか?
実際には
必要としている人は多い。
二輪車販売台数の推移 【1/3は50cc以下の原付】
一般社団法人 日本自動車工業会による日本の二輪車(50cc~大型)販売台数の年単位グラフです。
日本の新車販売台数の1/3は50cc以下
日本の二輪車販売台数は、80年代のバイクブームには200万台以上でした。
しかし、ここ10年は40万台前後に落ち着いてます。
50ccから大型バイクまで、全ての二輪車販売台数の1/3は原付です。
バイク乗りの1/3は、原付を必要としている。
10年前は約1/2が50cc以下でした。
その後、徐々に低下して来てはいます。
それでも、日本の二輪車販売台数の1/3は50cc以下です。
電動アシスト自転車の普及により低下して来てはいるが、50ccは無視できない需要を持ってます。
二輪車保有台数の推移 【1/2が50cc以下の原付】
一般社団法人 日本自動車工業会による日本の二輪車(50cc~大型)保有台数の年単位グラフです。
日本の二輪車保有台数の1/2は50cc以下
保有台数でみると、50ccの比率はもっと上がる。
日本にある二輪車の半分は、50cc以下です。
年々、比率は下がって来てはいるけど、2022年でも43%は50cc以下。
全てのバイクの半分は、50cc
これでも50cc原付はオワコン
不要と言える?
生活の足として活躍する50cc原付は、無くせない
一般社団法人 日本二輪車普及安全協会による、市区町における原付一種普及率です。
上位の市区町では、3世帯に1台は50cc原付を保有している。
地方都市において、50cc原付は生活の足として根付いてます
無くせない
都会なら電動アシスト自転車が代替になるけれど、距離を乗る地方都市では50cc原付は不可欠。
最近、車でもEV・電動自動車が出てきているけど、航続距離・充電設備の問題で地方ではまだまだ使えない。
同じように、電動アシスト自転車が50cc原付を駆逐するのは、都市部だけです。
アップダウンが多く、長距離移動する地方では、50cc原付が無くせない。
趣味でバイクに乗っている人にとって50cc原付は不要でも
生活の足として必要としている人がいる限り
50cc原付は、125cc出力制限原付となっても、必要とされる
50cc原付を125cc原付二種にまとめるのは無理
50cc原付を必要としている人は、
あえて125cc原付2種免許を取ってまで125ccに乗ろうとは思わない
- 免許取得が1日から1週間に伸びる
- 免許取得費用が1万円以下から10万円以上になる
- 学科試験のみかから、実技試験が必要になる
生活の足として50ccで満足しているのだから
125cc原付2種免許を取るメリットは、何1つありません。
125cc化による懸念
- 本体価格の高額化
- 維持費の高額化
- 大型化による足つき・取り回し悪化
これらが杞憂に終わることを願いたい。
普段使い出来るバイクも楽しい
原付免許が50ccから125ccに拡大!まとめ
原付免許が50ccから125ccに拡大される見込みだけど、あくまで50cc相当の出力制限された125ccになるだけ。
原付1種免許で、今の125ccに乗れるようになるわけじゃない。
だからと言って、意味のない改正ではありません。
今の50cc原付を必要としている人は多い。
あわせて読みたい