125cc原付2種(原2)スクーターで通勤する人が増えました。
車を売って原付2種に乗り換えれば、当然節約になります。
けれど休日の買い物雨の日の移動を考えると、車を手放すのは難しい。
車は維持したまま、
原2通勤に変えたら
どれくらい節約になるのだろう?
そんな疑問を解消します。
いきなり結論から言ってしまうと
車維持したままだと、車通勤を原付2種通勤に変えても節約になりません
理由は、原付2種の値段が高すぎるから
車のガソリン代が浮いたお金で、原付2種のコストは賄えません
原付2種の導入コストを回収するのに、膨大な時間が掛かる
けれど、バイクを休日のお楽しみとしても使うのなら
アッと言う間に回収できてしまう
こんな内容を知って、スッキリしよう。
節約目的で原2通勤に切り替えるのは、止めた方が良い。
最近の車は燃費が良いので、燃費差で原2購入費用を回収するのは難しい。
しかし、満員電車のストレスからは解放されます。
ストレス解消、ON/OFFスイッチ切替として
原2通勤は、おすすめ!
もちろん、事故には気を付けてね!
車通勤を125cc原付2種に変えても節約にならない理由 前提条件
朝晩の通勤時間に、原付2種が増えました。
- コロナ対策のため
- 通勤時間短種のため
- 節約のため
いろんな理由を聞くけれど、節約のためという声が大きい。
原2通勤にすると、本当に節約になるのか検証してみます。
命題)
プリウス/クラウンで通勤してる人が、PCX125通勤に変えると節約になるのか?
まずは、前提条件を決めます。
- 車は、50プリウス・220クラウンの2パターン
- 原2は、燃費の良いPCX
- 通勤距離は片道20km
- 車は維持したまま、PCXを購入する
- PCXの燃費は公称の80%
前提条件 | PCX125 | プリウス | クラウン |
カタログ燃費(km/L) | 50.7 | 37.2 | 16 |
実燃費係数 | 0.8 | 0.8 | 0.8 |
実燃費(km/L) | 40.56 | 29.76 | 12.8 |
オイル交換費用(円) 5,000km毎交換 |
1,000 | 4,000 | 6,000 |
タイヤ交換費用(円) | 10,000 1万km毎 |
40,000 4万km毎 |
60.000 4万km毎 |
バイク保険(円/年) ファミリーバイク特約 |
8,000 | 0 | 0 |
軽自動車税(円/年) | 2,400 | 0 | 0 |
車両購入費(円) | 350,000 | 0 | 0 |
前提条件 【車は維持したままで、車通勤から原2通勤へ】
車通勤者が 原2を追加購入して
原2通勤に切り替えた場合を想定します
都心に住んでいれば、車が無くても平気かもしれない。
けれど、地方では車無しは厳しい。
- 週末の買い出し
- 子供の習い事の送迎
- レジャー
- 雨の日の移動手段
車が無いと、身動きできません。
だから車は売らずに、通勤用に原2を購入することとします。
車と原2の燃費差で、
原2の導入費用はすぐにペイ出来るよね?
そんな目論見です。
前提条件 【通勤距離】
- 通勤片道20km
- 稼働日数20日/月
20×2×20 = 800km 月に800kmを通勤とします。
通勤距離が長いほど燃費の差が原付2種に有利なので、距離長めに設定。
マイカー通勤の平均通勤距離は、10.5km
国土交通省総合政策局 『交通基本法案検討小委員会 資料』を引用
国土交通書のデータによると、
マイカー通勤の平均距離は、10.5km
片道10.5kmが通勤距離の平均。
倍の片道20kmを通勤距離として、試算します。
高速道路を使って、50kmを通勤している猛者もいるかと思います。
しかし、片道20kmの通勤はかなり長めの設定です。
距離が長いほど車と原2の燃費差が効いてくるので、原2に有利な設定。
前提条件 【車に掛かる費用】
車を既に持ってる前提なので、車に掛かる費用は車通勤に掛かる費用のみ
- 車の購入費用
- 車の自動車税
- 車の保険料
これらは車を通勤に使う/使わないで不変のため考慮しない。
厳密には、車を通勤に使わないと車保険が安くなります
通勤用 ⇒ レジャー用
これにより、数千円保険料が安くなるけど無視
原2有利に設定。
前提条件 【原2ランニングコスト】
- 原2の燃費はカタログ燃費の80%で計算
- 原2の消耗品は安価なのもを使う
通勤時間帯のため、渋滞などもあるはずです。
燃費はカタログ燃費の8掛けで計算します。
オイル・タイヤは、一般的な金額で試算します。
点火プラグ、エアフィルター、ブレーキパッドなど交換頻度が低く安い部品は、無視。
125cc維持費の根拠はココ
初期費用については、ココ
125ccと150ccで悩んでるなら、ココ
車通勤を125cc原付2種に変えても節約にならない理由 【PCX・プリウス・クラウンの比較】
試算の前提条件をもう1度、確認しておきます。
この表が、前提条件。
前提条件 | PCX125 | プリウス | クラウン |
カタログ燃費(km/L) | 50.7 | 37.2 | 16 |
実燃費係数 | 0.8 | 0.8 | 0.8 |
実燃費(km/L) | 40.56 | 29.76 | 12.8 |
オイル交換費用(円) 5,000km毎交換 |
1,000 | 4,000 | 6,000 |
タイヤ交換費用(円) | 10,000 1万km毎 |
40,000 4万km毎 |
60.000 4万km毎 |
バイク保険(円/年) ファミリーバイク特約 |
8,000 | 0 | 0 |
軽自動車税(円/年) | 2,400 | 0 | 0 |
車両購入費(円) | 350,000 | 0 | 0 |
これを計算すると、どうなるのか?
車通勤を125cc原付2種に変える効果 【試算結果】
- PCXで通勤
- クラウンで通勤
- プリウスで通勤
3つの前提条件をEXCELにぶち込んだ結果グラフが、コレ!
- 横軸が通勤期間(月数)
- 縦軸が通勤手段別の積算コスト
コストの線が段付きになってるのは、オイル交換・タイヤ交換時期のためです。
PCXの初期値が35万円なのは、最初にPCXを購入する初期費用のためです。
このグラフを見て、どう思われますか?
車通勤を125cc原付2種に変えても節約にならない理由【回収はムリ】
原2を買って通勤しても、節約にはならない
燃費・維持費の差 <<< 原2の購入費用35万円
原2の購入資金を回収するのは、ほぼムリ!
原2の購入費用35万円を燃費・維持費の差で回収するには、気の遠くなる時間が掛かります。
- 燃費が悪いクラウン相手で、6年
- 燃費のいいプリウス相手なら、永遠に回収できない
雪の日、雨の日は車通勤するとすると、もっとムリ!
燃費が5km/L以下の車を持ってこないと勝負になりません。
試算に入れていない費用 ヘルメット・ウエア
原2に乗るための装備を入れると、もっと差が広がる
原付2種通勤のイニシャル費用として、車両購入費しか入れていません。
実際には、バイクに乗るための装備費用が必要です。
- ヘルメット 5万円
- 夏・冬ジャケット 3万円
- 夏。冬グローブ 2万円
- レインコート 1万円
これを含めるとクラウン相手ですら、初期費用が回収できません。
スーツで半ヘル通勤すれば、装備費用は抑えられるけどね!
原2の初期費用を改善する案
PCXをあきらめ、アドレス125にしても
大勢に影響は無い
原付2種のイニシャル費用が支配しているため、イニシャルの削減を検討します。
PCXを諦めて
通勤スペシャルなアドレスにしたら?
- PCX 35万円
- アドレス125 23万円
再計算すると、クラウンとの損益分岐点68ヶ月が50ヶ月になります。
アドレス125でも、4年以上掛かってやっとトントンです。
ならばと、『中古スクーター激安10万』を選べば?
⇒ すぐに動かなくなるに決まってる!
新車でも4年をオイル交換だけで走るか怪しいのに、激安10万の中古は無謀。
メンテ費用がかさみ、節約の夢が破れる。
激安バイクの仕組みは、ココ
車通勤を125cc原付2種に変えても節約にならない理由 【原2バイクの高騰】
125cc通勤しても回収できないのは
125ccバイクが高くなり過ぎだから!
- 原付2種が10万円そこそこで買えた時代なら節約になりました
- 車の燃費が悪かった時代なら、節約になりました
今の原付2種は車体が高すぎて節約になりません。
なぜ、125ccが10万円で買えなくなってしまったのか?
その理由は、環境対策です。
年々厳しくなる法規制
原付2種が高くなったのは、
排気ガス規制、騒音規制のため
規制対策費用は、小排気量バイクほど重くのしかかります。
- 高価な触媒を使ったマフラー
- 環境対策のためにパワーが削がれるエンジン
規制を通すための費用やパワーダウン割合は、大きなバイクも小さなバイクもそれほど変わりません。
リッターバイクだからと言って、マフラーの触媒が125ccの10倍になる訳じゃないからね。
小排気量車は、年々
値段は高く性能は低くなる
小さなバイクほど環境対策の負担割合が大きくなってしまいます。
10万のバイクに5万の環境対策部品を付けるのは、正しいこと?
それに、大型バイクには逃げ道があります。
大型バイクは環境対策のために失ったパワーを、排気量アップで取り戻せばいい。
900ccのバイクを1000ccにすれば失ったパワーを取り戻せます。
だけど125ccはその手が使えないのが痛い。
そもそも、900cc ⇒ 1,000ccは、環境に優しいの?
- ABS義務化
- EURO5
もう、原2を買って節約できる時代では無くなってしまいました。
バイクを節約して楽しむ方法はあります
ストレス発散のため、車通勤を125cc原付2種に変えるのはアリ
節約のため、車通勤を125ccに切り替えても効果はありません。
だけどストレス発散のため車通勤を125ccに切り替えるのは、効果絶大!
- 満員電車に揺られながら、汗が首筋を伝う
- 痴漢に間違われないよう、両手を上げ続ける
そんなガマンから解放されます。
125cc通勤のメリットは2つ。
- 通勤時間の短縮
- スイッチの切替
通勤時間の短縮
電車だと遠回りで、乗り換え時間もバカにならない
125ccバイク通勤なら、最短距離
学校・会社までの通学・通勤は、125ccバイクにすると総じて時間短縮となります。
電車で1時間だけど、125ccバイクなら30分というのは良くある話です。
電車の時刻表を気にする必要も無い。
朝の30分は貴重ですよね。
帰りに寄り道するのも、自由自在。
電車の時間を気にしながら残業する必要が無くなるのは、エンドレスで働くことにもなるので諸刃の剣かも。
とにかく、時間の制約から解放される自由は、直ぐに効果を得られる。
スイッチの切替
バイクがON/OFFの切替スイッチになる
気持ちを切り替えれば、生活にメリハリが出る
通勤電車は日常の延長です。
学校や会社でイヤなことがあっても、通勤電車はリセットしてくれない。
だけどバイクに乗れば、風と共にイヤなことは吹き飛んでしまう。
運転に集中していると、考えてるヒマなんて無い。
季節の移り変わりを感じることも出来るし、朝と夜の空気の違いも感じる。
頭で考えるのでは無く体で感じることは、ON/OFFの切替スイッチになります。
『明日は明日の風が吹く』
即効性のある、バイクの醍醐味ですね!
なぜ、バイクに乗るのかなんて考えるのも良い
車通勤を125cc原付2種に変えても節約にならない理由 まとめ
バイクの排気ガス規制、騒音規制、ABS義務化により、原付2種の価格は上がる一方です。
車維持前提だと、車通勤を原付2種通勤に変えても、
原付2種購入費用が回収できず節約にはなりません。
家族持ちにとって車を手放すのはハードルが高い。
都心に住んでいるならまだしも、地方では車が無いと不便なので必需品です。
原2を趣味として使うのは、楽しい。
気負わないし、コスパもいい。
だけど、実用として使うには、厳しい時代になりました。
排気ガス規制、騒音規制がリセットされるEV化に期待するしかないのだろうか?
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