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シーズン2 第5章:東北のローカル道をゆったりと走る、私らしく

シーズン2第5章 バイク女子

遠い夢だと思っていた再びバイクのある生活。

それが、実現した。

さて、どこへ行こうか。



東北のローカル道をゆったりと走る 秋保街道 別名二口街道

東北のローカル道をゆったりと走る 秋保街道 別名二口街道

バイクを買ったら北海道を旅しよう、とか、具体的な夢は無かった。

ほんのささやかな目標というか、希望というか、実現可能な目標として抱いていたのは、近場の、温泉街のある道を何度も走ることだった。

レンタルセローで、たまたま運良く桜の季節に走って感動した秋保街道(あきうかいどう)、別名二口街道(ふたくちかいどう)。

その途中にある秋保温泉は、泉質も単純温泉で強い特徴が無く、温泉地としてはパッとしない、そんな印象を漠然と抱いていた。

しかし、バイクで走るその道は、とても素敵だった。




秋保温泉を超えて


大きな観光旅館、ホテルが中心の秋保温泉は、忘年会や歓送迎会が大々的に行われていた時代が去り、賑わいを失いつつあるように感じていた。

しかし、小洒落たカフェや、飲食店、ワイナリーやブルワリーがジワジワと増え、新しい観光地として生まれ変わりつつある。

日帰り温泉で集客している宿も、いくつもある。経営者が変更になった宿も少なくない。





自由にゆったりと、景色に溶け込んで走る

自由にゆったりと、景色に溶け込んで走る

温泉街を過ぎると長閑な田舎道が続く。

いくつかの小さな谷や峠を超え、小さな集落を繋いで山へ向かって行く。お隣の山形県との境にある山々だ。

そして、たいてい道は空いている。制限速度40kmから30km。住宅のある集落を通過するあたりが、30km制限だ。



私は距離ガバでも、スピード凶でもない。

制限とか、規則が無ければ、概ね30kmから60kmくらいでトロトロと、景色の中に素敵な何かを探しながら走るのが好きだ。


バイク乗りと言っても、ライダーごとに乗り方や走り方の好みは違う。

そんなのバイク乗りの走りじゃないと否定的な意見もたくさんあるだろう。

後ろから煽られるのも大嫌いだ。



他者に惑わされるのは、こりごり

誰か知らない苛ついたヤツのために、出したくもないスピードを出して走る気は全くない。

振り切れるほどの腕があれば、それでも良いが。

信号待ちでスタートダッシュを決めてかなり後続車を離しても、すぐに追いつかれ煽られるのがいつもの落ち。




先頭を走って、やってやったぜ!と思った時には、あの方々が遠慮がちな笑顔で待ち構えているから、油断できない。

ねずみ捕り

復帰1ヶ月ほどで、そのパターンにはまり、9,000円をお支払いした私は、2度と同じ過ちを犯したくなく、大抵は無難そうな車の後ろを走る事に決めている。




秋保大滝と大滝不動尊

秋保大滝と大滝不動尊

さて、二口街道の話に戻るが、たまに地元の住民さんの軽トラなどが快調に飛ばしてくる。

ぐんぐん迫ってくる車をバックミラーで確認すると、私は迷わず左に寄ってブレーキを踏み、合図してから減速して進路を譲る。

無理な追い越しや、異常に接近される不快感とストレス、危険から解放される。そして、またしばし単独走行の自由に浸る。

しかし、しばらくするとまた車がぐんぐん迫ってくる。何度か同じ事を繰り返すうちに、目的地に着く。



二口街道の目的地の1つは、秋保大滝と大滝不動尊だ。

お不動さまのお堂を通り過ぎると、県境の山から流れる川の水が見事な滝となって落下している。紅葉の頃が見ごろかな。



その先は、山形県へと続く

山形県へ抜ける険しい林道へと続く、二口街道。

今は、全線舗装になっているらしいが、走りに行く勇気はない。

昔、父が若かった頃、二口林道の崖から車で落ちそうになったという話が頭からずっと離れないことも理由のひとつだ。

だから、その道がまだダートだった頃、私がバイク女子現役時代にも走った記憶はない。



東北のローカル道をゆったりと走る けど、たまにはね

東北のローカル道をゆったりと走る けど、たまにはね

こんな私でも、街へ帰る国道に入ると、急にスイッチが入ることもある。

交通量が増え、スピードがアップする。流れに乗らないわけにはいかなくなる。

緊張感と危険回避のため、キビキビとした運転に変わる。近寄らない方が良いと判断した車は容赦なく追い抜く。



アクセルをグイッと開ける。

神経が覚醒する。

そんな私とバイクを見て、何か勘違いするのか、急にスピードを上げて無理やり先に行こうとする車も少なくない。

目障りなのか?悔しいのか?

こちらは、何かあれば命を落としかねないから、より安全な場所へ移動しようと必死なだけなのだが。



私らしく、自由に思うままに

そんなわけで、私はほとんど車が走っていないローカルな道を、自分の好きなゆったりとしたスピードで、風景やら何やら、何かいいものを探しながら走るのが大好きなのだ。

ここだけの話し、街なかでひらりひらりと車をかわして走るのも、実は嫌いじゃない。





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